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第9話
◆zhaK4pYnIo
投稿日: 2007/06/20(水) 13:40:00 ID:T1ZK9Lt6
「MASTER OF ISLAND」
ニッテイさんが亡くなってから3日後……。
以前から日之本家を逆恨みしていたカンコ君達が行動を起こしました。
命からがら逃げ出したニホンちゃんでしたが、カンコ一家の手は執拗に伸びていきます。
「いたニカ!?」
「いえッ いまだ発見できてないニダッ」
「必ず見つけ出せ! 必ずニダ!
20年!! ニッテイ(ヤツ)が死ぬまで20年間も待ったニダ!!
あんなニホンにトクドをかすめ取られちゃたまらないニダ!!
殺すニダ!! 見つけ次第殺してしまえニダ!!
口さえ塞いでしまえば後はどうとでも出来るニダ!! 行け!!」
カッカッカッカッ
「おじいちゃんが死んでまだ一週間と経っていないのに……!!
カンコ君 あなたはあまりにも『人でなし』すぎる」
その時、ニホンちゃんの脳裏に亡くなる少し前にニッテイさんが残した言葉が蘇りました。
『さくら お前にわしが残してやれる物はたった一ツだけだ
もし おまえに本当に危機がせまった時! どうしようもない敵の勢力に追いつめられた時!
ニホン池に行け! ニホン池の忘れ去られた小島に行け! そこに我々日之本一族の一ツの成果がある
おまえを守る術がある』
「……ッ!!」
スウッ
ニホンちゃんは決意の表情で顔を上げてニホン池に向かいました。
「まだ発見できないニカ!? たかがニホン一人に何を手間取ってるニダ!!」
「敷地内はくまなくチェックしたけどいなかったニダ!! 残るはニホン池だけニダ!!」
「言い訳はいらないニダ!! 早くしないと近所の住人が不審に思い始めるニダ
小島ニカ? もうずいぶん使われていないニダ」
「はい ニッテイが閉鎖してから20年近くなるニダ」
「部下共に連絡するニダ 小島ニダ!」
(つづく)
バンッ
カンコ一家の目をかいくぐり、ようやくニホンちゃんは小島に到着しました。
そこにあったのはまるで地下牢のような小さな施設だけでした。
「……ここもたぶん時間の問題かも…… ハア」
そう呟いて力無く壁にもたれながら座り込んだ時でした。
「!!
………!!? ……これは……ッ」
ニホンちゃんの視線の先にあったのは、拘束衣で厳重に拘束されたミイラでした。
完全に干からびていて一体いつ死んだのかもわかりません。
「……死……死体? 死んで……いるの!?
おじいちゃん…… これが私を守る術? このひからびた死体が……?
冗談だとしたら……質が悪すぎるわよ おじいちゃん……
……もうどこにも逃げ場は無いしご一緒させてもらってもいいかしら? 『先客さん』
悪いヤツから守ってくれる騎士…… そんなのを
そんな都合のいい事を想像……ちょっとだけだけど……しちゃってたの
20年も死体をほっぽっておくなんて……おじいちゃんもひどい人だなぁ……
死にたくない…… 死にたくないよ……」
カッカッカッカッカッカッ
カッカッカッカッカッカッ
バガッ
荒々しい音と共に扉をぶち破り、カンコ君の手の者が侵入してきました。
「見つけたニダッ 発見ニダッ 発見したニダッ」
「きゃあッ」
「手こずらせたなニホン」
「カンコ君ッ あなたはそこまでしてッ そんなにしてまでこの島が欲しいの!?」
ガッ
「やかましいニダ!! おまえの様なチョッパリにトクドは渡さんニダ!!」
「なんだこいつは」
「わからないニダ 記録にも無いニダ
ひからびてるニダ」
「ただの死体ニダ」
ドン
突然銃を取り出したカンコ君、ニホンちゃんに向けて発砲しました。
幸運にも直撃はしなかったもののかすめた銃弾によって飛び散った血は、ミイラの顔面を赤く染めました。
ビシャッ シュウウウウウウ
そしてそこから奇妙な音がしている事に、その場にいた人は誰も気付きませんでした。
(つづく)
「次は耳ニダ てこずらせた『おしおき』ニダ 簡単に死ねると思うなニダ! ニホン!」
ちゅばッ ぴちゃッ ぺちゃッ ぴちゃッ
「!」
「!!」
突然聞こえてきた音にその場にいた誰もが振り返りました。
ちゅばッ びちゃッ べちゃッ びちゃッ
べちゃッ びちゃッ ぺちゃッ びちゃッ ぴちゃッ ちゅばッ
何とそこではつい先程までミイラ化していたあの死体が、
生きた人間のようになって床に飛び散ったニホンちゃんの血を舐めていたのでした。
その男は血まみれの顔でにたりと笑い、
ブチッブチブチブチブチブチッブチッ
音を立てて拘束衣を引き裂き立ち上がりました。
「!!」
「しッ 死体が……死体がよみがえッた!?」
「カッ カンコ様ッ!!」
「ウリにもわからんニダッ ニッテイはこんなモノウリに一言も……ッ
かまわんから撃ち殺すニダ! ニホンもろともこいつを地獄に送り返すニダ!!」
カンコ君の言葉に手の者が一斉に男に襲いかかりました。
が、
ビッ バッ ズ バッ
男はあっという間に相手を全滅させてしまいます。
「うああ ああ ああ」
パニックに陥ったカンコ君が男に銃を向けますが、
シャッ
「雑魚め」
「がッ がああああッ」
銃を握っているカンコ君の右手首は、男の素手であっさり切り落とされてしまいました。
カッカッカッカッ
カッカッカッカッカッ
男はあまりに突然の展開に呆然としているニホンちゃんに近付き、
「御怪我は御座いませんか 『日之本卿』
ご命令を 我が領主(マイマスター)」
そう言って恭しく頭を下げたのです。
「トッ トクドは……ッ ウリの物ニダ……ウリの!!
ウリの物ニダ!!」
立てないほどに怯えながらもようやく銃を取ったカンコ君はそう言って発砲しましたが、
バチッ
男は無造作に腕を出して防いでしまいました。
「『あんたの血は臭い』 とても臭いんだ 領主の器じゃあないね」
「!!」
チャキッ
ニホンちゃんは男の腕に守られつつも、銃を取り出してカンコ君に狙いを定めます。
「名前は?」
「『竹島(TAKESHIMA)』 『先々代はそう』呼んでおられました」
バン
(おわり)
解説
◆zhaK4pYnIo
投稿日: 2007/06/20(水) 13:51:38 ID:T1ZK9Lt6
ソース無しで申し訳ありません。
今回の話はハングル板の竹島関連スレに幾つか書かれていた、
いかした(いかれた?)レスに触発されてのものです。
http://money6.2ch.net/test/read.cgi/seiji/1146485139/522-523
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/kokusai/1146020918/503
感想・苦情を問わず書き込みお待ちしています。
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