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第41話
青風 ◆BlueWmNwYU
投稿日: 2006/02/14(火) 23:32:30 ID:fjnU7Cz5
「送るキモチ」
「大体、ものを送って相手の歓心を買おうなんて、
貨幣経済が発達してない時代の習慣みたいじゃない」
今日も、アサヒちゃんが絶好調で飛ばしています。
まだまだ続きそうな熱弁にニホンちゃん、頷きながらも
「言いたい事があるなら、早く言ってくれないかなぁ」
と、心の中で退屈していたりして。
同じ頃、同じ小学校の下駄箱の前。
チョゴリちゃんがキョロキョロと、辺りを見回しつつ大きな包みを
上級生の下駄箱の前でがさごそと開いています。
「ひとつ、もうひとつ、よし、もう一つ。おまけニダ、もうひとつ。
ふぅ、オッパは見栄っ張りだからなぁ」
自分の兄の下駄箱の中に、チョコレートを押し込めるチョゴリちゃん。
ああ、カンコ君。どうやら、妹の愛には恵まれたようですね。
「…そもそもぉ、チョコを上げる習慣なんて、アジア地区の、
お菓子屋さんの宣伝に乗せられたお馬鹿な子、つまり」
ここでアサヒちゃんは、びしっ、とニホンちゃんに人差し指を突きつけ、
「アンタが始めた事じゃない」
「へ、あたし?」とニホンちゃんが目を白黒させている処へかかる声。
「あら、チョコレートの贈答でしたら、確か私が始めたはずですわ」
冷徹、高慢、高貴で上品なその声の主は、もちろんエリザベス嬢です。
自説の開陳の邪魔をされ、ややムッとしているアサヒちゃんの、
そんな顔にも臆することなく。腕時計に目をやるエリザベスちゃん。
「もうすぐ、この習慣の正しい姿をお教えして差し上げますわ」
すたたた、と廊下を向こうから誰かが走ってくる足音が聞こえ、
間もなく、がらっとドアが開きました。
「エリザベス様! 本当に、本当に遅れて申し訳ありませんでした」
走り込んできたのは、エリザベス様が第一の従者、聖騎士にして
側付きメイド(!)のマルタ君でした。
「遅くってよ、マルタさん」
マルタ君が恭しく差し出す小さな、真心がこもったチョコの包みに、
エリザベスちゃんの顔にはうっすら歓喜の色が広がりました。
同じ頃、チューゴ君はまだ自室にいました。
鏡台に映る自分の顔を見つめ、意を決したように目の前の妹の私物、
ルージュやら、ファンデーションやら化粧水やらに手を伸ばします。
「我は美しい。むろんこのままでも十分美しい」
呟きながら、自らの頬に香ばしい粉をはたきます。
「しかし、さらに美しくなれば、いかなタイワンとて」
くくく、と笑い、さらに唇に紅を入れながら、自分の姿に酔っています。
と、突然背後からかかる声。
「お兄さま!私の化粧品で何しているアルか」
もちろん、化粧品の主、香ちゃんです。
チューゴ君は、ルージュを持ったまま固まってしまいました。
「ちょっと、なんでアンタがチョコ受け取る側なのよ」
ふつう逆でしょ、となぜか憤り、勝ち誇るエリザベスちゃんに
突っかかるアサヒちゃん。
「あらぁ、プレゼントなんて殿方から頂くものですわ」
完璧に返され、言葉に詰まり、ニホンちゃんに矛先を変えました。
「ねぇ、この習慣にアンタは何の疑問もないの?」
「うん、私もなんだか問題有る習慣だと思うよ」
今度は、心の底から賛成できるニホンちゃんでした。
解説
青風 ◆BlueWmNwYU
投稿日: 2006/02/14(火) 23:33:40 ID:fjnU7Cz5
解説、かも?
さて、見えないかもしれませんが、バレンタインネタです。
韓国軍、バレンタインデー用に1000トンのチョコレート配送
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060213-00000139-reu-ent
愛の告白、チョコより整形=バレンタインデーで過熱−中国上海市
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060213-00000080-jij-int
OLの7割「なくなって」 バレンタインデー調査
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060213-00000137-kyodo-soci
後は、Wikiより
「バレンタインデーにチョコレートを贈る風習は、19世紀のイギリスの
チョコレート会社キャドバリー社によって始められた。」
でも、女性から男性、って訳じゃないですから、念のため。
じゃ、また近いうちに
ノシ
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