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第2582話 試作品1 投稿日: 2006/08/13(日) 23:13:08 ID:5PcJ6V2/
夏休み真っ盛り、ニホンちゃん達地球組のみんなは、今から林間学校に出発です。
フラメンコ先生が甲斐甲斐しく、校庭に整列したみんなの点呼を取っているその時、胸ポケットの携帯電話がピリリと音をたてました。
「あら、校長先生からだわ。何かしら? もしもし、え? 何ですって!?
 みんな、驚かないで聞いて。たった今、エリザベスちゃんの家の駐車場で、爆発物を持った不審な男が捕まったんですって」
「ええー!! 本当かよ!!」
「それは大変ですわ。お父様お母様はご無事かしら」
「ああ、エリザベスちゃん、安心して。幸い、爆発物は全て回収されて、怪我人もいないんですって・・・あら、また電話だわ。
 もしもし? 何、『すぐ職員室に来い』って? ごめんね、みんな。ちょっと校長先生に呼ばれたんで、すぐ戻るわ」

炎天下で待たされること数時間、「先生遅いなぁ」とみんながうんざりした頃になって、ようやくフラメンコ先生が戻ってきました。
「遅くなってごゴメーン。さっき校長先生と、今日の林間学校について色々協議したんだけど、危険人物が町内を徘徊しているようなので・・・」
「まさか、林間学校は中止?」
「ううん、林間学校へは予定通り行くんだけど、みんなの安全を期して、財布と生徒手帳を除いて、手荷物は別便で送ることになりました」
「何ニカそれは! ウリが危険物を持ち込むとでも思ってるニカ?」
「あ、別に誰を疑っているわけじゃないけど、一応念のため、万全を期して、ね、ね」
「バスの中でおやつ食べられないアルか」「マンガも持ち込み禁止なの?」
「みんな我慢しなさい。先生もバスには手荷物はもちろん、ポーチも持ち込めないんだから」と、不満タラタラのみんなを宥めつつ、
手荷物を回収してバスに乗り込ませると、さあ、林間学校に出発です。生徒達も一旦バスに乗り込んでしまえば、歌にゲームに興じて
さっきまでの不満もどこへやら、10時間の移動をものともせず、気がつけば林間学校に到着しました。

「よーし、林間学校一番乗りはオレだ!」「おー、写真で見るよりカッコいいじゃん」「おっ、向こうにはテニスコートもあるな。シメシメ」
と、めいめいに歓声を上げる生徒たち。
手はず通りに林間学校の大広間に集まったのですが、どういう訳かフラメンコ先生が中々現れません。
「あれ? フラメンコ先生は?」
「先生なら受付で『怪しい奴だ』って、警備の人に取り押さえられていたけど」
「何でも、事前に送られてきた顔写真と全く別人に見えるってさ」
「手荷物全て取り上げられてちゃ、お化粧直しも出来ないもんな」
フラメンコ先生の受難を、クスクスと笑う地球組のみんなでした。

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