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第2648話 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2006/12/28(木) 20:11:44 ID:IIuXg0AC
『背伸び』

 地球小学校の5年生たちは、今度のお正月にニューイヤーパーティーをすることになりました。
 そこでみんなは役割分担を決め、準備にとりかかりました。
 ニホンちゃんとカンコ君は買出し係です。
 2人はスーパーのお菓子売り場でお菓子をたくさん買い込んでから、飲み物売り場に行きました。
 売り場には、カラフルな飲み物の缶が並んでいます。
「わあ、フルーツのソーダがたくさんある。これおいしそうね」
「どれどれ。あ、でもこれはお酒じゃないニカ?」
「そうかあ、じゃあダメだね」
 でもカンコ君は、小声でニホンちゃんに耳打ちしました。
「ニホンの家では、お正月にお屠蘇を飲むんだろ。ちょっとぐらいならいいんじゃないニカ?」
「それもそうね」
 2人はチューハイの缶をソフトドリンクに混ぜてカゴに入れ、さりげなくレジに持っていきました。
 するとお店のおばさんが、目ざとく見とがめて言うのです。
「あなたたち子供でしょ。お酒はだめよ」
 それを聞いたニホンちゃんは、とっさに天井を指差し、叫びました。
「あっ、UFO!」
「えっ」
 おばさんが一瞬上を見ている間に、ニホンちゃんはさっき買った甘食を2個、セーターの下に入れて
胸を膨らませ、おばさんに向って言いました。
「あのう、こう見えても私、26歳なんですけど」
「あらまあ、そうだったの」
 アジア街区の住民は、概して小柄で童顔な人が多いので、おばさんは一瞬その気になったのです。
 でもそのとき、カンコ君が横から口をはさみました。
「ニホンが26歳?アイゴー!それじゃニホンはウリの姉貴じゃないか。そんなの許せないニダ!
ニホンが26歳なら……。ウ、ウリはこう見えても43歳ニダ!」
「なんですって。バカなことを言うんじゃありません」
 おばさんはカンコ君の一言で我に返りました。
 結局2人は事務室に連れて行かれて、小一時間お説教を食ってしまったのでした。

解説 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2006/12/28(木) 20:12:22 ID:IIuXg0AC
(解説)
2007年は、皇紀2667年、檀紀4340年です。
http://www.nunochu.com/matsuri/newyear.html

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