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第1240話 はじめてです 投稿日: 02/09/30 01:22 ID:PZ7R9ADY
ロシアノビッチくんはプーチン父さんとニホンちゃんの家に向かっています。
妹のシベリアちゃんについて、ニホンちゃんとパパにお願いに行くのです。
シベリアちゃんは色白で凍り付くような美しさですが、人間嫌いで、笑顔ひとつ見せたことのない女の子でした。
暑がりで人嫌いのシベリアちゃんは、家族とは別に涼しい離れで暮らしているのです。離れの名前は『らーげり』。

ロシアノビッチくんの家は広いので、シベリアちゃんの為に、ご町内で最も長い『動く歩道』を作ったりもしました。
また、ロシアノビッチくんの家では、反抗的な使用人がいると、シベリアちゃんの居る『らーげり』で働かせることにしていました。
どんな使用人でも寒さと冷たい雰囲気に参ってしまうのです。時々はそのまま行方不明になってしまう者も居ましたがね。
おかげで『らーげり』へ廻されるのを恐れて使用人は愚痴ひとつこぼさなくなりました。
陰で『ろしあじょーく』という笑話をひそひそ囁くのを除いて。

ロシアノビッチくんの家の経済状況を考えるとシベリアちゃんをこのままにしておけません。
穢れを知らぬ美少女であるだけでなく、
知能テストの結果、シベリアちゃんの中には豊かな才能も眠っていることが判ったのです。
とはいえ、シベリアちゃんに注ぎ込むお金もない上、人嫌いのままではその美しさも才能も宝の持ち腐れです。
そこでロシアノビッチくんの家では、シベリアちゃんの才能を開花させるため、心もお財布も暖かいニホンちゃんの家にお願いに行くのでした。

東門を出たところでロシアノビッチくんは隣の廃屋から声を掛けられました。
よく見ると廃屋ではなく、カンコくんの家の離れであり、声を掛けてきたのはキッチョムくんでした。
「エヘヘ、ニホンちゃんの家に行くならボクの事も宜しく言ってほしいニダ」
普段の付き合いも有ることですから「分かったよ」と答えましたが、
『引きこもりで犯罪者予備軍のお前とウチの妹を一緒にするなよ』
と心の中で悪態をつくロシアノビッチくんでした。

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