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第4話
三毛 ◆wPntKTsQ
投稿日: 2002/09/21(土) 02:18 ID:cBWiKoyo
「名称問題」
いつも愉快な五年地球組。
今日は、クラスのみんなで、おおきな地球町の地図を作ることになりました。それぞれの家を描き、道や
川、池を記入し、さてそれぞれの名称を書き込もうという段になって………ちょっとした騒ぎが持ち上がりま
した。
いつもいつも脱力するような騒動を巻き起こすカンコ君。その彼が、またやらかしたのです。
「ここをニホン池にするのは間違いニダ!ここは東池ニダ〜ッ!!」
ターゲットは、またまたまたまたニホンちゃん。日ノ本家とカンコ家、両家を隔てる池の名前にケチをつけた
のです。
「ニホン池は、ニホン達がウリの家を別荘にしてたときに、無理矢理変えたニダ!無効ニダ!昔から、この
池は東池って言ってたニダ〜!!」
「………………証拠は?」
ニホンちゃん、静かすぎる、底冷えのする口調で反撃します。
「証拠はあるの?昔から東池って呼んでた証拠を出して」
「ぐ………。ウリの家ではずーっと、ずーーーっと、ず〜〜〜〜〜〜〜っっと昔からそう呼んでたニダ!ほか
の家でもそう呼んでたニダ!!」
「チューゴ君、ほんと?」
あくまで冷静な態度のニホンちゃん。その静かな迫力に気圧されながらも、チューゴ君は無言で肩をすく
めました。
「……ロシアノビッチ君は?」
「俺様は知らねぇな。……あ、俺様の家にある古地図には、ニホン池って書いてあったかな…?」
「だ、そうよ。他の家って、どこ?」
ニホンちゃんの声はますます冷たく、まるで霜が降りたかのようです。
つづき
ほとんど一瞬で追いつめられたカンコ君。顔面をキムチ色に染め、ニホンちゃんとは対照的に、胴間声を張
り上げます。
「とにかくウリの家では東池って名前を使ってたニダ!ニホンの家で使ってるだけの名前を使うのはおかし
いニダ!」
「エリザベスちゃん。この池のこと、なんて呼んでるの?」
「ニホン池ですわ」
「アメリー君は?」
「ニホン池」
「………ニホン池って言ってるのは、うちだけじゃないみたいだけど?」
ますます不利なカンコ君。血走った目でニホンちゃんを睨みつつ、必死に打開策を探ります。
「とにかく!この池は東池ニダ!……まあ半万歩譲って両方書いてもいいニダ!」
なにをどう譲れば、両方併記になるのかよく分かりません。はっきり意って支離滅裂です。
が。ここで、思わぬ援軍が、カンコ君に現れました。
「併記案に賛成!」
なんと、アサヒちゃんです。底の読めない薄笑いを浮かべつつ、自説を開陳します。
「カンコ君がこれだけ言ってるんだから、彼の主張には根拠があると思います。ニホンちゃんこそ、意固地に
なって我が侭言ってるんじゃないの!?」
援護射撃を得て調子づいたカンコ君、ここを先途と叫びます。
「ニホン池を白紙にしる〜〜〜〜〜〜っ!!」
つづき
チャイムが鳴り、議論が中断されました。こめかみを押さえたフラメンコ先生が、疲れ果てた声で、次の時
間に多数決を採って決めることを宣言しました。それを聞いたカンコ君の目が、不気味に光ります。
(チャンスニダ。こんなこともあろうかと用意しておいたアレが役に立つニダ……)
さてさて、またぞろなにやら企んでいるようですね。
休み時間も終わり、いよいよ採決になりました。自分の席についたみんなは、机の中を覗き込んで妙な表
情をしています。
「さて………ええと、ニホン池と地図に書き込むのを白紙に戻すというカンコ君の言い分だけど……みんな
どう思う?」
フラメンコ先生が水を向けます。
「当然ニダ!!ずぇったいにニホン池なんて認められないニダ〜!!」
「カンコ君はお黙りなさい!!」
先生の雷が炸裂!
「先生はみんなにきいています。当事者のカンコ君は静かにしてなさい!!」
「に、ニダ……………!!」
一喝されて、不満そうに黙り込むカンコ君。しかし、なにやら妙に自信ありげです。
(まあいいニダ。アレを見れば、みんなウリの味方してくれるはずニダ)
「で?みんなはどう思うの?」
それを受けて、みんなが口々に意見を言います。
「何をいまさら、って感じです。ずっとニホン池って言ってたんだし、そのままでいいです」と、ポーラちゃん。
「同感。そもそも根拠がない」と、ゲルマッハ君。
「なんで、こんなこと言い出したのやら。理解に苦しみますわ」と、フランソワーズちゃん。
「こんな提案、意味ありません」と、イン堂君。
つづき
「ニダ…………………………………………………………………!?」
カンコ君、茫然自失。ぱかーんと大口をあけて、固まってしまいました。ほとんど全否定されたも同然なの
ですから、無理もありません。
「………どうやら、多数決をとるまでもないようね。ではカンコ君の提案は却下。以上!さ、みんな作業にか
かりなさい」
フラメンコ先生が、高らかに宣言します。みんなは、それと同時に席を立ち、地図の回りに群がっていきます。
わいわいと賑やかに作業する一同を後目に、カンコ君は、ぼーぜんと虚空を眺めているのでした。
放課後。カンコ君は、おもいっきり肩を落として、とぼとぼと家路についていました。
「………なぜニダ。なぜみんなウリのいうこと聞いてくれないニダ?せっかくウリが、プレゼントも用意したの
に………」
どうやらカンコ君、みんなに袖の下をばらまいていたようです。
「みんな、みんな恩知らずニダ………!!」
なんとも利己的な不満を抱え込みつつ、重い足と鞄を引きずります。
「そういえば、鞄がやけに重いニダ………」
不審に思ったカンコ君、鞄を降ろして、中を覗き込みました。
………中には、手の平サイズのちいさな壺が、ぎっしりと詰まっていました。
「これは………ウリがみんなに配ったキムチ壺……!?」
なんと、袖の下は、ことごとくつっ返されていたのでした。その中に、メモらしき紙が挟まっています。おそ
るおそるそれを開いたカンコ君、次の瞬間、「アイゴォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」と絶叫しました。
彼の手から滑り落ちた紙には………こう書かれていたのです。
「姑息なことするな!誰が東池なんて呼ぶものかよ!先生に、壺は提出したからな。明日が楽しみだな。
アメリー」
おしまい
解説
三毛 ◆wPntKTsQ
投稿日: 2002/09/21(土) 02:20 ID:cBWiKoyo
三毛であります。
今回のネタは……言わずと知れた、日本海呼称問題、その白紙化案が、撤回されたというネタです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020920-00000312-yom-soci
やれやれですね。しかしながら、韓国はあの手この手で、東海という呼称を定着させようと横車を押して来
るでしょう。海上保安庁の一層の奮闘をお祈りいたします。
連中がIHOにてワイーロをばらまいていたというソースは、当然ながらありません。あくまで2ちゃん内での推測
でしかありませんが、やっていたとしても不思議じゃないと思ってしまうのは、私の性格が悪いからでしょう
か?それともかの国の不徳なのでしょうか?(w
ちなみに、今回タイワンちゃんが登場してないのは、IHOに台湾が加入していないからです。
では!
松居慶子「NIGHT WALTZ」を聞きながら 三毛 拝
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