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第5話
日ノ本家の名無しさん
投稿日: 2005/06/05(日) 13:40:23 [ IQ1qcico ]
「チューゴなんて大キライィィィィ」
初夏の日差しが校庭の木々に降り注ぐ平和な昼下がりの学園風景にはいささか
似つかわしくない叫びが学校中に響きます。
「どうしたの!」
ニホンちゃんが教室を飛び出すと、廊下でパンダのぬいぐるみを持ったチューゴ
君がタイワンちゃんとにらみあっています。
チューゴ君は、手ひどく拒絶されたにもかかわらず、一向にこたえた様子もなく、
むしろ口元に笑みすら浮かべて、タイワンちゃんに歩み寄っていきます。
「せっかくのプレゼントなのにずいぶんつれないアルな。まぁいい。一言だけ陳の
言うことを聞くアル」
チューゴ君は乱暴に二の腕をつかんでタイワンちゃんを引き寄せると、耳元で何
ごとかをささやきました。
みるみるタイワンちゃんの顔が真っ赤になります。
「なによ!なによ!そんなこと言って!」
タイワンちゃんは乱暴に手をふりほどくと、猛烈な勢いで走り去っていきました。
「どうしたんだろう。ずいぶん動揺している。」
いぶかしがるニホンちゃん。
「あいつ、あんなこといいやがった……。ねぇ、君のうちの表札には『中華』って
書いてあるよね。そう、僕らはみんな中華一家なんだよと。
中華……。なんて響きのいい言葉だろう。
いけない、ついチューゴのペースにのせられるとこだったわ……。もう表札だって
かけ替えたほうがいいのよ。でも……。」
タイワンちゃんの気持ちの揺れは、収まらないようです。
解説
日ノ本家の名無しさん
投稿日: 2005/06/05(日) 13:47:39 [ IQ1qcico ]
SS初心者です。こちらにお邪魔させていただきます。
ソースは、今回のパンダ問題ともう一つ、下のURLの4月5日から7日の「薄青の本省人」の話です。
1年以上前のものですが、ずっと印象に残っていたもので。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~RAKUCHIN/taiwan/zatu404.htm
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