連続ドラマ小説「ニホンちゃん」第1312話「ウリナラの海」　作：ab-pro

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第1312話 ab-pro 投稿日： 02/12/01 21:06 ID:IakkOnA2: 　「ウリナラの海は、ウリナラが守るニダ！
　ファルコン号、行くニダ！！」
　本人は至って真面目なカンコ君は、今日は整斉とした号令を
かけつつ、家の東隣に広がる海辺で犬の訓練を行っています。
　最近は何とか近所の寄り合いにも顔を出す事が多くなったお
隣のキッチョム兄さんですが、最近もまた西の海でボートをカ
ンコ君の家の方に侵入させたりと、カンコ君はおちおち気を抜
く事も出来ないのです。
　「東海の備えは万全ニダ」
　犬の訓練もどうやら順調なようで、得意げなカンコ君。
　その東海の遙か沖の方で幾隻かのボートが見えました。望遠
鏡でよく見てみると、アメリー家と日之本家の旗を掲げたボー
トが一緒になって遊んでいるのが確認出来ます。
　ちょうどその時、カンコ君の携帯が鳴りました。相手はアメ
リー君です。
　「おお、カンコか。今から日本海でニホンちゃんと一緒にボ
ートや犬の調教の訓練するからな。おまえの家には迷惑かから
ないとは思うけど、一様連絡しとくな」
　「分かったニダ。”東海”でやるニダね」
　一気に先ほどの得意げな顔が凍り付いたカンコ君の返事です
が、残念ながらカンコ君（ついでにアメリー君）の携帯では相
手に表情までは伝わりません。
　「そうそう、日本海だ。それじゃあまたな！」ガチャン
　ツーツーツーと言う電子音を残す携帯電話を凝固したまま凝
視するカンコ君。
　しかし一瞬後には、猛然と顔をキムチ色にしてニホンちゃん
の携帯番号をプッシュしていました。

「はい、」
　・・サクラです、と電話を受けたニホンちゃんが応える間も
なく、カンコ君恒例の大罵声が受話器から響き渡りました。
　「やいニホン！”東海”でアメリーと遊ぶんなら何でウリに
一言断りを入れないニダ！！」
　猛然と「東海」と言う言葉にアクセントを込めるカンコ君で
すが、しかしです！！
　「・・ええと、”日本海”での訓練の事なら、事前に連絡して
たと思うけど。日本海での訓練だけど、カンコ君には迷惑かけ
ないように気を付けるから、安心して。
　それじゃ、アメリー君が待ってるから、またね」
　何と、ニホンちゃんも、態度は非常に柔らかいものの、明確
に「日本海」にアクセントを付けて電話を切ってしまったので
す！　
　切れてしまった電話を握りしめ、今度こそ完全に凍り付いた
カンコ君のもとに、カンコ君のアボジがものすごい勢いで駆け
つけてきました。
　「カンコ！大変だ。ついにチョッパリが動いたニダ！
　ウリナラも急いで対策を考えなければならないニダ！！
　何と言っても今度の相手は強敵ニダ」
　これまたあたふたと慌てるアポジの手には幾枚かの紙束が握り
しめられています。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成１４年１０月２日付
宛　日本国官房副長官
内閣府、各省庁事務次官
警察庁、宮内庁、金融庁、海保　各長官
国土地理院長
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　発　外務事務次官
　　　　　　　　　　　　　　文書要約
　韓国が主張する「東海」という呼称を正当化する証拠は一切存
在せず、歴史的に見て日本海という呼称の正当性は揺るぎない。
　・・証拠の列挙・・
　以後は韓国の主張に惑わされぬよう、各省庁に要請します。　

　一端、動き出したら止まらない、日本官僚団の文書を見せられた
カンコ君は、いつもの哀愁漂う絶叫をあげるしかありません。
　「アイーゴー！！」
解説 ab-pro 投稿日： 02/12/01 21:13 ID:IakkOnA2: 　数ヶ月ぶりに帰ってきました！
　ネタはちょっと古いかもしれませんが、ついに自己主張をは
じめた外務省の文書に、日本海での日米合同訓練と韓国の護国
訓練を絡めてみました。
　ニホンちゃんがんばれ！！