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第1236話 KAMON ◆wzJSYC0I 投稿日: 02/09/27 21:16 ID:caEX0NHL
「家なき子ポーラ 後日談」

(前回までのあらすじ)
ユーロ町の大地主たちの間にもまれ、いつしか両親と離ればなれになってしまったポーラちゃん。
ポーラちゃんを何とかうちへ帰してあげたい。
ウラジオ孤児院の人たちの願いを、ニッテイさんは聞き入れ、部下を叱咤してルートを確保します。
その際一時的に日ノ本家へ預かりの身となったポーラちゃんは、ニッテイさんの孫娘ニホンちゃんと親友になります。
が、楽しい日々も長くは続かず、ポーラちゃんは日ノ本家の親切を胸に、ニホンちゃんに別れを告げてうちへ戻っていきます。

それから数年後、ポーラちゃんたちは、幼稚園に通うようになっていました。
が、ポーラちゃんのクラスで番を張っていたのは、ゲルマッハ君。
今でこそクールな彼ですが、当時はおじいさんの影響で荒れていたのです。
非力なポーラちゃんは、いつもゲルマッハ君にこき使われていました。
しかし、そんな彼女もついに堪忍袋の緒が切れ、ゲルマッハ君に反抗しました。

「もうやだ! ゲルの言うことなんかもうきかない!」
無論、ゲルマッハ君もこれを黙って聞いているわけはありません。
「なんだと? お前、俺に逆らう気か?」
「ポーラはあんたの子分じゃないもん!」
「貴様、ポーラのくせに生意気だぞ! お前なんかこうしてやる!」
ゲルマッハ君はポーラちゃんに殴ったり蹴ったり。
ポーラちゃんはそれでも一歩も引きませんでしたが、力の差は歴然としていました。

すると、ゲルマッハ君の後ろから大きな影が。
振り返ってみると、無骨な顔の老人が立っています。
「こら! 女の子を苛めるとは何事じゃ!」
「何を! 貴様、俺がこのゲルマッハ・ドイッチェラントと知ってて言ってるのか!」
ゲルマッハ君も黙ってはいません。彼のおじいさんは、当時ユーロ町を恐怖の渦に陥れた暴力団の組長で、ユーロ町で彼の名を聞いて震え上がらぬものはいません。
「ほう・・・ドイッチェラントさんとこの子か。
その子は訳あってうちで面倒見ている子じゃ。この子を苛めるものは許すわけにはいかん!」
「いいのかお前、妙なまねしたら爺ちゃんに言いつけるぞ!」
「わしはその君の爺ちゃんと友達なんじゃよ。」
「もしかしてお前は・・・」
そう。彼はニッテイさんでした。いつもは好き勝手に暴れている彼ですが、日ノ本家の人間にだけは手を出してはいけないとおじいさんからきつく言われています。
「え、へへへ・・・ご、ごめんなさーーーーーーーい!」
ゲルマッハ君は苦笑いすると、脱兎のごとく走り去っていきました。

「えぐっ、えぐっ・・・」
満身創痍でうずくまっているポーラちゃんを、ニッテイさんはそっと抱き上げました。
「ど・・・どうもありがとう・・・」
「よく頑張ったね・・・よしよし。今度また何かあったらわしに言いなさい。」
その後もたびたび彼女はゲルマッハ君に苛められましたが、そのたびにニッテイさんは彼女を守りました。

更に時は流れ、つい最近のこと。
ポーラちゃんとその両親が、歌と踊りを披露しに日ノ本家へやってきました。
歌も踊りも幽玄で美しく、ニホンちゃんたちはうっとりしてしまいました。
「約束がずいぶん遅れちゃったね」
「ううん。とっても楽しかった。」
「ニッテイおじいさまにも見せたかったなあ・・・」
「きっとどこかで見て手くれてるよ。」
「あたし、あのときのことは一生忘れないからね。」
「ありがとう・・・あのね?」
「うん?」
「私たち・・・友達だよね?」
「うん・・・これからもずっとね・・・」
ニホンちゃんとポーラちゃんの友情は、ちょっと目立ちませんが、これからも続きそうです。



解説 KAMON ◆wzJSYC0I 投稿日: 02/09/27 21:21 ID:caEX0NHL
KAMONです。 ポーラちゃん3部作、ついに完結! 嗚呼長かった。

例のFlashと、ニーさんのポーラたんにベタ惚れして勢いで書きました。
薄幸の美少女っていいっすねえ(笑

今回、更にここも参考にしました。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h12/jog142.html

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