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第67話
熱血君 ◆x3A1GrPw
投稿日: 2004/02/23(月) 23:01 ID:Gd9ek1FE
「ラッパ」
ザイニー君はニホンちゃん家で球団を持っています。それは鴎チーム、パリーグの
一球団です。
この球団は昔は別の人が持っていました。ですが今は彼が持っています。今回は
その経緯についてのお話です。
まだニッテイさんがいた頃皆の主な娯楽は紙芝居でした。皆はいつもそれを見るのを
楽しみにしていました。
第二次町内喧嘩の時は喧嘩の紙芝居がよく作られました。ですが喧嘩が長引き日之本家
は劣勢になっていきました。そして紙芝居も作る人を減らそうとしたのです。最終的に
二人にしようとしました。
しかしそれに反発した人がいました。
「二人だと馴れ合いになる。三人だと競争出来る」
頭の禿たチョビ髭のおじさんでした。この人はそう言うと早速ニッテイさんを説得し
自分が紙芝居を作ると言いました。
「よし、じゃあ作ってくれ」
ニッテイさんもその熱意に折れました。そしてこのおじさんは紙芝居を作ることに
なりました。
おじさんの紙芝居は好評でした。たちまち日之本家だけでなく町全体にその紙芝居が
知られるようになりました。
おじさんは紙芝居だけではありませんでした。ボーキューも好きでした。
おじさんはボーキューではあまり強くありませんでした。しかしマイ君のチーム
と合併して一気に戦力を拡大して遂にパリーグで優勝しました。
「今度は日之本家一だ」
おじさんは意気上がりました。相手は鯨チーム、今の星チームです。戦力的には
こちらが圧倒的有利でした。
しかし結果は惨敗でした。おじさんは怒ってカントクカードを替えました。
それからチームは低迷しました。追い出したカントクカードは勇者チーム、今の波チーム
や牛チームで名将と謳われるようになります。それと反比例するかのようにおじさんの
チームは勝てなくなりました。それでもおじさんは得意の身振り手振りを交えた独特の
語りで紙芝居を続けました。しかし次第にテレビが普及してきました。
そして紙芝居も次第にテレビに押されていきます。気が付いた頃にはおじさんの
紙芝居はにっちもさっちもいかなくなっていました。
「こうなったら一緒にチームやってくれる人を探そう」
そしておじさんはニッテイさんやニホンパパさんに頼み込みました。
「う〜〜ん、そういうのだったら」
そして少し嫌々ながらおじさんにザイニー君達を紹介したのです。
暫くは二人でチームをやっていました。優勝しましたがヨミちゃん達に負けて
しまいました。
「けれど次頑張りましょう」
「うん・・・・・・」
おじさんは力無く言いました。それからすぐにおじさんは紙芝居を止めて
しまいました。もう採算が採れないからです。そしてチームも手放しました。
「私は紙芝居の人間だ。これを捨ててボーキューにしがみ付くことは出来ない」
おじさんは日之本家と町の皆の前で言いました。
「おじさん・・・・・・」
そこにはザイニー君もいました。彼はあまりの事に呆然としました。
「けれど・・・・・・愛する皆さん、私は必ず戻って来る。そして・・・・・・何時か私を
迎えに来て・・・・・・」
そう言うと感極まって泣き出しました。その場にいた紙芝居やボーキューを
愛する皆が泣きました。
暫くしてザイニー君のチームは日之本家でニホン一になりました。その時
おじさんもゲームを見ていました。ザイニー君はおじさんと黙って握手を
しました。彼はその感触を今でもはっきりと憶えています。
もうおじさんはこの世にいません。おじさんが亡くなった時おじさんが捨てた
カントクカードがこう言ったように聞こえました。
「あの時はお互い若かった」
と。ザイニー君はそのカントクカードにやられっぱなしでした。けれど嫌い
ではありません。何故ならおじさんが使っていたカードなのですから。
「おじさん、ウリはまた優勝するニダ」
彼はそう思い今日もチバボードでボーキューをします。おじさんが安心して
お空の上から見れるチームにする為に。
解説
熱血君 ◆x3A1GrPw
投稿日: 2004/02/23(月) 23:06 ID:Gd9ek1FE
ザイニー君が鴎チームを持つに至ったお話。ソースはこちら。大映と
いえばガメラが有名ですが。
ttp://www2.odn.ne.jp/w-wood/lotte.htm
ttp://www.hochi.co.jp/html/whatday/what/12/1223.htm
ttp://www.asahi-net.or.jp/~kp7s-ootk/KOKUMIN/PEOPLES/NAGATA.html
ttp://www1.odn.ne.jp/bigbridge67/ankokujidai.htm
映画好きだった父にも色々話を聞きました。父は大映を私物化していた
と言って嫌っていますが調べていると人間臭い魅力ある人だったようです。
他にも資料としてベースボール=マガジン社から出ている『日本プロ野球
事件史』の『永田雅一物語』を参考にしました。
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