戻る <<戻る | 進む>>
第1094話 100話作者 ◆UMAIu01k 投稿日: 02/07/06 19:25 ID:ImAleuVD
■ウヨ君のアイドル(1)
ウヨ君がため息をつきながら、何かの雑誌の切り抜きを財布の中にしまいかけていました。ウヨ君は、それなりに注意していたつもりでしたが、記事に意識が行っていたため、たまたま近づいていたタイワンちゃんに気が付かなかったのです。

「なに見てるの?」タイワンちゃんが、声をかけました。
「う、うわぁっ」
普段の様子からはとても想像できないような声を上げて、ウヨ君は飛び上がりました。あわてて切抜きを隠そうとしますが、めざといタイワンちゃんが見逃すわけもありません。
「いま、隠したのはなにかなぁ?(はぁと)」
「い、いえ、な、なんでもないです。」必死になってごまかそうとするウヨ君。
それを見たタイワンちゃんの笑顔はますます輝いてきます。

■ウヨ君のアイドル(2)
「ふぅん。」と、ウヨ君の後ろに目をやると、こう言いました。
「あ、いいところに来た、バカンコ、それ取っちゃって」
「なにっ?」ウヨ君がぎょっとして後ろを振り向いたところを、さっと踏み込んだタイワンちゃんが切抜きを奪いました。
「へっへへー、うそでしたー。」呆然とするウヨ君を尻目に、タイワンちゃんはぺろっと舌を出すと切抜きを見ます。

「あれ、これは雑誌の切抜き? ちぇっ、クラスのだれかの写真かと思ったのに…」
「な、なんだって、いいじゃないですか、タイワンさん…」ウヨ君、なぜか真っ赤です。
「うーん、きれいというか、かわいい人だね〜。ウヨ君、この人のファンなんだ、男の子だもんねー(はぁと)」うんうんと納得するタイワンちゃん。「ところで、これ、誰?」


■ウヨ君のアイドル(3)
「だ、だれって……、あの、その。畏れ多い…、いいから返してくださいよ。」
「ダメ。誰だか教えてくれないと返さない。」タイワンちゃんは興味津々です。

と、そのとき。
「あら、萌宮親王様?」
後ろから聞こえた声にウヨ君はもういちど飛び上がりました。「ね、姉さんっ。」
ニホンちゃんはタイワンちゃんのもつ記事の写真を見て、のんびりと説明します。
「お祖父様がお世話になったお家の3代目の方。大恩人のお家というか、この家あってのニホン家かも」
ニホンちゃんはそういいながら、タイワンちゃんに手を差し出しました。
■ウヨ君のアイドル(4)
「ま、そういうことだから、それ返してあげて。」
「ごめん」タイワンちゃんは素直にウヨ君に返しました。ウヨ君は、丁寧に記事をたたんでポケットにしまいました。

「そっかー、あの方がウヨ君のアイドルかぁ。」妙に納得するタイワンちゃんと(ちょっと誤解入ってるかなぁ)と少しだけ困っているニホンちゃん。
そして、二人と別れて家路につくウヨ君は「せめて、草刈りと庭掃除だけでもお役に立ちたい」と密かな決意を固めていたのでした…。

-----------------------------
こちらはソースなし。
ウヨくんの設定にぴったりのアイドルとなるお方がいらっしゃったので、軍板との友好を深めてみようかと…



この作品の評価を投票この作品の評価   結果   その他の結果 Petit Poll SE ダウンロード
  コメント: