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第1516話 名無しさん 投稿日: 03/05/09 13:10 ID:HBPdNvI0
「レジスタンス」
 アメリー5、キュート・ビート・クラブバンドと次々と人気バンドが話題となる
なか一人静かに対抗意識を燃やす人がいました。カンコ君、ではなくチューゴ君で
した。実はかなり音楽好きである彼、自分もバンドを組んでみようと考えました。
ってエリザベスちゃんと一緒かい!
 「で、わたしたちを呼んだアルか」
 シャンハイの部屋で香ちゃんとマカオ君がチューゴ君に言いました。
 「そうアル、我々もバンドを組むアルよ」
 キーボードをぽんぽんと叩きながらチューゴ君が二人に言います。
 「別にいいアルよ。面白そうだし」
 「僕も。麻雀ばかりやってると先生怒るし」
 二人共口ではそう言いますが内心楽しそうです。彼等も音楽には目がないのです。
 「で兄さんグループ名はどうするアル?」
 「そうアル、格好良いのないアルか?」
 「あるアル」
 不敵に笑いました。すっと懐から一枚の紙を取り出しました。
 「これアル」
 「それでいいと思うアル」
 「うん、申し分ないアル」
 そのグループ名は『テーエムエヌ』といいました。
初ライブに向けて練習を重ねる三人、特にチューゴ君はいつものクールさは
何処へやら、作詞、作曲までこなしおお張り切りです。連日寝る間も惜しんだ
その熱意、立派です。けど少し無理をし過ぎたようです。
 ライブ前日になってチューゴ君風邪をひいてしまいました。39度をこえ立
っているのさえやっとです。
 「兄さん大丈夫アルか?」
 「無理したら駄目アル、明日のライブは延期するアル」
 二人は兄を気遣いますがチューゴ君は首を横に振りました。
 「心配無用アル。これしきの風邪なんともないアルよ」
 「けど・・・」
 「・・・・・・心配無用アル」
 兄の熱意に二人は折れました。薬で風邪を抑えるとヤクルトをごくごくと飲
み干しベッドに入りました。そして待ちに待ったコンサートです。
 コンサートは成功でした。普段の彼からは予想だにしないポップな曲が好評
で『テーエムエヌ』はたちまち人気バンドの一つになりました。
 「これが我が家の実力アル・・・」
 コンサート終了直後チューゴ君は倒れ病院に担ぎ込まれました。意識も朦朧
としていましたが顔は満足気に笑っていました。

解説 名無しさん 投稿日: 03/05/09 13:15 ID:HBPdNvI0
 ソースはTMNがSARSで中国ライブを中止した話です。チューゴ君メイン
は今まで書いてなかったな、と今気付きました。

 ちなみに今日はもう一作あります。

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