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第17話
どぜう
投稿日: 2004/08/21(土) 13:51
『飛んでけ エリザベス』
カナディアン君の家で行なわれた大運動会の時の話です。
「わ、わわわわわ、わわわわわわっ!」
颯爽とジャンプ台から飛び出した…と云いますか、
転げ落ちた、と云う方が正確か、ともかく、
不格好に手をばたばたとやりながら飛んでいく一人の影。
その人は、普段の優美さとは一線を画すエリザベスちゃんなのでした。
『71m』
電光掲示板に記録が表示されます。
「やった!やったわ!!」
と、一人はしゃいでいる我らが女王さま。
運動会の記録としては、いささか…もとい、最下位なのですが、
最近まで全くジャンプ競技をしていなかったエリザベスちゃんの家では、
歴代一位の大快挙なのです。
…本当なところ、エリザベスちゃんの家でジャンプ競技をしているのは、
エリザベスちゃんだけなのですが。歴代一位もむべなるかな。
「なぜ私を出していただけないの?」
「下手だからよ、では、ごきげんよう」
フランソワーズちゃんの家で行なわれた大運動会の時は、
技量不足を理由に断られてしまいました。
それならば、とノルウェー君の時は不意打ち気味に参加を希望しましたが、
やっぱり駄目。
なにせ、家の中でジャンプ競技に熱中しているのは、
エリザベスちゃん一人だけ。
雪も降らない、山がない。設備もない。ないないづくしなのに、
それでも諦められないのは女の意地か、
七つの海を制覇した家のなせるサガでしょうか。
「今度は裸で飛んでみようかしら。でも転んだら火傷しますし…」
ニホンちゃんちの大運動会の時にはこんなことを云っていたようですから、
どこまで本気か判りませんね。
それでも、やっぱり挑戦する姿は勝敗を超えて美しいのです。
「あわわわわわ!ぶ、ぶつかりますわ〜!」
…でも、ちょっとは身体を大切にしようね。エリザベス。
おしまい
解説
どぜう
投稿日: 2004/08/21(土) 13:52
本歌取りで感想をば。
元ネタはカルガリー・オリンピックの英国出身のスキージャンパー、
マイケル・エドワード氏。
ttp://www.canal.ne.jp/~harushi/jump/jumper/m_edwards.html
ウォーリーを探せ!のウォーリーを思わせる風貌のとぼけた左官屋さんです。
エディ・『ザ・イーグル』・エドワーズの二つ名は伊達じゃない。
この人確か、その後大会でひどく事故ったと覚えてるんですが、
ネット上に記事が見当たりませんでした。
クール・ランニングって映画もありましたねえ。
ベタな展開でしたが、漏れああいうのに弱いんだよなあ。
>ギニア・マラボくん
漏れのギニアちゃんよりもキャラが立ってる、哀しい。とほー。
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