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第5話 三毛 ◆wPntKTsQ 投稿日: 2003/09/13(土) 04:44 ID:Zi2gVeiM

     「マエミ来襲」

 ………それは、何の前触れもなくやって来たニダ。

 いきなり玄関のチャイムを連打してきたバカがいたニダ。おまけに、ドアのノブをガチャガチャひねる音まで
していたニダ。
「……………こんな時間に誰ニカ!?」
 ウリがドアスコープを覗くと、えらく横方向に大柄な女がそこにいたニダ。大量の荷物抱えて、親の敵みた
いにドアを乱打していたニダ。
「何の用ニダ!?こんな時間に迷惑千万ニダ!謝罪と(以下略」
「あ、カンコ君!?きやーっ!あたしよあたし、マエミよぉ!」
「お前なんか知らんニダ!夜中に大声出すとは非常識ニダ!とっとと失せるニダーッ!!」
 …………え?ウリも大声出してるニカ?ケンチャナヨ。
「えー、こないだメールしたよぉ。遊びに逝くから、萌え話しようねって。いっぱいマンガ持ってるんでしょ?大
歓迎するからおいでって返事くれたじゃない!」
 …………その言葉で、ウリは思い出したニダ。確かに何日か前、変なメールが来ていたニダ。
 でも、意味不明だったのでとりあえず「来るな○○(余りに不穏当なため検閲削除)!訳の分からんメール
送ってきたお前には謝罪と(以下略」とだけ返事して放置していたニダ。
 ……………いったい、あれのどこをどう読めば、歓迎すると解釈できるのかサッパリ分からなかったニダ。
まるで、二ホンやウヨみたいに話が通じない電波だったニダ。
「歓迎なんぞした覚えはないニダ!さっさと帰るニダ!」
 怒鳴りつけても、まったく聞く耳持っていないニダ。ますます二ホンみたいニダ。
 ここで、聡明なウリは一計を案じたニダ。
「どうせ逝くなら、二ホンのところに逝くニダ!下らないマンガなら、あいつもいっぱい持っているニダ!!」
 電波には電波。毒をもって毒を制すニダ。やっぱりウリは優秀ニダ。ウリマンセー。

     つづき

 …………ところが、マエミと名乗る電波はウリのグレイチュな計略にも引っかからなかったニダ。それどこ
ろか、とんでもない勢いでドアに体当たりかましはじめたニダ。
 ミシミシとドアが悲鳴をあげて、しまいには何かで殴っているのかガスゴスと異様な音までするようになっ
たニダ。当然ながら、ウリは雄々しく怒りの炎をあげたニダ。
「いい加減にするニダ!とっとと消えないと、ウリの必殺のネリチャギをお見舞いするニダ!」
 壮健なウリの放つネリチャギ、と聞いて、電波は畏れをなしたニダ。ドアの外で暴れていた音がぷっつりと
止んで、ようやく静けさが戻ってきたニダ。
 ウリの力強い一言で、厄介なバカも黙り込むニダ。やっぱりウリは偉大ニダ。ウリマンセー。
 ……………ところが。いきなり、ウリの部屋からガラスが割れる音が聞こえてきたニダ。
 驚いて部屋に駆け込むと、あのマエミがいたニダ!
「な、何やってるニダ!?ウリの部屋に侵入するとはいい度胸ニダ!!謝(以下略」
 問答無用で、ウリの美しいネリチャギを見舞ってやったニダ。ところが、マエミは横に広い体格の癖に異様
にすばしっこかったニダ。
「な、なんでそんな酷いことするのよ!?徹夜で萌え話してくれるって言ったじゃないの!」
「言ってないニダ!つーかガラス割って侵入してくるお前の方がよっぽど酷いニダ!」
「裏切り者ーっ!うをををををを〜〜〜〜〜〜〜ん!!」
 マエミは、いきなり豪快な号泣と共に無茶苦茶暴れ出したニダ。汗やら涙やら唾やらを雨のように撒き散
らして、ぐるぐると腕を振り回してそれはそれはとんでもない醜態だったニダ。
「ファッッッッビョーーーーーーーーーーーーン!!」
 流石に、温厚なウリも怒ったニダ。かくして、ウリの部屋で凄まじい大格闘が始まったニダ………。


     つづき

「…………で、それからどーした?」
 五年地球組の教室で、クラスのみんなが、憔悴しきったカンコ君を囲んでいます。
 昨夜、彼の家にとんでもない闖入者がやって来たそうで、その体験談を聞いているのです。
「なんとか追い払ったニダ………」
「なら、いーじゃねーか。まあ部屋に入り込まれたのは災難だったが」
「とんでもないニダ!どこからそれだけ水が出るのかと思うくらい、涙と汗とイヤな液体を撒き散らして行った
し、部屋の中は無事な物を探すほうが難しい状態ニダ!おまけに床は踏み抜くしコード引きちぎってウリを
感電させたし、さらにはウリ秘蔵のマンガまでくすねていったニダ!大損害ニダ!」
 顔をキムチ色に染めて抗弁するカンコ君。さすがに身に染みたようです。
 …………もっとも、しばらくたてばケロリと忘れるのでしょうが。
 と、そのとき、ニホンちゃんがちょこん、と小首をかしげながら訊ねてきました。
「………ねぇカンコ君、その人、マエミって言ったの?」
「…………ああ、悪夢そのものだったニダ」
「その人、うちにも来たよ」
「なっ、なにぃぃ!?なんでその時ウリに警告しなかったニカ!?」
「したよ、警告。うちでもちょこっと暴れていったから、カンコ君も気を付けてねって、昨日言ったじゃない。
それなのに、カンコ君ってば、『ウリの家にそんなバカ来るわけないニダ、もし来ても壮健なウリにかかれば
鎧袖一触ニダ、ウェー、ハッハッハ』………って取り合ってくれなかったじゃないの」
「そんなの聞いてないニダ!二ホンはわざとウリに警告しなかったニダ!謝罪と賠償を要求しるニダ!マエ
ミが壊していった物、みーんな二ホンが元通りにするニダ〜!」
「な、なんでそーなるのよ〜!?」

「…………結局、自分に都合よく解釈して備えを怠ったわけか。そのマエミとやらもカンコも、たいして変わら
ないじゃないか。ニホンちゃんも大変だな……」
 あきれ果てた表情のアメリー君。結局、相も変わらず理不尽大魔王なカンコ君なのでありました。

                                       おしまい


解説 三毛 ◆wPntKTsQ 投稿日: 2003/09/13(土) 04:46 ID:Zi2gVeiM

……………うーむ。合宿所風にしてみたんだが、カンコ君の一人称視点だと、語尾が「ニダ」ばかりなので
えらくテンポ悪い文章になるなぁ。
それに洒落にならん被害が出てそうなんで、ちと不謹慎だったかもなぁ(ニガワラ
まあともあれ、machinaさん、こんな感じでどうでせうか?

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