戻る <<戻る | 進む>>
第62話 名無しさん 投稿日: 2003/05/23(金) 02:34 ID:KvoFQuR2
  「未来志向」
 「嫌、来ないで・・・」
 夜道でニホンちゃんがなにかにおびえています。
 「あっち行って。お願いだから」
 見れば犬ですね。グルル、と吼えています。
 「だから、来ないで・・・」
 お友達の家へ行った帰り道でしょうか。タイワンちゃんもウヨ君もいません。
 「ガゥッ!」
 「きゃあっ!」
 今とびかからんとしたそのとき何かが犬を撃ちました。
 「ふえ!?」
 きゃんきゃんと鳴いてさっていきます。石でも投げつけられたみたいですね。
 「怪我はないか?」
 横を見ると男の子が立っていました。黒髪のなかなか格好いい子です。
 「あ、ありがとう。あなたは?」
 「俺か?朴っていうんだが」
 「朴・・・君!?」
 「ああ。まあ夜道は一人で歩くなよ。危ないからな」
 「う、うん」
 朴君に連れられニホンちゃんは家へ帰りました。
 「じゃあな。俺の家はここだ」
 そこはお隣のおうちでした。
 「(お隣さん?あんな子いたっけ)う、うん。わかったわ。おやすみなさい」
 「おやすみ」
 かくしてニホンちゃんは無事おうちにつきました。
 
(昨日の子朴君・・・知らないなあ。誰なんだろう)
 朝のHR前ニホンちゃんは昨日のことを考えていました。
 「皆さん、おはよう」
 「おはようございまーーす」
 フラメンコ先生が来ました。
 「今日は皆さんに新しいお友達を紹介します。いらっしゃい」
 先生に呼ばれて一人の男の子が入ってきました。
 「朴。朴 利夫だ。前の学校ではカンコと呼ばれていた。だからそう呼んでくれ」
 「アーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
 少年を見てニホンちゃん跳び上がらんばかりに驚きました。
 「?ニホンちゃんどうしたの?」
 「あ、ああ、な、なんでもないの」
 ニホンちゃんまだぱにくってますがなんとか落ち着きを取り戻しました。
 「席は・・・ニホンちゃんの隣が空いてるわね」
 カンコ君ニホンちゃんの隣に着席しました。
 「?なんだ。昨日の奴か」
 「な、ななな、なんでここに!?」
 「家の都合で親元を離れてたんだ。昨日戻ってきたばかりだ」
 「そ、そうだったの」
 「ニホン・・・お前の名前か?」
 「あ、あだ名なの。日之本さくらっていうの」
 「さくらか・・・。これからはそれで呼ばせてもらうか」
 かくして5年地球組に新しいメンバーが加わりました。
クラスはカンコ君の話でもちきりです。彼クールでなかなか格好よく結構頭も
いいのです。
 「なかなかハンサムですわね」
 「少し冷たい感じがするけどね」
 女の子の噂の的です。ニホンちゃんが隣ということもありよく一緒にいました。
 「さくら、下着見えてるぞ」
 「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
 体育の時間バスケをしている時にカンコ君が言いました。
 「もう、そんなこと言わないでよ!!!」
 ブルマーの裾を直しながらニホンちゃん顔が真っ赤です。
 「悪いのか?俺が言わなかったら皆に見られてるぞ」
 「うう・・・」
 ニホンちゃん反論できません。
 「竹島ってパンツか」
 「なんでそんなことまで知ってんのよ!!」
 「・・・書いてたぞ。お前の字で」
 「もーーーーーーーーーーーーッ!カンコ君の馬鹿ーーーーーーーーッ!!」
 ニホンちゃん更に顔を赤らめちゃいました。
 「・・・・・・ごめん」
 それにはカンコ君すんなりと謝りました。
ある雨の日町へお使いへ行った帰り道、ニホンちゃんは雨の中子犬を抱えたカンコ君
を見つけました。
 「その犬、どうしたの?」
 「・・・捨てられていたらしい。俺が拾った」
 そっけなく答えます。傘もささず彼の身体はずぶ濡れでした。
 「・・・その犬どうするの?」
 「俺が育てる。親父やお袋がどう言おうと」
 「・・・そう」
 二人は雨の中家へ帰ります。
 「カンコ君」 
 「なんだ?」
 「私もそのわんちゃんに時々あいに来ていいかな?」
 「・・・ああ。勿論だ」
 そう言ってカンコ君は家へ帰りました。後日カンコ君の家でその犬と遊ぶ二人がい
ました。それから二人は仲良しになりました。
 「ねえカンコ君」
 学校の帰り道ニホンちゃんはカンコ君に尋ねました。
 「なんだ?」
 「あの・・・わたしと一緒にいておうちの人になにか言われない?」
 おずおずと尋ねます。
 「別に・・・。そんなこと気にしない」
 「けど・・・カンコ君のお父さんもお母さんもうちのお祖父様が昔カンコ君のおうち
に酷いことしたっていつも言ってるし」
 「そんなことは関係ない。俺は俺、親父やお袋とは違う」
 「そうなの?」
 「ああ。さくらもそうだ。お前とお前の爺さんは違う。それに」
 「それに?」
 「俺はお前に爺さんがうちに悪いことをしたとは思っていないしな。親父やお袋の言
うことなんか無視しろ。お前はお前の思っていることを素直に言え」
 「・・・うん」
 その言葉にニホンちゃんは頷きました。
 「ねえカンコ君」
 「なんだ?」
 「・・・ありがと」
 「・・・・・・・・・」
 二人は黙って帰っていきます。夕陽が二人の長い影をうつしています。
「起きなさいっ!」
 フラメンコ先生の容赦のないブラッデイ・サーベルが居眠りをするカンコ君を貫きます。
 「アイゴッッ!」 
 これには流石のカンコ君もたまりません。頭に直撃を受けました。
 授業終了です。先生サーベルをそのままに職員室へ帰っちゃいました。
 「ふうーーー、先生怒ると恐いニダ」
 頭からサーブルを抜きつつカンコ君が言います。
 「カンコ君大丈夫!?頭から血と脳漿が出てるよ」
 ニホンちゃんが気遣います。
 「うるさいニダ!ニホンが・・・」
 ニホンちゃんに文句を言おうとして振り向きますが言葉を止めました。
 「・・・・・・・・・」
 「?どうしたの?」
 ニホンちゃんの顔を見て言葉が止まりました。何故かいつもはうるさい位出る言葉が
出ません。
 「な、なんでもないニダ、今日のところは許してやるニダ、感謝しる!」
 ぷいっ、と振り向き言いました。何かあるのでしょうか。
 「?変なカンコ君」
 「う、うるさいニダ、ウリは変じゃないニダ!」
 怪我もそのままにカンコ君教室から逃げるように走り去っていきました。
 「おかしいニダ。何も言えないニダ」
 カンコ君にもそれがどうしてかわかりません。けど心の奥底ではわかってるのかもし
れません。自分の本当の理想と願望が。

解説 名無しさん 投稿日: 2003/05/23(金) 02:39 ID:KvoFQuR2
ソースはここの一番下の『未来志向の韓国人』
http://www.kotra.or.jp/home/invest/invest02_01.html
です。なかなか信じられない話ですが。作品の元ネタは画像掲示板の
未来志向のカンコ君です。たなみにフラメンコ先生の技は
http://www.asahi-net.or.jp/~we2t-krh/garou/gs_laure.htm
http://tugger.hp.infoseek.co.jp/ffs-lb.htm
上を参照。

この作品の評価を投票この作品の評価   結果   その他の結果 Petit Poll SE ダウンロード
  コメント: