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第12話
名無しさん ◆x3A1GrPw
投稿日: 2003/09/24(水) 11:58 ID:4eSdVXsI
「聖封魔録」
金角銀角を退けた一行は更に旅を続けます。しかし法師の美貌と悟空の天界での悪行のつけで
行く先々でトラブルに巻き込まれます。
「さて天竺までの中間点のある山でのことです」
ナレーションが入ると三人の鎧と戦抱に身を包んだ三人の少女が現われました。
「ふう、やっと出番ね。最後まで出られないんじゃないかってひやひやしたわよ」
獅子の化身一大王、演ずるはトル子ちゃんです。
「・・・パオン」
白象が実体の二大王、ベトナちゃんが演じます。
「まあ主役が第四部まで出てこない話だし仕方ないけどね」
鵬が変化した三大王、こちらはインドネシアちゃんです。
「まあ楽屋落ちはこれ位にして、と。この山に三蔵法師が通り掛かるそうよ」
「本当、一大王」
三大王が身を乗り出します。
「ええ、なんでも天竺へ行く途中だとか」
「チャンスね。法師をさらってあたし達のペットにしましょうよ」
「ペット。悪くないわね」
一大王はうふふ、と笑いました。
「服は・・・うちの踊り子の服がいいかな」
「あたしんとこのもいいわねえーーー」
「・・・アオザイ」
「二大王、いいかしら」
「私はいいわ」
「よしっ、じゃあ今から行くわよおーーー」
「おーーーーっ!」
「・・・アオザイがいいわ」
かくして三魔王出撃です。
山に三蔵法師一行が入りました。早速三魔王達が取り囲みます。
「また出てきたよ」
八戒がうんざりした声で言います。
「また何処かで見た顔アルな」
悟浄が慣れた顔付きで言いました。
「悟空、あんた知らない?」
白馬が悟空に尋ねます。
「悟空!?」
三魔王の顔色が変わります。
「知らないニダな。御前等何者ニダ?」
「・・・あんた、本当に物忘れ激しいね」
一大王が呆れた顔で言いました。
「あんたのせいでこんなとこに落っこちたのにね」
三大王が怒気を含んだ声で言いました。
「まあ昔のことニダ。そんなことケンチャナヨニダ」
「やかましいわ」
二人が百トンハンマーで殴りつけます。悟空は舞台にめり込みました。
「アイゴオオ・・・今回こんなのばかりニダ・・・」
悟空をよそに三魔王は法師の方へ向き直りました。
「まあ今はあんたに用は無いのよ。あたし達が用があるのは法師様なの」
「わたし・・・ですか?」
後ろに匿われていた法師がきょとんとした顔で出て来ました。
「そう、法師様をあたし達のペットにしてあげるの」
「綺麗な服着せてたっぷりと可愛がってあげるわよ」
「そうそう、あーーんなことやこーーんなことも・・・って三大王何言わせるのよ!」
「あんた自分で言ってんじゃん」
「うっ・・・まあそんなことどうでもいいわ、行くわよ!」
よくない。何はともあれ一大王の号令の下三人の魔王達が動きました。
「行くわよ!!」
一大王のマントが溶ける様に散り中から三日月の形をした二本の刀が現われました。
「邪魔するなら・・・容赦はしないわ」
二大王は胸のところで両腕をクロスさせると思い切りきりもみしながら跳び上がりました。
そして着地すると両手の指に挟んだ無数の短剣や暗器を放ってきました。
「伊達に三大王の通り名で呼ばれてはいないわよ!」
三大王が腰から鞭の形をした鳥の尾の羽根を取り出し振るい回します。
「へえ、面白いねえ」
「そうでなければ張り合いがないアル」
「久々に楽しませてもらうわよ!」
強敵に巡り会えた三人も上機嫌です。相手を見つけさっと散ります。
「切って切って・・・切りまくるぜえっ!」
「目標捕捉・・・行くアル!」
「この闘い・・・あたし達の手で終わらせる!」
馬鍬を、杖を、拳を振るい三人が立ち向かいます。しばしの大立ち回りの後三人は魔王達を
捕らえました。
「・・・きゅう」
哀れ縛られる三人です。
「じゃあお助けマンを呼びますか」
白馬が胸の笛を取り出しました。
「どうぞ御師匠様、この笛を吹くとナタク太子と二郎真君が来てくれますよ」
「はい。では」
口に笛をつけます。しかし白馬こんなもの何処で手に入れたのやら。持ってるなら最初からだせば。
「マグマ大使ーーーーーーーーっ!」
ずっこける三人。
「・・・一体何時の話だよ」
「手塚治虫先生原作だったアルな」
「それは違いますゴア様・・・じゃなかった御師匠様」
二人共よく知ってますね。
何はともあれお助けマン達が来ました。天界に連れて行かれる三魔王を見送り一行はまた旅を
始めました。
「ほら、あんたも来なさい」
「アイゴォ・・・」
ずるずると引きずられる主役でした。
一行が舞台を去るとそれと入れ替わりに二人の陰が現われました。霊感大王と独角大王、
演ずるはエリザベスちゃんとフランソワーズちゃん、鎧を着込みやる気まんまんです。
「さあ、いよいよ真打ち登場ですわよ」
「わたくしの北島マヤばりの演技、見せて差し上げましてよ」
凄く楽しそうですね。しかしそこに口笛の音。
「誰でしてっ!?」
二人が口笛がした方を振り向くと丘の上に立つ影。黒子でした。
黒子はばっと覆面を取ります。中から出てきたのは金髪碧眼の凛々しい少女、アーリアちゃんです。
「天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ、悪を倒せと私を呼ぶ、聞け魔王共私は十六羅漢の一人、盤古羅漢!」
ばしっとポーズを決めます。後ろに稲妻が走ります。
「そ、それはわたくしがやるつもりでしたのに!」
独角大王が怒ります。けどこれってヒーローがやるのですが。
「時間が無い、一撃で決めるぞ超電子アルデンヌ!!」
「あ、あの禁断の技をーーーっ!?」
霊感大王、強敵(とも)の影響受けてますね。凄まじい雷を纏った羅漢が二人へ突進します。
「これで出番終わりですのーーーーーーー!?」
「謝罪と賠償を要求いたしますわーーーーーーーっ!!」
必殺技を受け二人は天界へと吹き飛ばされていきます。
「法師、貴女に受けた御恩をお返しする時が来ました」
天界にきらっと輝く星になった二人を見つつ何か決心する盤古羅漢でした。
三魔王篇完。次は牛魔王です。しかしネタが凄いマニアックだな、二十代のネタじゃないな。
解説
名無しさん ◆x3A1GrPw
投稿日: 2003/09/24(水) 12:09 ID:4eSdVXsI
今回の元ネタはガンダムW、台詞や動きはスパロボ調。仮面ライダーストロンガー、
そしてマグマ大使。ちなみに今回の敵役の配役には由来があります。詳しくは本スレ
のソースかこのシリーズのラストで。何かネタがどんどん古くなってるな。ちなみに
盤古羅漢は『パタリロ西遊記!』より。オリジナルキャラです。
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