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第1988話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/09/19 23:51:46 ID:EW1kh5GK
            「ワインレッドの心」
 さて、葡萄ジュースといえばEU町ですが他の家でも作られているのです。しかし
本場ではないので知名度は今一つです。
「参ったなあ、うちでも作ってるのに」
 アメリー君が困った顔で言います。
「うちも昔から飲んでいるアルが。売れ行きは今一つアル」
 チューゴ君家は昔から飲んでいたりします。
「わたしの家は結構飲んでるのにな。他の家では売れないのよね」
 ニホンちゃんも暗い表情です。太平池では葡萄ジュースより麦ジュースが人気
があるせいかも知れません。
「こうなったらフェステイバルでもするか」
 ここでアメリー君が提案しました。
「家のジュースの宣伝アルな」
 商売ごとには目がないチューゴ君の目が光りました。
「それいいと思うわ。葡萄ジュースはもうEU町だけのものじゃないし」
 ニホンちゃんも賛成。こうして太平ワインフェステイバルが開かれました。
こうして三人は自分の家の葡萄ジュースを出しました。呼ばれた皆が味見をします。
「悪くないですわね」
 葡萄ジュースならこの人、フランソワーズちゃんのコメント。
「よしっ」
 三人はそれを聞いてガッツポーズをします。
「けれどどれも最高というわけにはいきませんわ」
「えっ!?」
 それを聞いた三人の顔が暗転します。
「まずアメリーのは口ざわりはよろしいですけど大量生産のせいか味が機械的、
チューゴは花びらを入れる発想はいいけれど本来の味が消えていましてよ」
「グッ、売り上げを気にし過ぎたか」
「花びらが仇となったアルな」
「ニホンさんは個性が弱いですわ。ジュースには個性も大事ですわよ」
「参ったなあ、個性まで考えてなかったよお」
 へこむ三人、しかしそこに。
「ワッハッハ、遂にワスの出番ダスな!」
 高笑いと共にオージー君が現われました。
「ワスは羊だけではないダス、ちゃんと葡萄ジュースも作っているダスよ!」
「・・・・・・初耳だぞ」
「麦ジュース派じゃなかったアルか?」
 いつもの二人の電撃的な突っ込み、しかしそれはスルーです。
「これを飲んでみるダス!」
 そう言って一本のジュースを取り出します。
「美味しいですわね」
 それを飲んだフランソワーズちゃんの感想。
「フッフッフ、そのメルロはニホンちゃんの家の料理にも合う絶品ダス。他にも
一杯あるダスよ」
 胸を張って言います。
「確かに美味いな」
「うん。いけるアル」
 男二人も飲んでみえ納得しています。
「あとこのリースリングもいいわ。これならわたしのとこのお刺身やベトナちゃんの
生春巻きにも合いそう」
「フッフッフ、これからの葡萄ジュースはワスのものダス!」
「・・・・・・僕の家も葡萄ジュース作ってるんだけれど」
 誰も気付きませんでしたがこのフェステイバルの企画の段階からいた人がいた
のです。しかし誰もカナディアン君には気付きませんでした。今もです。
「・・・・・・いいや、どうせ僕なんて」
「そういえば今日はあの男いませんわね」
 ふとフランソワーズちゃんが気付きました。
 催しというかニホンちゃんの側に常にいたがるその男、カンコ君
いきなり登場です。
「ニダッハッハッハ、どうやらウリの出番ニダな!」
「誰も呼んでねーーーよ」
「そもそも御前に声をかけた覚えはないアル」
 二人は冷たい目で見ています。
「葡萄ジュースならウリも知っているニダ、ウリの知らないこと
などこの世にはないニダ!」
「ほお」
 それを聞いたフランソワーズちゃんの目が光ります。
「それではお出しなさい。貴方の家のジュースを」
「そんなのあったダスか!?」
「知らない」
 オージー君とニホンちゃんが言います。
「それは・・・・・・この『エデンの東』のことニダか?」
 カンコ君二本のジュースを取り出しました。
「・・・・・・まあタイトルはいい、映画じゃないからな」
 それを見たアメリー君のコメント。
「本当にあっただけでも驚きアル」
 チューゴ君のコメント。それは皆の感想です。しかも味も
結構よかったりします。
「思ったよりいけますわね」
 フランソワーズちゃんも評価しました。そこでもう一本。
「次はこの『マジュアン』ニダ!」
「うちのジュースの名前に似てる・・・・・・」
 ニホンちゃんがそれを聞いてポツリ、と一言。
「これもいいダスな」
 オージー君が言いました。
「ええ。しかし何か引っ掛かりますわね」
 一口飲んだフランソワーズちゃんが首を傾げます。何か感じたようです。
「何か何処かで飲んだような・・・・・・」
「これはうちのモーゼルだな」
「うむ、間違いない」
 そこで今まで隅にいたゲルマッハ君とアーリアちゃんが登場しました。
「どうやらうちのジュースをそのまま瓶に入れたものだな」
「それを高く売っていたのか」
 それを聞いた一同の氷の様な視線。
「ま、まずいニダ・・・・・・」
 慌てて逃げようとするカンコ君。しかし。
「待て、逃がすわけにはいかない」
「我々にもけじめというものがあるからな」
 二人が左右からカンコ君の肩に手を置いて言いました。
 こうして二人の鉄より強く音より速い拳を受けたカンコ君でした。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/09/20 00:00:02 ID:rWaxYWSY
 アジアと北米のワインのお話です。オーストラリアも。
ttp://www.sapporobeer.jp/wine/knowledge/america/
ttp://www.rakuten.co.jp/sanyodo/333530/359366/
ttp://village.infoweb.ne.jp/~fwif1316/page026.htm
ttp://www.australiawine.jp/wine.html
ttp://www.sapporobeer.jp/wine/knowledge/australia/index.html
ttp://members.shaw.ca/c3pro/mam/mam08.html
ttp://www.winepress.co.jp/winary/kankoku2.htm
ttp://www.e-food.jp/drink/korea.htm
 感想は個人的な好みですが。実はマカロニーノ君家のランブルスコが
好きです。

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