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第51話 青風 ◆BlueWmNwYU 投稿日: 2006/03/04(土) 14:02:46 ID:fyZ53nul
「ダイエットでいこう」

年頃の女の子たるモノ、常に可憐で美しく居なければなりませぬ。
もちろん、男の子の目も意識はするけれど、
本当に怖いのは、同性のお友達からのこんな一言。
「あら、ニホンさん。…最近、ずいぶんとふくよかに
 なりましたのねぇ」
ぐさっ
エリザベスちゃんの目に見えない短剣が、
ニホンちゃんの胸に深く深く突き刺さります。
そんな訳で、とっさに固める百年の決意。
今日から私は小食少女になるの!
と、ばかりに給食60%カットに挑み始めました。

「ああ、そんなに注がなくっていいんだからぁ。
 ちょっと、止めてよ! 私は今ダイエット中なの!」
こんな台詞も、給食当番のアメリー君に掛かれば剣もほろろ。
「オイオイ、何のジョークだよ?遠慮するなんて水くさいぜ」
ニヤリと笑い、ウインクと共にコーンシチューをどば。
「それじゃ、おらもサービスダス」
と、同じく給食当番のオージー君がビーフシチューをどば。
「我が下賜の品、受け取るが良いアル」
チューゴ君が魚の干物をどかどか。

たちまち皿にあふれる、ニホンちゃんのランチメニュー。
「もう、私のダイエットプランが台無しだよう」
デリカシーの無い男は嫌い。
ぷんすかしながら席に戻ったニホンちゃんの、不幸はさらに続きます。
「あら、ニホンさん。これじゃダイエットにはなりませんわねぇ」
天使の様に微笑んで、フランソワーズちゃんが近づいてきました。
「そうなの、あんの男どもと来たら、本当に禄でもないんだから」
自分の窮状を訴えるニホンちゃんを後目に、華麗とも言える手さばき
で、ニホンちゃんのお皿からリンゴをゲット。
「これだけ手伝ってあげますわ。では、健闘をお祈りします」
口をもごもごしゃりしゃり言わせながら、立ち去ってゆきます。
「ああああ、それだけは食べようと思ってたのにぃ」
ニホンちゃんの声がむなしく響きます。

さて、食べても食べても減らないランチに、ニホンちゃんもいい加減
ウンザリしてきました。もともとそんなに食べる方じゃない彼女に
してみれば、ダイエット中でなくても、食べきれるものではありません。
ランチの完全攻略をあきらめたニホンちゃんが、
多少後ろめたそうに残った食べ物を片づけようとしたその時です。

ぐう〜〜、きゅるる〜〜〜

派手におなかの虫が鳴く音に、ニホンちゃんは一瞬だけ振り返りました。
しかし、そのまま何食わぬ顔で残飯入れに残り物を放り込み、
そのまま校庭に遊びに行きました。
「私は何も見ていない。久しぶりに登校しているキッチョム君が、
 恨めしそうにこっちを睨んでいる姿なんて、全然見ていないわ」
と呟きながら。

解説 青風 ◆BlueWmNwYU 投稿日: 2006/03/04(土) 14:05:11 ID:fyZ53nul
解説、なのかも?

日本の食糧自給率、カロリーベースで40%程度。
世界の食糧貿易の10%程度を日本が占めているとか。
ただし、廃棄率も25%とこれもけっこうすごい。
ちなみ、この廃棄した食糧と、世界中で行う食料支援の量が
ほぼ同程度らしいです。
でも、まぁ、日本が加工の国である限り、一次産品を輸出と引き替えに
輸入し続けなくてはならない、というジレンマは有ったりします。
うまくゆかないモノです。

このあたり、参考にどうぞ。
ttp://research.php.co.jp/one-point/011.html
ttp://www.eonet.ne.jp/~namadu/inpotfish.htm

因みに、高級リンゴの類はヨーロッパとかに
輸出努力してるらしいですよ。
ttp://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview060117.html

じゃ ノシ

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