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第4話
名無しさん ◆x3A1GrPw
投稿日: 2003/09/12(金) 00:28 ID:ihodJLq2
「お菓子は花の味」
とにかく強くて格好良いアーリアちゃん、勉強もスポーツもトップクラスです。けれどその
彼女の苦手なもの、それは料理です。
まあマカロニーノ君やフランソワーズちゃんみたいに豪勢な料理を作るという意味でのうえ
ですが。家庭的な料理はわりかし定評があります。けれど凝ったのとかは苦手です。
「美味しいーーー、このお菓子とっても甘あーーーい」
「でしょお?ニホンちゃんが好きだろうなと思って作ったのよ」
「えっ、そうなの?タイワンちゃんありがとおーーー」
「いいのよ、お礼なんて。ほら、これなんかどう?」
「これも凄く美味しいいーーー」
今日も甘いものに目がないニホンちゃんにタイワンちゃんが自分で作ったお菓子をご馳走し
ています。
「・・・・・・」
アーリアちゃんはそれを遠くで黙って見ているしかありませんでした。彼女はお菓子は作れ
ないのです。そんな時は表情を変えず教室を後にするだけです。
けれど胸になにか不思議な感情が渦巻いているのは解かっていました。それを彼女もなんと
かしたいと考えていました。そしてその想いを遂に堪えきれなくなりました。
「まさかお前がお菓子を作りたいなんて言うとはな」
自室で椅子に座り妹の頼みを聞いたゲルマッハ君は意外だというような顔をしました。
「一体どういう風の吹き回しだい?」
「・・・それは聞かないでくれ」
「・・・・・・」
妹の言葉に何かしら思うところ、察するところがあったかは解かりません。けれど彼はその
ことは顔に出しませんでした。
「いいだろう、じゃあ台所へ行こう。今から教える」
「・・・済まない」
二人は台所へ降りていきました。
「お菓子といっても本当に色々いるしな。」何がいい?」
「そうだな・・・ケーキがいい」
ニホンちゃんがクラス一のケーキ好きだからでしょうか。
「そうか。じゃあポピュラーに蒸留酒とさくらんぼを使ったスポンジ生地のトルテにするか。
早速始めるぞ」
「うむ」
冷蔵庫から材料を取り出します。
「泡立てに注意するんだ。砂糖とミルクの分量にも」
「う、うむ」
ゲルマッハ君が教えそれに従いアーリアちゃんが作ります。ぎこちない動きですが堅実に
ケーキを形づくっていきます。スポンジ、飾り付け、かなり手間をかけてやっています。
その夜フランソワーズちゃんは『快傑ズバット』のビデオを見ていました。最終回を見終
わりふと窓を覗いた時です。
「あら」
隣の家の台所の灯りがついています。そこで誰かが料理を作っています。
「あれは・・・アーリアですわね」
エプロンを着たアーリアちゃんが何かを必死に作っています。かき回し、焼いて、飾り付
て。普段のクールさからは想像も出来ない程一生懸命です。
「お菓子かしら。一体何の為に」
ふとアーリアちゃんの行動が脳裏に浮かびました。そして納得しました。
「成程、そういうことですの」
何時に無く優雅で優し気な笑みをうかべました。
「期待しておきますわ」
そう言うと窓から顔を移し『イナズマン』のテープをビデオに入れました。
「済まない二人共、試食してみてくれないか」
休み時間のティータイムを取ろうとするエリザベスちゃんとフランソワーズちゃんをアーリア
ちゃんが呼び止めました。
かなり疲れ切っていて肌も髪も荒れています。その手には大きなチョコレートとチェリーのケ
ーキがあります。
(やっぱり)
フランソワーズちゃんはくすり、と笑いました。
「宜しくて?エリザベス」
{?ええ、わたくしは」
エリザベスちゃんは彼女の微笑みの訳が解かりませんでした。
ナイフでケーキを切りフォークで口に入れます。その様子をアーリアちゃんはどきどきしなが
ら見ています。
「ど、どうだ、美味しいか?」
「ええ、とても」
エリザベスちゃんはにこりと微笑んで言いました。
「そ、そうか。フ、フランソワーズはどうだ!?」
かなり狼狽しています。
「・・・そうですわね」
不思議な笑みを浮かべて言いました。
「ハナモモの味がいたしますわ」
「!?・・・???・・・・・・・・・!!」
その意味を知り顔を真っ赤にするアーリアちゃんでした。
解説
名無しさん ◆x3A1GrPw
投稿日: 2003/09/12(金) 00:32 ID:ihodJLq2
ドイツケーキを。
http://www.euroassist.de/fooddrink/cakes.htm
http://www003.upp.so-net.ne.jp/Cake-world/new-germanycake.htm
http://homepage2.nifty.com/kachiinoheya/Foods/FoodsCafe.htm
http://www.tp3.ruhr-uni-bochum.de/~ktaka/esskultur/chapter7.htm
ハナモモは花言葉を。けどまあ女の子同士の友情なんですよ、かなり百合
になっちゃってますけど。
この作品本スレ用に書いたのですが書き終えてみるとこちら向きだと思っ
たのでこちらに。
ナナッシィさんすいません、お話の途中でしたか。
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