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第11話 名無しさん ◆x3A1GrPw 投稿日: 2003/09/22(月) 00:44 ID:af3jiOTo
                    「GO!WEST」
 「やったダスーーーーー、苦節千六百六十話にして遂に演劇物登場ダスーーーーーーッ!!」
 金の鎧と戦抱に身を包んだ金髪の金角が歓喜の涙を流しています。演ずるはオージー君です。
 「・・・そんなに喜ぶことかな」
 銀の鎧と戦抱、銀に染めた髪を持つ二枚目の銀角、マカロニーノ君です。
 「今回は脇役だよ。それもやられ役」
 「御前はいつも出番があるからいいダス。ワスなんか滅多に出られないダスからな」
 「そういえば最近あまり出ていなかったような」
 最近どころでないですが。
 「ワスみたいに陰が薄いという設定をされているキャラはどうしてもそうなるダス。しかし
これでそんな待遇ともおさらばダス」
 「けど最初の設定では金角はゲルマッハがやる予定だったらしいよ」
 「うっ・・・・・・」
 「ストーリーが進まないからいい加減にしなさい」
 アテネちゃんからクレームが来ました。
 「・・・はい」
 少ししょげましたがすぐに復活です。
 「銀角よ、三蔵法師の噂を聞いているダスか」
 真剣な表情になります。なかなか演技派ですね。方言はともかく。
 「何でも天竺まで経典を授かる為旅を続けているそうだね。何でも凄く可愛いいとか」
 「流石ダスな、もうマークしているダスか」
 金角がにやりと笑いました。
 「当たり前さ、僕は女の子に関する事なら誰にも負けないよ」
 「では決まりダスな。拉致するダス」
 「キッチョムみたいだけどまあ悪役だからいいか。で拉致してどうするの?」
 「ワス達のメイドにするダス。そしてメイドの格好をさせ御主人様と呼んでもらうダス。
にひひひひひひひ」
 物凄く助平そうな顔です。場内大爆笑です。今頃彼の脳内では何故か真ん中にロケットの絵
があるメイドの服で献身的に仕えるニホンちゃん、いえ法師がいるのでしょう。
 「・・・兄者、よだれ」
 「あ、いかんダスかんダス」
 あわててよだれを拭きます。
 「さあ行くダスよお」
 こちらは三蔵法師一行。一休みし食事を捕っていますが何やら揉めています。
 「何でキムチなんだ?」
 猪八戒が悟空のお弁当に文句をつけています。
 「そうアル。時代考証を無視するなアル」
 沙悟浄も同意しています。
 「アイゴォーーー・・・」
 二人に突っ込まれ悟空はへこんでいます。
 「あの二人共そんなに言わなくても」
 心優しい法師が二人を宥め悟空を庇います。
 「まあ御師匠様がそう仰るなら」
 「ここは勘弁しといてやるアル」
 二人もあっさり引っ込みました。しかしこの二人にしてはやけに大人しいですね。
 「頭の輪っかに『アメリー債』付けられたんだよ」
 「よりによって『ODA賃』付けるとは。アテネの奴憶えておくよろし」
 成程ね。アテネちゃんもやりますね。
 「三蔵法師はいるダスかーーーーーーーー」
 「ここら辺のボス金角銀角だよーーーーー」
 向こうの方から大声が聞こえてきました。それにしても堂々と名乗り呼びかけて来る
悪党とはまた無茶苦茶な。
 「はい、どなたでしょうか?」
 法師の方から出て来ました。三人共ずっこけます。
 「お、御師匠様・・・」
 「自分から出て行ってどうするアル・・・」
 「何考えているニダ・・・」
 金角銀角が舞台に出て来ました。
 「金角銀角の兄弟か」
 「我々に何の用アル」
 二人が三蔵法師を守る様に前に出て来ました。
 「決まっているダス。三蔵法師を貰い受けに来たダス」
 金角がそう言うと大きく胸をそらします。
 「そして僕達のメイドにするのさ」
 銀角はそう言うと法師にウィンクしました。
 「メイドって・・・アパートに住んでいた宇宙人の方!?」
 「それはメトロン星人って・・・全然違あーーーーう!」
 「強引過ぎるアルぞ!」
 「あの話は撮影が見事だったニダ」
 君のところは見れない筈では。
 「・・・ふふふ、天然も可愛いいダスな。増々メイドにしたくなったダス」
 「今回全然進んでないし手早くいくよ」
 そう言うと腰の瓢箪を外し一行に向けました。
 「三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄!」
 「・・・・・・・・・」
 誰も返事をしません。バレバレですから。
 「うーーーーんと・・・じゃあ・・・このキムチ野郎!」
 「ファビョーーーーーーーーン!」
 火病を起こした悟空が瓢箪の中に吸い込まれます。
 「・・・お約束だな」
 「本当に馬鹿アルな」
 「あれって返事なのかなあ」
 三人共呆れ返っています。
 「では御前達の相手はワスがしてやるダス」
 銀角は色男なので力は無いですしね。
 「さあこの七星剣の力見せてやるダス!」
 激戦の末三蔵法師は捕われの身となりました。縄で縛られ金角と銀角のアジトに捕われ
ています。乗っていた白馬も一緒です。
 「困りましたね、一刻も早く天竺に行きたいというのに」
 ふう、と溜息をつきます。その様子がなんとも悩まし気です。
 「八戒さんや悟浄さんも心配しているでしょうしこのままメトロン星人になってしまったら
どうなってしまうのでしょう」
 「御師匠様、御心配には及びません」
 何処からか声がしました。
 「?誰ですか?」
 「あたしです」
 白馬が答えました。白い煙に包まれると中から白い服を着た小柄な少女がとんぼ返りを
しつつ出て来ました。タイワンちゃんです。
 「えっ・・・」
 「西海龍王の子白馬です。馬となり御師匠様を陰ながら御守りしていたのです」
 「そ、そうだったのですか、有り難うございます」
 「いえいえ、礼には及びません。ともかくあたしがいるからにはもう大丈夫、さあ二人で
天竺を目指しましょう!」
 縄を解き法師に擦り寄りつつ言います。
 「え、二人って・・・」
 「御師匠様はあたしだけのもの、これは天命でそう定められているのです」
 「ほ、本当ですか!?」
 「はい」
 大嘘です。
 「でも悟空さん達が・・・」
 「あんなの放っといても大丈夫、さあ行きましょう!」
 「な訳ないでしょうが(怒」
 アテネちゃんまたもやクレームも飛ばします。
 (見てなさいアーリア、今回でニホンちゃんは完全にあたしの虜よ)
 懲りてませんね、やれやれ。
 「主役にこんな扱いとは何事にだ、アテネの奴ウリを騙したニダか、しゃ(略」
 瓢箪に閉じ込められた悟空、まだ火病が収まりません。暴れ回り如意棒で瓢箪を割ろうと
しますがそれもかないません。
 「ともかく腹が減ったニダ、飯にするニダ」
 キムチを取り出しました。むしゃむしゃと食べ始めます。
 「そろそろ法師様のお酌を楽しませてもらおうかな」
 夕食を終えた銀角が上機嫌で杯を出しました。
 「兄者には悪いけれど可愛い女の子は皆僕のものなのさ。その為に生きているんだし」
 どんな役やってもそれは変わりませんね。
 「さてと、お酒は・・・そろそろ溶けているかな」
 腰の瓢箪を取り出しました。そして覗き込むと。
 「うわあああああああ!!」
 瓢箪から凄まじい刺激臭が溢れ出て来ました。その臭いで銀角は倒れてしまいました。
 「・・・よくわからないが出られたニダ」
 悟空が何処かへ去って行きます。

 「ふふふ、法師にはこの服がいいダスね」
 金角は衣装室でメイド服の選考をしていました。
 「やっぱり法師には清楚なのが似合うダス。今は御主人様と使用人の関係ダスがいずれ
その関係を乗り越え二人は・・・うひひひひひひひひ」
 ここから妄想。
 「金角様、わたし貴方のことが・・・(さっと入れ替わり)いけません法師様、貴方は御仏
に仕える身(さっ)けどわたしは貴方が・・・(さっ)法師様・・・(さっ)金角様・・・」
 一人芝居までして。よく見たらメイド服の他にも色々ありますね。よくもまあ。
 「さて、と法師はどうしているダスかな。まずは優しく縄を解いて・・・」
 いませんよ。
 「なんでワスの計画はいつもこうなるダスーーーーーーーーーーッ!」
 しかも弟は原因不明のまま倒れています。慌てて弟を起こし三蔵法師を追います。
 「まあ愚痴っても仕方無い。与えられた役をやろう」
 「そうアルな。一応レギュラーアルし」
 八戒と悟浄が出て来ました。まだ不平を言っていたのですか。
 「早く御師匠様を助けださないとな」
 「あの二人の餌食にならないうちに」
 「餌食とは何なのでしょうか?」
 ひょっこりと法師が顔を出して来ました。
 「はい。まあ御師匠様が連中のメイドにされて・・・って」
 「御自身で出て来られたアルか」
 「あたしがお助けしたのよ」
 白馬が胸を張って前に出て来ました。
 「・・・白馬だな」
 「よくわかったわね」
 「すぐわかるアル。我々は天界の将だったアルぞ」
 「あれまあ」
 「あの、三人共お話中申し訳ないですけど」
 法師が話に入って来ました。
 「はい、何でしょうか」
 「金角さんと銀角さんが来ていらっしゃいますけど」
 三人が振り向くとそこにはメイド服を持った金角と銀角がいました。
 決戦となりましたが三対二、金角銀角も強いですが八戒も悟浄もかっては天界の将、
しかも身軽な白馬もいるのです。次第に二人は追い詰められてきました。
 「ならば・・・!」
 銀角が瓢箪を取り出そうとします。その時でした。
 「金角!銀角!」
 二人を呼ぶ声がしました。
 「誰ダス!?」
 「誰だい!?」
 すると二人はたちまち瓢箪の中に吸い込まれていきました。
 「やったニダ、やっつけたニダよおーーーー!」
 左手の小山の上で悟空が小躍りして喜んでいます。彼は瓢箪を倒れている銀角から盗み取り
小山の上から二人を呼んだのです。
 「二人をやっつけたのはウリの手柄ニダ皆ウリを尊敬するニダ!」
 びしっとポーズまでつけています。
 「何言ってるこの馬鹿猿」
 「元々御前のせいだろうが」
 後ろから二本の棒で殴られた上蹴り落とされました。
 「何だ、二郎真君とナタク太子じゃないか」
 「久し振りだな、天蓬元帥」
 「こんなところまでどうしたアル?」
 「この兄弟を天界へ連れ戻しに来たのだ捲簾大将」
 二人は八戒と悟浄に説明しました。
 「この二人は天界にいたのだがこの馬鹿猿が暴れた時に下界に落ちてしまっていてな。今まで
消息がわからなかったのだ」
 「調べたら銀角が下界の女の子をナンパしまくっていたのでな。それでここまで来たのだ」
 「まあ瓢箪に入っているのなら連れて行きやすいな。これで失礼させてもらう」
 二人は瓢箪を手に取ると天界へ飛び去っていきました。後には法師と一行が残されました。
 「じゃあわたし達の今回の騒動は・・・」
 法師がぽつりと言葉を出します。
 「こいつの撒いた種だったのね」
 白馬が地に倒れている悟空を忌々しそうに見下ろします。
 「アイゴオオ・・・」
 得意の絶頂から思いっきり蹴落とされたうえに過去の悪行まで責められ散々な悟空でした。

 金角銀角篇完。長かった・・・。次回は三大王と霊感、独角大王です。
 予告していた第五部。やっぱりこっち向きかな。本スレにのせた前の四部もこっちに引っ越そう
かな、と考えてます。なんかネタが古いですけどケンチャナヨ・・・どころじゃないよな、メトロ
ン星人知ってる人いるかなあ。詳しいことは特撮板で。

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