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第2265話 砂布巾 投稿日: 2005/06/11(土) 02:59:21 ID:6IwLx3oS
 あれから地球町では十数年が経過した。
ニホンちゃんは、結局カンコ君と結婚してやることにしてあげた。
色々とやりたいこともあったけれど、これ以上カンコ君をスルーし
続けていては、いつか彼の斜め上加減に殺されてしまうだろうとい
う乙女の直感に従った結果の行動だ。どんなに距離を取ってもキム
チの臭いが届くのなら、いっそ自分自身で料理した物だけを食わせ
ておけば、少なくとも唐辛子の発酵臭だけは嗅がずにすむだろうか
ら。

 アメリー君は激怒して、地団駄を踏み続けた。派遣していた警備
員をカンコ家から引き上げさせたのは間違いだったと、心の底から
後悔したのだ。

 ウヨ君も激怒した。姉の貞操は自分が一生を通して守り続けると
誓ってもいたし、なによりも自衛隊にカンコ家の住人が続々と入隊
してくるようになったことに、誰よりも危機感を抱いている。カン
コ家から入隊した人々の多くは怠け者で、手癖が悪いし弱者に高飛
車というおまけがついていた。たまにとんでもなく優秀なのもいる。

 チューゴ君は未だにタイワンちゃんを口説き落とせずに至ってい
る。彼がどれほど力をつけようとも、タイワンちゃんを無理やり押
し倒そうとするたびにアメリー家から横槍が入っていた。

 妻は常任理事の仕事をしているから、自分も常任理事と同じくら
い偉いのだという理屈で、カンコ君のプライドは満たされていたの
だった。

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