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第17話
名無しさん ◆x3A1GrPw
投稿日: 2003/10/06(月) 00:42 ID:vo/68sUQ
「最遊記」
盤古羅漢達と共に牛魔王を下し仲間に入れた三蔵法師一行は大人数で天竺に入りました。
しかし天竺に入っても経典が収められている寺院はまだまだ先です。
しかも相変わらず魔物が出て来ます。次から次へまるで雲霞の如くです。
「やけに人数が増えたのはこの為かよ」
「全く一息つく暇もないアル」
あっという間に囲まれてしまいました。一同得物や拳で魔物達に立ち向かいます。
「アイゴッ!」
悟空がやられてしまいました。ひゅるるるると飛んで法師に当たります。
「うう、痛いよお・・・」
頭をさすりながら起き上がろうとします。そこへ白馬が駆け寄ろうとします。
「御師匠様、御怪我はありませんか」
しかし助け起こしたのは羅漢でした。力強くさっと抱き起こします。
「あっ、有り難う御座います羅漢様」
「礼など要りません。弟子として当然のことをしたまでです」
さっさっと法師の服についている埃を払い落とします。なんとも絵になる姿です。
「なんか数のわりにあっという間に終わっちまったな」
「これだけ強いのが集まればね」
牛魔王と鉄扇公主が呟きます。その横で白馬が怖い顔で法師と羅漢を見ています。悟空
はようやく起き上がりましたが皆忘れていました。
「これが主役の扱いニダかーーーーーーーーーっ!!」
その夜法師は一人寝床を離れ夜空を見上げていました。頭巾は外しています。黒く長く豊かな髪が
黄金色の月の光に照らされています。
「御師匠様、こちらにいらしたのですか」
盤古羅漢がやって来ました。
「夜は寒う御座います。それに一人では魔物に襲われますぞ」
「すいません。月があまりに美しいもので」
「月ですか。今宵の月は確かに美しいですね」
羅漢も夜空を見上げました。
「羅漢様」
法師が尋ねます。
「何故十六羅漢ともあろう御方がわたしなぞを助けて下さるのです?それも弟子になられるなぞ」
「・・・前世の巡り会わせです」
「前世の!?」
「はい。私はかって御師匠様に仏としての教えを授けられたのです。御師匠様の前世のこと
ですが」
「わたしの・・・」
「今の私があるのは御師匠様のおかげです。だからこそ今ここにいるのです」
「けれど今わたしが天竺にいられるのは皆のおかげ。羅漢様のおかげ」
そっと羅漢の手を取ります。
「御師匠様・・・」
黄金色の優しい光に包まれる二人でした。
しかしそれを岩の陰から見る三人が白馬と一大王、三大王です。
「あーーーっ、手まで繋いでェーーー」
白馬が思いっきり悔しそうに言います。
「あの白い手が、白い手が・・・」
「あたしの手を握って欲しいのにいーーー」
三人共思いっきり嫉妬しています。
「ニホンちゃん、いえ御師匠様はあたしだけのものなのにいーーー」
「ちょっとあんた今何言ったのよ」
一大王が突っかかります。
「御師匠様はあたしのものよ!」
「何言ってんのよ、あたしのよ!」
「キーーーーーーーーーーッ!」
「ムキーーーーーーーーーッ!」
三人共取っ組み合いの喧嘩を始めてしまいました。
「夜は女の子だよ」
「いや、酒だ」
「まったくこの馬鹿亭主は」
「・・・三人がいないわ」
「出番が少ないですわ」
「どういうことですの!?」
「グゴゴゴゴゴゴ、ガーーーーガーーーーーガーーーーー」
「ニダーーーッ、ギリギリギリギリギリギリ」
「誰かこいつ等何とかしろーーーーーーーっ!」
「寝られないアルぞーーーーーーーーーーっ!」
かくして夜は更けていきました。
遂に一行は寺院に到着しました。イン堂君演じる僧侶が出迎えます。
「ん?お釈迦様ニダか?」
「んな訳ないでしょーが」
白馬が突っ込みます。
「よくぞここまで来られました。貴女方が来られた理由はわかっています」
「キムチを貰いに来たニダ」
「ある筈ないだろ」
「カレーでも食べとくよろし」
八戒と悟浄の二人が突っ込みます。
むしゃむしゃとカレーを食べる悟空をよそに法師は経典を授かりました。
「これが・・・夢にまで見た御仏の経典・・・」
法師の瞳にうっすらと涙が浮かんできます。
「これで唐にも御仏の真の教えが伝えられます」
「三蔵法師よ、苦難の旅をよくぞ越えられました。これも御仏の御導きです」
「はい・・・」
法師は深く頭を垂れます。
「唐の国に御仏の教えが広まることを期待します」
「やったニダこれで天界に帰れるニダなあーーー」
カレーを食べ終え悟空が上機嫌で飛び跳ねます。
「何言ってんのよ、これから唐の長安へ帰るのよ」
「ニダッ!?」
白馬の言葉に固まります。
「帰り道も妖怪変化がわんさと出るのよ。それまで旅は終わらないわよ」
「アイゴオオーーーー・・・」
頭を抱えしゃがみ込む悟空を見て一堂笑いに包まれました。
天竺篇完。次で終わりです。
本スレの方で僕の作品についてレスがありましたので書かせていただきます。
北極星さんフォロー有り難うございます。
僕としては風刺だけでなく文化や芸術、風俗、歴史、文学、食べ物等今まで
色々ネタにしてきましたが全てOKだと考えます。だからこそ本スレにのせた
のです。そもそも『謎のサイン』にはちゃんと風刺まで入れているのに。風刺
がメインですが別に他のジャンルでもいいと思います。本スレでは北極星さん
に論破される度『ああ言えば上裕』で返しているように見受けられました。面
白い作品を書くよう皆悩んでいます。これでは議論にもならないでしょう。論
破されたら『補完用なんて意味ないだろ』とか言われる方もおられましたが。
何か社会党みたいなのでこうした議論はよいものではありません。北極星さん
は至極当然のことを仰っていると思います。それに対する反論があればそのよ
うにぐだぐだ言うのではなく堂々と言えばよいのではないでしょうか。
風刺が無い、と仰る方もおられますが僕も割合こそ少ないですが風刺書きま
すし無銘仁さんや有閑工房さんの風刺は絶品ですよ。以前と比べてもニホンち
ゃんは良くなっていると思います。カンコ君も可愛いキャラになりましたし。
ちなみに巨人ネタはニホンちゃん家の風刺です。あの特異なおじさんという
か爺さんをいしいひさいち先生の作品テイストにやってみました。日韓関係で
なくてもこれはあの球団、そして普段は国際化を叫ぶアサヒちゃんの宿敵ヨミ
ちゃんの意外な古臭い体質を書いたもので日本のまだある古く排除すべき体質
を風刺したものです。あまりにもとんでもない話でしたし。
ニホンちゃんはハン板にあります。従ってカンコ君は第二の主人公でありな
がら最重要人物です。彼がいないと正直面白さは半減です。ですが他のキャラ
クターもとても魅力的です。これを書かないということは損失です。文化や食
べ物でもそのキャラクターの面白い姿が見られます。それを風刺や日韓関係の
みにこだわって腐らせるというのも勿体無い話ではないでしょうか。
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