戻る <<戻る | 進む>>
第1152話 XSF 投稿日: 02/08/01 05:51 ID:Nt7zF4d6
『夏休みのとある一日 アメリーくん家の一万年入れない部屋』
(1)
夏休みもいよいよ本番のある日。ニホンちゃんたちは夏休みの宿題を片付けるため、図書館で勉強会を開きました。
さすがに夏休みの中盤から宿題に取り掛かるメンバーはクラスでも指折りの優等生たちです。
クラスの優等生全員が集まっているわけではないのですが、優等生の1/3は集まっているみたいです。
この時期に友達同士で相談しながら宿題しても、全然進みません。むしろ話すのに飽きたら宿題をやるといった感じです。
これが夏休みの後半になると修羅場となるのですがそれはまた別の話。
図書館側も良く考えたもので、この時期は特別にグループで会話しながら学習が出来る部屋を特別に用意しているようなので、
おしゃべりしながら楽しく宿題や自由研究に没頭することが出来ます。
ちなみにこの部屋、毎年8月の前半あたりからアサヒちゃんとそのご一行が自由研究の作成のために利用することが多いようです。

(2)
ニホンちゃんは算数のドリルをひと段落させて、顔を上げ周りをみてみました。
同じように算数のテキストをやっているタイワンちゃん。
読書感想文の本を読んでいるチューゴくん。
自由研究でしょうか、なにやらノートに細かい字を一杯書き込んでいるアーリアちゃんとゲルマッハくん。
エリザべスちゃんとフランソワーズちゃんは作文でしょうか日記でしょうかレポート用紙に向かって何か書いている様子です。
ウヨくんとラスカちゃんは5年生のみんなとは違う机でなにやらおしゃべりに興じている様子です。
ニホンちゃんの目はアメリーくんのところで止まりました。
普段は悩むことなどあまりしないアメリーくんが真っ白な原稿用紙を前に「う〜ん」といいながら悩んでいます。
最近、深刻なやっかいごとや悩み事をやったらめったら溜め込み周りに迷惑をかけるアメリーくん。
少し心配になったニホンちゃんはアメリーくんに声をかけて見ることにしました。

(3)
「ずいぶん深刻に悩んでるけど、どうしたの?」
「あまりたいしたことじゃないんだけど・・・」
と答えながらも、一人で悩むのも面白くないなと思ったアメリーくんはニホンちゃんにことの経緯を話しはじめます。
実はもうじきのアメリー家のネバダと呼ばれる部屋の一角に
”花火の原料や原子力発電に使う特殊な火薬のゴミ”をまとめて保管することになったものの、
その部屋の入り口になんと書けば良いのか迷っているとのことでした。
”ほうしゃのう”が安全になるまで最低一万年はその部屋に入ってはいけません。
一万年後の人々にわかるような説明を書く必要がありますし、
一万年後まで消えないようなインクを使ってどんな災害にも耐えれてるようなプレートに書いて、
その部屋のドアにつけないといけないそうです。

(4)
「い、一万年アルカ! ワタシの家でさえまだ4000年アルヨ!」
驚き半分あきれ半分でチューゴくんが口を挟みます。
「一万年後の人類にわかる文字を書くなんて不可能だぞ。そのころにはアメリー家はおろか地球町でさえ存在してるかわからんのだからな。」
「アーリアちょっと言いすぎだ。」
ゲルマッハくんがたしなめます。
「兄上、考えてもみてくれ。私たちはたかだか数千年前に滅んだ家の文字すら解読に四苦八苦しているではないか。それを、一万年などとアメリー家作の映画じゃあるまいし。」
「それともこれは花火の材料をほしがるテロリストホイホイなのか?」
アーリアちゃん最近なんか嫌なことがあったのでしょうか・・・。
少々空気が悪くなりそうなそのとき、ニホンちゃんが機転を利かせて、
「う〜ん。悩んでも仕方がないからいろいろな家の言葉で”危険ですから入ってはいけません”って書いたらどう?」
「いやいやそれはだめさ。」
違う机で恋愛小説を読んでいたマカロニーノくんが口を挟みます。
「その表現だと僕の家の人が開けてしまうね。やっぱり”危険ですのであけないようにしてみては如何でしょうか?”と書くべきだね。」
「ニエット、ニエット。それじゃだめだな。そんな書き方じゃ俺んちの連中が空けちまう。そんなことやるよりも北極池にさっさと捨てちまったほうが利口だぞ。おっと、これは失言」
マカロニーノくんといっしょにやってきたロシアノビッチくんが口を挟みます。どうやら今日は酔っていない様子。

ロシアノビッチくんの言葉に環境に対しては少々うるさいユーロ町の面々が反応してロシアノビッチくんを睨みつけます。
その後もSFチックな話題であるだけに想像力を刺激された面々がいろいろ意見を言うものの、
”これだ”というものがでてくるわけもなく、その日の勉強会は終わりました。
帰り道、ウヨくんと一緒に家に向かうニホンちゃん。
「一万年かぁ・・・・。なんかすごいね。」
よくよく考えてみれば、今から一万年まえあたりに今の日ノ本家の建物のある土地が出来たといわれているわけですから、
とてつもない時間の流れに実感がわかないというのも無理のないことかもしれません。
「全然実感が沸かないけど私たちももうじきアメリーくんの家と同じ問題を抱えることになるんだよね。」
事実、日ノ本家も同じような問題を抱えていて、
今は青森の間にある六ヶ所たんすにとりあえずしまっていますがその後どうするかはまだ決まっていません。
「一つ一つ片付けていくしかないよね。」
半ば自分に言い聞かせるようにニホンちゃんがつぶやきました。
どうやらこの地球町には片付けなければならない宿題がいっぱい残っているようです。


解説 XSF 投稿日: 02/08/01 05:59 ID:Nt7zF4d6
(6)
追加>>800が(5)

ソースはこちら。なりきり板のニホンちゃんの提供です。
http://slashdot.jp/article.pl?sid=02/07/30/0822204&mode=nested
なりきり板 ★ウリナラマンセー!!!大河ドラマ「カンコ君」★
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1024409373/l50

で、結局、どうするつもりなのでしょう・・・・。

この作品の評価を投票この作品の評価   結果   その他の結果 Petit Poll SE ダウンロード
  コメント: