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第11話
北極星
投稿日: 2002/12/03(火) 12:12 ID:xeAyB4Fk
お絵かき掲示板で思いついた小ネタです。
「さあ、ウヨ君もご一緒に!」
「うるさい!」
つけ毛をつけたヨハネ君が誘うと、ウヨ君は腹立たしげに一喝しました。なぜか二人ともメイド服です。
不機嫌な相方にかまわず、ヨハネ君が叫びました。
「えっちなのはいけないと思います!」
「思いま〜す!」
二人の背後から、若い女性の声が唱和しました。
春風のように暖かく、若々しいおっとりした声です。それを聴く者の胸に温もりを生じさせる、音楽的な
響きをもつ不思議な美声でした。
「なんだよ、ハプスブルク先生まで悪乗りして」
振り返ったウヨ君が苦々しげに呻きました。
「だって私も同感だもの。えっちなのはいけないんですよ〜、ウヨ君♪」
ウヨ君の目に映ったのは、三年地球組の担任のハプスブルク先生でした。
「えっちなのはいけないんですよ。ほーら、つんつん」
メイド服の先生は、悪戯っぽい笑顔を浮かべると腰をかがめて、二人の目線まで降りてウヨ君の頬をつつきました。
「やめてくれってば、先生。何かというとオレの頬をつつくのやめてくれ」
「だって柔らかくて気持ちいいんだもの、ウヨ君のほっぺ。触りたくなっちゃうわ。ほーらつんつん、つんつん」
「うう……」
ウヨ君は迷惑気な表情のまま、ハプスブルク先生の為すがままになっていました。
その顔は真っ赤に充血して、羞じらいとも困惑ともつかぬ表情を浮かべています。
ハプスブルク先生の前に立つといつもこうなるのです。
彼が心底から愛着を覚えるのは、ニホンちゃんとハプスブルク先生の二人だけでした。彼女らの他には、母親さえ
彼の苦手意識を刺激することはないのです。
ウヨ君はどうともつかないまま、先生のなすがままになっていました。
「あー、酷いです先生! 私にもつんつんしてくださいよ」
「あらあら、ヨハネ君。二人とも可愛い格好してどうしたの?」
「知らん! 気づいたらこんな恥知らずな格好してた」
ウヨ君が真っ赤になったまま吐き捨てました。
「でも可愛いからいいわ。ほーら、つんつん、つんつん」
「わーい!」
ヨハネ君が満面の笑顔でつつかれています。
仲睦まじい二人を眺めながら、(この二人はいつも幸せそうだなあ)と、ウヨ君は思いました。
しかし同時に、(こんなに脳天気に振る舞うことはオレにはできない)とも思うのでした。
「あー、またウヨ君てば難しそうな表情しちゃって! ほら、こうしちゃうんだから♪」
嬉しそうなハプスブルク先生が彼を抱きしめました。豊満なバストが顔に押しつけられて、ウヨ君は火を噴くほど
赤面しました。
「せっ、先生ってば!」
「あらウヨ君ってば照れちゃって可愛い♪」
「そうです、何を狼狽しているのです? 先生の胸は温かくて気持ちいいですよ」
「うがーー!!」
ウヨ君の絶叫が響きます。彼の羨ましいのか同情すべきかよくわからない受難は当分続くのでした。
おわり
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