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第1987話
マンセー名無しさん
投稿日: 04/09/19 20:01:33 ID:RAUwUbac
「後世・・」
「ニッテイは太平池喧嘩のときにウリナラだけじゃなく自分の家の人にもひどい事したニダ!謝罪シル!」
「そうよ!特にリュー君のお部屋の人たちを見捨てたのよ!」
「そ・・そんなぁ・・」
おやおや、カンコ君とアサヒちゃんがまたニホンちゃんに詰め寄ってるみたいです。
「謝罪しるっ!!賠償しるっ!ニホンは反省して対馬パンツを寄こすニダァァァ!!」
カンコ君、いつにもまして高圧的です。きっとアサヒちゃんがまた入れ知恵したんでしょうね。
カンコ君があまりにも高圧的なため、ニホンちゃん、とうとう泣き出してしまいました。
そこへたまたま通りかかったウヨ君とタイワンちゃんが・・
「「ニホンちゃん(姉ちゃん)をイジメルナ!!!」」
と、二連コンボを発動したためカンコ君は慌てて逃げていきました。
(アサヒちゃんはその前に逃げてしまったようです。)
ニホンちゃんはその後泣きながらお家に帰り、ニホンパパに相談したようです。
「グス・・ねぇ、おとおさん・・」
「ん?なんだい?ニホン、どうして泣いているんだい?」
ニホンパパは書斎で調べ物をしていたようです。
「今日またカンコ君とアサヒちゃんが・・太平池喧嘩の時おじいちゃんが酷いことしたって・・
カンコ君のお家だけじゃなくて、アメリー君のお祖父さんたちがリュー君の部屋に来た時に・・
リューくんのお祖父さん達を見捨てたって・・。」
それを聞いたニホンパパ、少し寂しそうな顔をして立ち上がりました。
ニホンパパはそのまま書斎のすみの方、少し古ぼけた本の並んでいる中から一冊のファイルを取り出しました。
「ニホン、いいかい?ニッテイお祖父さん達は決して、決してリュー君のお祖父さん達を見捨ててなんかいないよ。」
そう言ってニホンちゃんに手に取ったファイルと、ハンカチを渡して、こう言いました。
「そのファイルの最後のほうにのページをよく読んでごらん。ほら、涙を拭いて。」
「グス・・ヒック・・わかったぁ・・・」
ニホンちゃんは自分の部屋に戻って、ニホンパパに渡されたファイルを読み始めました。
「これ・・太平池喧嘩のファイルだったんだ・・」
そこには、太平池喧嘩のたくさんの資料、当時の新聞の切り抜きなどが綴じられていました。
ニホンちゃんは前に書斎に入った時に、本棚の一番上に置かれていたこのファイルを見つけていたようです。
「んっと・・リュー君のお部屋の所は・・、あ、あった」
沖縄戦はとても、とても凄惨な喧嘩であったらしく、ニホンちゃんは気分が悪くなり、涙を流しそうになりながら読み続けました。
「・・もうすこし、もうすこしだから。」
自分に必死で言い聞かせて、日ノ本家、アメリー家の祖父たちリュー君のお部屋で何をしてきたのか、読み続けていきました。
沖縄戦に関するファイルの資料も最後のページとなり、そこには一枚の紙、おそらく電文が丁寧にファイリングされていました。
ニホンちゃんはその電文を食い入るように読み始め、やがて最後の数行を、消え入りそうな声に出して読んでいきます。
「・・・糧食六月一杯を・・支えふるのみとなりと謂う。沖縄県民斯く戦へり。」
最後の一行、それを声に出して瞬間ニホンちゃんは、目から大粒の涙を流して読み上げました。
「・・・県民に対し 後世特別の御高配を賜らんことを。」
ニホンちゃんは、その後しばらく声を出すことなく、肩で泣き続けていました。
泣き止んだあと、ニホンちゃんはファイルをお父さんに返しに行きました。
ニホンパパは書斎でなにか考え事をしていたみたいです、
だまってニホンちゃんが書斎から出ようとしたときに、ニホンちゃんの方を向かないで、小さな声で話し始めました。
「ニッテイお祖父さんはリュー君のお祖父さん達の事を必死で救おうとした・・けどその思いは通じることはなかったんだ・・
最後のページにあった電文は・・読んだかい?」
お父さんの問いかけにニホンちゃんは、小さく「ウン・・」と返事をしました。
「その電文に書いてあることが当時の沖縄でリュー君のお祖父さん達を守ろうとした人全ての思いだよ・・
そのことだけは、忘れないように・・ね。いいかい?」
ニホンちゃんは先ほどのように、小さな声ではあったけど、しっかり、そしてはっきりと
「わかったよ!」
と答えて書斎をあとにしました。
(お祖父ちゃん達はリュー君たちを見捨てなかった・・ほんのちょっとだけど・・疑ってゴメンね・・お祖父ちゃん・・)
翌日・・
「謝罪しるっ!!賠償しるっ!」
おやおや、相変わらず今日も元気に吠えているのはご存知我らが英雄カンコ君。
「ニッテイはリューたちを見捨てたニダァァァァァ!!!」
「そんなことないよ!ちゃんと、真実に目を向けてね、カンコ君!」
ニホンちゃんはカンコ君にハッキリと、一言一言沖縄に散った人たちの思いを込めて言い返しました。
これにはカンコ君ビックリです、顔を真っ赤なキムチ色から少し土色に変えつつ言い返す言葉を捜しているようです。
(ウゥ・・昨日はあんなこと言ったけど実際ウリには良くわからないニダ・・アサヒが居ないと何も言い返せないニダ・・)
必死で言い返す言葉を探すカンコ君を置いて、ニホンちゃんは春のそよ風が吹くような優しい笑顔で学校へと向かいます。
そしてクラスに入って・・
「おはよう!みんな!!」
今日も地球町はいつもと変わらない平和な朝を迎えました・・
ただ一人置いていかれて遅刻してしまい、フラメンコ先生の怒りを買ったカンコ君を除いて・・
「アイグォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!」
fin
沖縄戦末期の太田実少将の最後の電報を元に書いてみました。
なにぶん始めて書いたため、自分の文章力の低さに呆れています・・
最初のカンコ、アサヒのところは、こんなこと言い出したらいやだなぁ
と思い付けてみました。(実際このようなこと過去にあったのですが・・)
落ちが付けられず、最後の最後で適当に書いてしまいました・・(汗
長々と板を汚してしまいスイマセンでした。
解説
ばいおはざーど@58作者
投稿日: 04/09/22 19:41:48 ID:eJPATyT7
>279
大田実(おおたみのる)少尉
1891(明治24)年4月7日〜1945(昭和20)年6月13日
千葉県生まれ,1913(大正2)年海軍兵学校卒。
海軍における陸戦研究の第一人者として,37(昭和12)〜38年鶴見特務艦長の後,一貫して陸戦隊指揮官をつとめた。
39年呉鎮守府第6特別陸戦隊司令,呉海兵団副長,41年漢口特務部長,42年第2,第8連合特別陸戦隊司令官を歴任。
45年1月第4護衛隊兼沖縄特別根拠地隊司令官となり1万人の部隊を率いて沖縄本島小禄(おろく)半島(現在の那覇空港周辺)での陸戦を指揮したが,米軍の攻撃のために6月13日海軍壕内で自決(54歳)。死後中将。
ttp://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/kaigunngou.htm
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