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第44話
iceman
投稿日: 2006/02/20(月) 00:03:00 ID:wSa2mi5F
血のバレンタインディ(前編)
「ウリナラマンセ〜!ウリナラマンセ〜!」と、黄禹錫ES細胞捏造事件以来、久しく途絶えていた
カンコ君の雄叫びが学校中に響き渡った。
近づいてくる嬌声と足音を耳にしながら、こっそりと教壇の内側に隠れようとするニホンちゃん。
しかし、鼻息荒く5年地球組の教室に飛び込んできたカンコ君がアメリー君に足を引っ掛けられ、
教壇に顔をぶつけて止まった際、コロリと中から転がり出たニホンちゃんの丸まった姿に皆が爆笑
したのはさておき、鼻血を出しながらカンコ節が炸裂する。
「チョッパリー、ウリは感動したニダ!列車事故の惨状の中、助け合った北と南の大学生二人が、
事故に遭ったあの五号地下鉄の列車内で慎ましく結婚式を挙げたニダ。」と捲し立て、立て続けに
「同じ事故で両親を無くしたという兄ちゃんが、涙を流し『立派な式場で挙げられる生活ではなく、
二人が初めて出会った地下鉄の列車内で結婚することにしました。幸せに暮らしていきます。』と
言って、ナットの指輪をお姉ちゃんにはめると、『息子よ、生きていたのかい』と中年女性が乗客の
中から飛び出してきて二人を抱きしめたニダ。」
「ウリはモニターの前でキムチをほうばりながら、ウリナラマンセー、彼らに幸あれと願ったニダ!」
と目を血しばらせ口から泡を吹きつつ叫ぶカンコに、火病の気配を察知したクラスメートは若干引き
つつも、何人かはカンコの肩をポンポンと順に叩き、まあまあモチツケ。良かったねと合図した。
普段はお騒がせで身勝手なカンコの意外な一面を見たようで嬉しくもあった。
ホンコンちゃんは「あたしもそれインターネットで観た。」と言い出し、アメリー君は何故かしら、皆に
背を向け、空を見上げている。
立て膝で床に座ったまま話を聞き始めたニホンちゃんは、今や膝に顔を埋めて感涙に浸っている
様子で、バレンタインディであるこの日の朝、カンコに義理チョコを挙げるべきか悩んでいたようだが、
どうやら決めたようだ。
血のバレンタインディ(中編)
「どうやら朕の計画どおり事が進んだ様だな。」と、給食後に学校に来たチューゴ君が、
壮大な校門の影で額を地べたに擦り付け拝謁するカンコ君に然り顔で語りかける。
そして、二人の前には大量のチョコの山。
「ハイ、これもすべて天帝のご指示の賜物ニダ。情況に流されやすいチョッパリは容易く、
あの冷血女のエリザベスもがウリにチョコを差し出したニダ。」とカンコ君が可笑しそうに答えると、
「ホウ」とほくそ笑むチューゴ君であるが、その心内は大叔父である塞翁のように謎めいている。
「それでは、ウリめが4で、貴方が6という約束で。」と愛想笑いをしながらカンコ君が申し出ると、
「いや朕が8で、愚民は2で宜し。」と有無を言わせぬ口調でチューゴ君が切り返す。一間の静寂
の後「ウヘヘ」と内心唇を噛みながら従うカンコ君。
それでも、他生徒の下駄箱からチョロして食べた登校時以来、本日2度目の鼻血ブー状態の
カンコ君は、家に持ち帰れるチョコの数と、それを見て尊敬の眼差しをオッパに向けるであろう
チョゴリの姿を思うと誇らしさで胸が一杯になった。
そんな二人の様子を木陰から観ていた人物の姿がスーと消え、暫くして「ガラン、ガラン」と午後の
授業開始を呼びかける鐘が学校内に鳴り響く。チューゴ君とカンコ君は足取り軽く教室へ戻っていった。
血のバレンタインディ(後編1)
第5、6時限目は、ニホンちゃんのクラスは体育の時間であったが、先生は用事で出かけており、
今日は自習でドッチボールをすることになっていた。ゆっくりと着替えを済ませて体育館にやってきた
チューゴ君とカンコ君を交えてゲームが始まった。
「アイヤー!何するアルか。」開始早々、外野からアメリー君が投げた長距離ミサイルのような玉が
チューゴ君の脳みそを揺さぶった。
アメリー君は無表情で言う、「ハッハッハ!お前、うちのヤホーやググル達を指図して情報操作をしただろう。」
一瞬チューゴ君の顔が白ばんだが、「ホウ、何を言うアルか?朕のアパートで商いする者は、家主の
定めた規則に従うのは当たり前アルw」数時間前とは別の鋭い目付きでほくそ笑む。
「とぼけるな!お前が昨年打ち上げた偵察衛星を使い、朝のカンコの演技を覗いていたのも知って
いるんだぞ。」と、次の玉を投げつけようとするアメリー君。(どうやら、今朝の出来事を最初から胡散
臭く見ていたアメリー君が空を眺めていたのはその為。)
「違うニダ。誤解、勘違いニダ。」中に割って入り両者をなだめようとするカンコ君。
「そうニダ、ウリは5年地球組のいざこざを仲立ちするため、次期クラス委員長に立候補するニダ!」
カンコ君の唐突な宣言を聞くやいなや、「誰がカンコを委員長にと投票するものか!」地球組の委員長
選びに敏感なアメリー君の投げつけた強烈無比なボールがカンコ君の足元をすくうように跳ねて通り
過ぎる。
血のバレンタインディ(後編2)
「カンコやチューゴは、うちの家族にも信用が無いからな。」ロシアノビッチ君は酒瓶片手に傍観している。
ボールは内野のタイワンちゃんに渡り、再びカンコ君に向けられ、「バカンコー!あんた、女子の
チョコ目当てに点数稼ぎの下手な芝居をうったでしょう。」、「アメリー君のおかげでちゃんと調べが
付いているのよ。」と、フランソワーズちゃんも早口で捲し立て、「今朝、わたくしの下駄箱に下僕が入れた
サッカーボール型チョコもパクリましたわね。それだから、地球町のどこのホテルも貴方達の家の者を
門前払いするのよ。」エリザベスちゃんの甲高い声がコート内を走り、場の緊張感を高める。
「アイゴ〜!違うニダ。誤解、勘違いニダ。それにサッカーはウリの家が発祥ニダ。」頭を抱えてサル
のように逃げ回るカンコ君を四方から女子の投げるボールと苦言が追い駆ける。
堪らず、助けを求めてチューゴ君を探すが、いつの間にかチューゴ君は中華アパートで足りない灯油
の買い付けで体育館を出てしまったことが判明。
そこで、「そ、それはチョッパリの策謀に違いないニダ。ウリは被害者ニダ。騙されたニダ。許せないニダ〜」
お決まりの、「謝罪しる〜!反省しる〜!賠償しる〜!チョッパリの旗を燃やすニダ、ファッビョーン!」
ところでニホンちゃんはというと、コートの外でラジオを聴きながら一人ため息、
「あ〜あ、メダル零なのぉ(涙)」(2月18日現在)
ということで、今回のお話はちょんちょん。
解説
iceman
投稿日: 2006/02/20(月) 00:15:49 ID:wSa2mi5F
≪引用ソース元≫
ソウル地下鉄車内で貧しいカップルが結婚式を挙げる映像がネットで流され、朝鮮人民の自尊心・愛国心を大いに
高揚させたが、実はソウル大学演劇サークルの「ヤラセ」だったことが明らかになった。
事件は、地下鉄車内で若い男性が涙を流し、「私は両親がなく育ち、式場で結婚式を挙げられるような生活ではなく、
2人が初めて出会った、この5号線地下鉄で本日彼女と結婚式を挙げることにしました。幸せに暮らしていきます。」と騙り、
男性が女性に指輪をはめると、エキストラ役の中年女性が走り寄って2人を抱き締めたのを、学生らがカメラ付き携帯電話
で撮影し、バレンタインデーに映像をネットに載せて、悪戯に国民感情の扇動を狙ったというものであった。
約1分間の映像は、話題になり様々なサイトに取り上げられ、大韓民国マスコミは、いつもどおり確認取りもせずに、
マッチ箱のような列車火災事件の悲惨な思い出を交えて、「涙の地下鉄結婚式」と大きく報じた。
しかし、その後、大学内部の告発により、大学演技サークルが許可を取らず、他の乗客に「ヤラセ」と知らせないで
行った茶番劇とバレ、学生らは黄禹錫(ファン・ウソク、ソウル大学教授)の如き振る舞いとして、退校処分となったとか。
その他、こまごまとソース取り。
iceman
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