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第27話 ナナッシィ 投稿日: 2003/01/26(日) 17:50 ID:tNIh351s
『猟奇的なチョゴリ(前編)』

「ハァ?ストーカー?」
「チョゴリちゃん・・・・それ本当?」
「多分・・・・・」

地球小学校の放課後。
通学路を並んで歩いているのはニホンちゃん、ウヨ君、チョゴリちゃんです。
一昔前のニホンちゃんのようにいつもおどおどしているチョゴリちゃんですが、
今日はそれに加えてどうも悩み事を抱えている様子で表情も冴えません。

「授業中は気にならないニダが、下校途中や自分の部屋にいる時や、
 その・・・お風呂に・・・入っている時も誰かの視線をずっと感じるニダ・・・
 でも周りには誰もいなくて・・・気味が悪いニダ・・・・」
「・・・・そう・・・・・」

『お風呂』のあたりで顔を真っ赤にして俯いてしまったチョゴリちゃん。
ニホンちゃんも考え込むように視線を足元に落としました。
自分もカンコ君という隣人に悩まされているニホンちゃん、
決して他人事として見過ごすことなどできません。
何より、家族のことで人一倍苦労をしているチョゴリちゃんが
これ以上苦しむのを放っておけるでしょうか!否!

「安心して!私が今夜そのストーカーさんを捕まえてあげるわ!」
『ええ〜〜〜!?』

ウヨ君とチョゴリちゃんの驚きの声を背中に受けながら、
夕陽に向かって力強く拳を突き上げるニホンちゃんでした。
・・・・アオーーーーン・・・・・

野良犬の遠吠えが夜空に響き渡りました。
恥ずかしがり屋のお月様が窓からこっそり覗いています。

チョゴリちゃんの部屋では、普段では考えられない妙な緊張感が漂っていました。
『大体姉さんの方がよっぽどストーカーに狙われやすいじゃないか・・・・』という
至極まともな心配をしてついてきたウヨ君が、愛刀の手入れをしています。
ニホンちゃんも長刀を持ち、鉢巻を締めて臨戦態勢です。
ただ、そこ書いてある文字が『絶対合格』というのはご愛嬌でしょうか?
チョゴリちゃんは不安げな表情で、白いウサギのぬいぐるみを抱きしめていました。
「・・・チョゴリちゃん・・・誰かの視線感じる?」
「・・・ううん・・・今は感じないニダ・・・」

同じような受け答えを繰り返して、時間だけが静かに過ぎていきました。
張り詰めていた緊張感も次第に緩み始めます。
「・・・ねぇ武士、何でストーカーさん出てこないのかなぁ?」
「何で僕に聞くの?」
「だってストーカーさんは男でしょ?同じ男の子の意見を聞きたいなぁ」
「姉さん・・・僕をストーカーと同じ扱いしないでよ・・・」
心底心外と言う表情をしながら、ウヨ君も考えてみました。
「・・・やっぱり今日は僕らがいるのに気付いて警戒している、と考えるのが普通かな」
「そうかぁ・・・じゃあ、今日は出てこないかな・・・」
「かもね・・・」
するとニホンちゃんはチョゴリちゃんのほうを振り向いて大声で言いました。
「今日はストーカーさん出てこない模様なので、『ストーカーさん捕獲大作戦』を中止して
 『チョゴリちゃんのお部屋でお泊り会』を開催することにしま〜す!」
『ハァ?』
ウヨ君とチョゴリちゃんの声が見事にハモりました。
「ちょ、ちょっと姉さん・・・・」
ウヨ君が慌てて声をかけると、ニホンちゃんはウィンクをしながら
唇に人差し指を当てる仕草をしました。
「(!そうか、なるほどね)」
ウヨ君もニホンちゃんの意図を理解したようで、外に聞こえるような大声で言いました。
「じゃあ、僕はもう用なしだね!家に帰るよ!じゃあなチョゴリ、また明日な!」
「え?え?え?え?・・・・・うん、おやすみニダ・・・・」
いまいち状況がよく分かっていないチョゴリちゃんに対し、ニホンちゃんは笑顔で言いました。
「チョゴリちゃ〜ん、私体が冷えちゃった〜、一緒にお風呂に入りましょ〜」

かぽーん

「うわ〜ニホンさんの肌、白くてすべすべニダ〜」
「えー、チョゴリちゃんの黒髪もすごい奇麗なつやしてるよ〜」
窓の隙間からは、風呂場の明かりと湯気、そして二人の少女の可愛らしい声が漏れていました。
そう、そこは地上の楽園。遥かなる太古の昔から、いきり立った猛者どもが、
ロマンと情欲に身を焦がして手を伸ばした禁断の花園・・・・ハァハァハァハァ

「・・・で、貴様もその一人というわけだ」
「!」『バキッ』
ウヨ君がその無様な不審者の後頭部に容赦なく刀の鞘を振り下ろすと、
不審者はあっけなくひっくり返りました。
「姉さ〜ん、もう芝居はいいよ〜」
ウヨ君が声をかけると、ニホンちゃんとチョゴリちゃんが懐中電灯を手に急いで出てきました。
もちろん、衣服は身にまとっており、そもそも風呂場でも脱いでいませんでした。
そして、ニホンちゃんの懐中電灯に映し出されたのは、
「そ、そんなのずるいニダ!ウリをだましたニホンは反省しる!」
お約束通りの逆切れで顔をキムチ色にしたカンコ君なのでした。
「おい、カンコ。チョゴリの事を覗いてたストーカーってのは貴様なのか?」
カンコ君の戯言には全く耳を貸さず、ウヨ君は汚物を見るような目で聞きました。
「違うニダ!ウリはチョゴリのことが心配で見に来ただけニダ!」
「じゃあ、風呂場を覗いていたのはどう説明するつもりだ?」
「それはニホンが風呂に入っていると思ったら体が自然に・・・・あ・・・」
・・・・・カンコ君、自爆・・・・・・・
普段は赤みを帯びた顔がみるみる青ざめていきました。
それに比例してウヨ君とニホンちゃんの目は冷たさを増してゆきます。
「・・・・・・・・・最低」
ニホンちゃんはほとほと愛想が尽きたという表情で後ろを向いてしまいました。
ウヨ君がゆっくりと関の孫六を鞘から抜いていきます。
宵闇の中なのにその刀身からは鋭い閃光が放たれていました。
「もはや、人の風上はもちろん風下に置く事も許されない・・・犬畜生にも劣る、
 地上に存在することすら罪な外道よ・・・せめてもの情け、この一太刀で・・・」
「ま、待つニダ!これは濡れ衣ニダ!誤解ニダヨ・・・・・」

その時です。
「ウヨ君、待って欲しいニダ」
凛とした声がその場に響きました。
「チョゴリ・・・まさかお前・・・」
「チョ、チョゴリ・・・・お前だけはウリを信じてくれると思ってたニダよ・・・」
対照的な表情を作るウヨ君とカンコ君でしたが・・・

「黙れ人間のクズが!殺されたいニダか!?」
『!!!???』
その場にいた全員が耳を疑い、目を丸くし、口を意味無くパクパクさせました。
そんな周囲を気にも留めず、チョゴリちゃんはツカツカとカンコ君に歩み寄りました。

「ウヨ君を止めたのは、ウリが自分の手で制裁を与えるためニダ!」『ボカボカボカボカ』
「今度という今度はウリも堪忍袋の緒が切れたニダ!くたばるハセヨ!」『グリグリグリグリ』
「実の妹にハァハァする兄貴が何処の世界にいるニダ!恥を知る!」『ゲシゲシゲシゲシ』
「こんなだから、『カンコ家は理性がない』なんて言われるニダ!反省しる!」『ザクザクザク』
「ニ、ニダァァァァァ・・・・・・・」

普段は大人し過ぎるほど大人しいチョゴリちゃんの手によって、
その場はさながら猟奇殺人の現場に近づいてゆきます。
唖然としながら、ニホンちゃんはウヨ君に小声で言いました。
「・・・・武士、帰ろうか・・・これ以上はカンコ君家の問題だもんね・・・」
「うん・・・やばくなったらさっさと逃げる・・・だね」
ニホンちゃんとウヨ君は脱兎のごとく逃げ出しました。

「こ、こらニホン待つニダ・・・チョゴリがこうなったのはニホンの・・・」
「まだ懲りないニダか、この×××が××った奴めニダァァ!!!」『グシャグシャグシャ』
「・・・・ァ・・・・・ィ・・・・・ォ・・・・・・・・」

夜空に響くカンコ君の哀号。
それは冷たい風にかき消されてゆきました。

なお、もう一人分の影が施設の玄関から出て行ったのはお月様しか知りません。
「ふぅ、危なかったニダ・・・・」

続く。

解説 ナナッシィ 投稿日: 2003/01/26(日) 18:00 ID:tNIh351s
(解説)
ソースは
「韓国女性の過半数が男兄弟からセクハラされているニダ!」という2chスレ
ttp://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1033696253/
尤も、儒教精神の根強いかの国では、日本とセクハラ意識のレベルが違うかもしれませんし
ストーカーはセクハラのレベルを遥かに越えておりますね。
ですが、これは一応次の作品の前フリなんですよ!だからケンチャナヨ!

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