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第1170話
「リュウジィの夏」
投稿日: 02/08/06 12:41 ID:wqnirOUF
「リュウジィの夏」
リュウジィが辿り着いたヒロシマ。アメリー家の花火でたくさんの人が亡くなった街。
リュウジィにとっては、悲しい思い出の詰まった町です。リュウジィはアメリー家の職業喧嘩人が持っている認識票を
2つ胸に下げています。ひとつはリュウジィのもうひとつは、リュウジィの戦友だったヒロジィのものです。本当は、ヒ
ロジィの親族に渡すハズの認識票は、今もリュウジィの胸で眠っています・・・
かつて、リュウジィと一緒にアメリー家に居候をしていたヒロジィは、リュウジィやヤマジィと一緒にアメリー家の職
業喧嘩人として、第二次町内大喧嘩に参加しました。一緒に居候をしていた親族を人質にとられたリュウジィやヒロジィ
達は町内大喧嘩の間、闘って戦って戦い抜いて、何人も何人も親族を失いながら戦い続けたのです。ニッテイジィさんと
の喧嘩にも参加しています。
・・・・・
或るユーロ町内での喧嘩場において、
「なぁ、リュウ」
「どうしたヒロ」
「ん、もし俺が死んだら・・・」
「何を言いだすんだヒロ」
「いや、もしもだよ」
「ヒロ!」
「聞け!リュウ!」
その喧嘩は、凄まじい激戦でした前日の喧嘩で、ヒロジィやリュウジィの親族は100人以上の死者をだしたものの敵の
砦を突破したのです。明日は、孤立した大隊残存兵を救出するため、突撃を敢行します。敵はナッチ会ではなく、アーリ
アジィが率いる国防職業喧嘩人です。かれらも町を守るために必死の戦いを続けています。武器は彼らの方が優秀です。
リュウジィ達は、補給もままならない状況で大隊残存兵の救出を命じられています。
ヒロジィの迫力に、リュウジィが押し黙ってしまいます。
ヒロジィは、認識票を見せながら言い継ぎます。
「これをさ、ニホン町に残した家族に届けてくれ」
「ヒロ・・・」
「ニホン家に残してきた家族だ。親父やお袋がまだ居る筈なんだ」
「わかった。でもなヒロ」
「ん」
「おれが死んだら、お前が俺の認識票を届けてくれるか」
「あぁ、届けてやる」
「頼んだぜ」
時を待っていたかのように、ヤマジィの支援花火が撃ちあがります。突撃開始の合図です。これに応じて、アリーアジィ
の反撃花火が近くで弾けます。
「おぉ。そろそろ行くか」
「あぁ、行くか」
突撃開始! ヒロジィとリュウジィに率いられた喧嘩歩兵は、喧嘩場を駆け抜けます。アーリアジィの効力射が容赦無く
親族を肉の破片に引き裂いていきます。まだ、少し花火の精度が悪く、効力射が少ないマカローニジィの部隊を叩きなが
ら突破をはかります。
・・・・・
確かに戦闘には勝利し、目的である大隊残存兵救出には成功しました。救出できた兵隊211名。リュウジィ達が失った
親族800名・・・喧嘩場における冷たい現実がそこに横たわっています。リュウジィやヤマジィは生き残ったのですが、
ヒロジィは撤退を支援するアーリアジィの花火に顔半分を吹き飛ばされて亡くなりました。
・・・・・
そして暑い夏の日
ヒロジィの認識票は、届ける先を失ったのです・・・
解説
Unknown_J
投稿日: 02/08/06 12:45 ID:wqnirOUF
ども、Unknown_Jです。もしお目汚しであれば(以下略)<そういえば前回に入ってないなぁ
夏が来ました。夏が来ると思い出すシリーズです。日系2世部隊による突撃は、アーリア家やゲルマッハ家にとっても
恐怖だったようです。収容所に収監された家族を守るため、逃げることもできず、前に進んで相手を倒せれば家族が助か
る、そんな彼らは負けることが許されない戦いでした。少なくとも負けた戦闘で生きていることは認められなかったと言
われています。イオウジマの喧嘩場では、ニッテイジィと直接戦闘も発生したようです。
”郷に入りては郷に従え”居候になった家で日系の人は、この格言のままにその家を愛しその家で生きようとした移民
はいなかったのでは無いでしょうか?
よくニホン家の人は愛国心が無いと言います。それは、愛国心が無いのではなく、自分が愛する国をこの国にいる限り
愛していることを知らなくても生きていける幸せな思いに包まれている国がこのニホンだからでは無いでしょうか?この
国に住んでいると、この国がどんなに幸せな国であるか、この国に住めることが恵まれたことであるか、知ることは非常
に難しいのでは無いでしょうか?
最近、海外移住者が増えているようです。かれらは、今も、”郷に入りては、郷に従え”を実践しているようです・・
ソースは、日系二世部隊の所属にヒロシマ、ヤマグチ、オキナワの出身者が多いとの話から創りました。
ほとんどは創作なので、こまかなソースは探してみてください。
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