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第43話 さよくびと@赤貧 投稿日: 02/08/11 23:36 ID:Wx4DBxot
夏休みスペシャル「Hearty Party」

「はっやく来い来い夕暮れ〜♪」
楽しそうに歌いながら、テーブルにクロスをかけて行くニホンちゃん。
「ニダ?・・・タイワン、ちゃんとマイク入ってるニカ?」
「OK、ここまでしっかり聞こえてるわよ!・・・あんたの地声もね(*゚ー゚)クスッ」
ステージではカンコ君がマイクのテスト中。その隣では、ミキサーの前に立ったゲルマッハ君の難しい顔。
広場の反対側で、タイワンちゃんがレベルメーターを持ってカンコ君の声をチェックしています。
「ネシアちゃん、花輪ってこれで全部?」
「ん〜・・・アレがないね。文学町の人で、今日来れない人が連名で送ってきたやつ。」
「ちょっとお花屋さんに連絡してみるね。」
そう言うと、ベトナちゃんはケータイを取り出しました。

地球町恒例、夏休みスペシャルパーティ。
地球町の子供たちがアイデアを出し合い、町の人を招待して立食式のパーティを開くイベントが、毎年この時期に開かれています。
中でも、今年は特に盛大なものになりました。
去年から交流の始まった文学町の人たちを、今年から招待する事になったのです。
場所も、地球町公園の中央広場を丸ごと使う事になったため、規模としては過去最大。
それぞれの家でもかなり気合が入っており、地球町の子供たちは、朝から準備のために大忙しです。

「うぁちちちちちち!」
「ウヨくん大丈夫!?はい氷!これで指冷やして!」
「ありがとう、ラスカちゃん。・・・やっぱり、慣れない料理なんてするもんじゃないな・・・」
「あら、ウヨくん?これからは男も料理が出来なければ笑われますわよ?
 貴方の家では『男子厨房に入らず』と言うようですけれど、厨房でも腕を奮えるに越した事はないのではなくて?」
「エリザベス、その前にあなたが厨房で腕を奮えるようになりなさいな、オ〜ッホッホッホッホ♪」
「何ですってぇ!!??」
「・・・バカにつける薬はないアル・・・・・・ちょっと待つヨロシ!それは・・・あぁ〜っ!」
「え?これ、唐揚げにするんじゃなかったの?てっきり、チューゴ君の家の名物料理だと思って・・・」
「先生・・・それは揚げる直前に、ボクの秘伝のタレに漬けるはずだったアルよ・・・トホホ・・・」
フラメンコ先生に料理を台無しにされ、思いっきり落ち込むチューゴ君でした。

「ん〜、アモォ〜レッ。惚れ惚れするぐらい美しいステージに仕上がったじゃないか♪」
「この幾何学模様が、何とも言えずいい雰囲気を出してるわよね。」
ステージのデコレーションを終え、マカロニーノ君とサウジちゃんが出来映えを鑑賞しています。
そのステージ上では、今度はラテン班の子供たちが楽器をチューニングしていました。
そこへ、ニホンちゃんとチョゴリちゃん、それとタガロー君たち東南通りの面々が、息を弾ませてやってきました。
「テーブルクロスと椅子の準備、終わったニダ!」
「次は何を運べばいいかな?」
「ん〜・・・もうそろそろ準備完了じゃないかな?君たちも、料理のほうに取りかかったほうがいいと思うよ。
 僕もそろそろピッツァを作る準備があるから、失礼するとしよう。それじゃ、チャオ☆」
そして、夕暮れ。
それぞれの家の料理もあらかた完成して、カウンターに所狭しと並べられています。
「文学町の人たち、来るかなぁ・・・」
「来なかったら謝罪させて、たっぷり賠償と補償をふんだくってやるニダ!」
「・・・バカンコ、あんたの頭にはそれしかないの?
 でも、せっかくこっちが招待したのに、一人も来なかったら・・・それはそれで悲しいね。」

そこへ、一人の女の子がやって来ました。
5年生ぐらいの、体操服に赤いブルマをはいた少女です。トラのような耳と、クマのようなかわいい尻尾までついていました。
「あの〜・・・地球町夏休みパーティの会場はこちらですか?」
「はいそうです。・・・文学町の方ですか!?」
「はい。わたし、雉虎っていいます。皆さんに会えるのを楽しみにしていました!」
続いてやってきたのは、恰幅のいい青年と、ウサギの頭部のような帽子をかぶったワンピースの少女。
「僕、!=exって者やけど、地球町のパーティはこちらでよろしかったやろか?」
「あたし、暗黒神と言います。地球町の皆さん、ご招待有難うございます!」
そろそろ日が落ちようかという頃になって、高校生ぐらいの少年がやってきました。
「あの〜・・・俺、KAMONって者なんですが・・・」
「はい、地球町夏休みパーティにようこそ!」
「あ、それでですね。そろそろ気球が到着する頃だと思うんですね・・・」
気球などという物に覚えのないニホンちゃんたちに、暗黒神さんが説明します。
「それ、三毛さんの乗った気球ですよ、絶対!」
今回の参加者の中に、普段は文学町のかなり外れに住んでいて、町の中心に出てくる事さえ稀な人がいたそうです。
「あ!見えてきたぞ!ニホンちゃん、あれじゃないか!?」
地球町一番の視力を誇るマサイ君が最初に発見。だんだん、メガネをかけたノーベル君でも見えるぐらいに近づいてきました。
「間違いない!あのスクール水着は三毛さんだ!」
やがて、気球は広場に降り立ちました。中から出てきたのは、スクール水着に猫耳の女の子。
「こんにちは、三毛です!今日はせっかく地球町の皆さんにご招待頂いたので、文学町の北の外れから出てきました!」

その後も、文学町の人たちが次々にやってきました。
「ご招待有難うございます。ニーです。」といってやってきたのは、見目麗しいレディ。
「ウリ、この人知ってるニダ。」
「確か、俺たちの似顔絵を送ってきてくれた人だよな。」
「なーでございます。こちらの方はしましま博士です。ご招待有難うございます!」
「こんばんわ、天麩羅です。ご招待に預かり、大変恐縮です。」
そして、何やら袋を携えた人がやってきました。
「あ、ども。こっぱーと申します。今日はご招待頂きまして、有難うございます。
 それとこれ、今日残念ながら来られなかった皆さんからのメッセージです。」
ニホンちゃんが受け取った紙袋には、メッセージの書かれた紙がたくさん入っていました。

  『地球町のみなさん、こんにちは。ヒバリと申します。
   せっかくご招待頂いたのですが、私は今日別のパーティに出る事になってしまい、そちらには行けません。
   お詫びの品と言ってはなんですが、みなさんのイラストをこっぱーさんに預けておきました。』

「ほぉ、これは素敵な絵を・・・兄上がいっそう男前にみえるな。」
「よせ、アーリア。おだてても何も出んぞ。(赤面)」

  『本日お招き頂きました、マル教小僧の「さよくびと」と申します。
   ちょっと家の方がゴタゴタしてしまい、残念ながら今回のご招待にあずかれそうにありません。
   次のパーティでお会いできる事を願っております。』

「アイヤー、来れないアルか。左翼人とは一度語り合ってみたかったアル。」
「俺もだ。秘蔵のウォッカを持って来たんだが・・・栓を開けるのが延びちまったな。」

  『真樹菜と申します。本日はお招き有難うございました。
   残念ながら私は仕事のためそちらにお伺いできませんが、文学町の皆さんには
   私の分まで楽しんで来いと言っておきましたので、宜しくお願い致します。』

「え〜、真樹菜さん来れないのぉ?ちょっと問い詰めたい事があったのにぃ!」
「それはいいんだけど、スオミちゃん?・・・その手に持ってる物騒な金属製品は・・・」

  『ご招待ありがとうございます。小桜と申します。
   仕事のため、残念ながらそちらのパーティへの出席は難しそうです。
   愛しのカンコ君にお会いするチャンスだったのですが・・・』

「ウリに会いたがってた人がいたニダ!小桜に仕事を命じたヤシは反省しる!」
「しょうがないよ、カンコ君。今日来られなかった皆さんのためにも、いいパーティにしましょ♪」
「さぁ、それでは文学町のみなさん、こちらへどうぞ!」
フラメンコ先生の案内で、文学町の参加者用に特別に用意されたテーブルにぞろぞろと移動して行きます。

ステージにアメリー君が上がりました。
「Ladies and gentlemen!! 今日は地球町子供会プレゼンツ、夏休みスペシャルパーティにようこそ!
 今日は文学町からスペシャルゲストも来てるぜ!みんな、楽しんでってくれよ!
 ・・・それじゃ、飲み物は行き渡ったかな?」
既に、全員が何らかの飲み物の入ったコップを手にしていました。
「それでは、素晴らしい出会いへの感謝とこれからの両町の発展に祈りを込めて・・・
 乾杯!!」
『乾杯!』


・・・今日は素晴らしい、忘れる事の出来ないパーティになりそうです。

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第1回・ニホンちゃん制作委員会サミット開催記念SS。
参加者のみなさん、素敵な一夜となりますように・・・

・・・次回こそ!!(T▽T)

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