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第2694話 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2007/03/15(木) 20:30:00 ID:E47Vbk5v
『要望』

 弟というのは、お姉ちゃんがよその男の人と仲良くしていると、おだやかな気持ちではいられない
ものなのです。
 今日も学校からの帰り道、ニホンちゃんがアメリー君となにやら親しげに、それもお互いに相手を
指差して、夢中になって話し込んでいるのを見かけてしまって、ウヨ君は何となく面白くありません。

 そんな弟の気も知らず、ウヨ君がふくれっ面をしているのを見て、ニホンちゃんは尋ねました。
「どうしたのウヨ、むすっとしちゃって」
「別に……」
「好きな女の子をほかの子にとられたとかじゃないの?」
「そ、そんなんじゃないよ!」
 ウヨ君はニホンちゃんの冗談に、やけにムキになるのです。

 翌朝、学校に行こうと二人が一緒に玄関を出たところで、ウヨ君はニホンちゃんの様子がいつもと
少し違うことに気付きました。
「あれ、お姉ちゃん、いつもとなんか違うね」
「ああ、気がついた?髪留めを変えてみたの。アメリー君がね、もっと派手な色のにしたほうがいい
っていうから」
 その言葉を聞いたとたん、ウヨ君の顔色が変りました。
「お姉ちゃんのバカ!アメリーのいいなりになるお姉ちゃんなんて、大っ嫌いだ!」
 ウヨ君は涙ぐみながら大きな声でそう言うと、一人で走っていってしまいました。
 一人とり残されたニホンちゃんは思いました。
「うーん、別に私だけが一方的にアメリー君のいいなりになってるわけじゃなくて、私もアメリー君の
ファッション・センスにはずいぶんきついことを言ってるんだけどなあ。
 ん?もしかして、ウヨは私がアメリー君にとられちゃうって思ってるのかな?」

 学校に向って歩き始めたニホンちゃんの顔から、思わず笑みがこぼれました。
「ウフフ、ウヨってかわいいとこ、あるなあ」

解説 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2007/03/15(木) 20:31:20 ID:E47Vbk5v
(ソース)
元ネタは年次改革要望です。この件については色々な見方がありますが、ここに書かれているような面
にも目を向けるべきでしょう。

『「本当は賢い私」 - マスコミに責任転嫁したい知的怠惰』の「オマケ」部分
http://deztec.jp/design/06/01/17_logic.html

『三角合併「厳格化」見送り』泥酔論説委員の日経の読み方 2007/03/10 (土)
http://www3.diary.ne.jp/user/329372/#1173485762

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