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第1638話 83(初投稿)・1/5 投稿日: 03/08/30 18:48 ID:HoKMwl5Y
朝のニホン家。なにやら騒がしい様子です。
おやおや。いつものようにウヨ君とアサヒちゃんが口論してますね。
この口論、ことの始まりは、前の日にチューゴ君が
「いいかげんにキッチョムを社会復帰させるアル。
 ボクの家で集まって話し合いをすることに決めたから、
 みんな明日はちゃんと集まるアルよ」
と提案したことがきっかけです。普段引きこもっている上に
ニホンちゃんが電話しても全く相手にしてくれないキッチョム君と
直接話す機会が得られるということで、ニホンちゃんはこれを機に
以前キッチョム君が盗んでいったお人形セットを返してもらうように
頼もうと思っていたのですが・・・
「姉さん、今日という今日は取り戻してきなよ!」
「何度言ったら分かるのよ、取り戻すより先に
 謝ってしまう方がいいに決まってるでしょ!」
「うるさい!泥棒から自分のものを取り戻して何が悪いんだ!」
「あ〜〜もう!二人とも喧嘩しないの〜!とにかくいってくるね!」
そして、チューゴ君宅。集まったのは、ニホンちゃんとご近所の
ロシアノビッチ君、「クラスの風紀委員」を自称するアメリー君、
キッチョム君の弟カンコ君、今日の幹事のチューゴ君、そして
当事者のキッチョム君の計6人。チューゴ君、わざわざ6角形の豪華な
テーブルを用意してくれたあたり、いいだしっぺのプライドが
垣間見えます。
「今日はわざわざ集まってくれてすまないアル。本題に入る前に、
 まずみんなの意見を一言ずつ聞いておきたいアル」
チューゴ君の司会を受けて、先陣を切って話しはじめたのはアメリー君。
「キッチョム、お前ナイフ隠し持ってるだろ。そんなものは
 危ないから持ってちゃいけない。・・・まあ、とりあえず
 僕がいっておきたいのはこれだけだ」
この発言で一気に顔をしかめたキッチョム君を尻目に、次はその隣に
座ったニホンちゃんの番です。
「えっと・・・ナイフもってるのはやっぱしあぶないよ・・・
 それとね、いいかげんにお人形・・・返してほしいんだけどなあ」
「また『もう終わった話題』を蒸し返すニダか!いいかげんにシル!」
ボソボソっとニホンちゃんが言い終わらないうちに、キッチョム君の
怒号が飛びます。しかし、チューゴ君が怒号の主をキッと睨むと
再び黙り込んでしまいました。そして、次に立ち上がったのは
ウォッカ片手に赤ら顔のロシアノビッチ君。
「まあ、あれだ。キッチョム。お前もいいかげん立ち直れよ。
 ニホンの人形もいいかげん返してやれや。」
当事者の兄弟、カンコ君も続きます。
「兄さん、いいかげんに表に出るニダ。こうして皆も心配して
 くれてるし、第一ウリと兄さんが力をあわせればアジア町で
 邪魔者を蹴散らして『再び』トップにのし上がれるニダ!」
・・・一瞬、チューゴ君の目が怪しく光ったような気がします。
最後にそのチューゴ君の番です。
「まあ、こうやって集まったからには有意義な話し合いにするアル。
 僕は議長なので今回は意見は差し控えておくアル。
 それでは本題。引き篭もり改善の前に、キッチョムが持ってるん
 じゃないかと噂になってる『ナイフ』について確認しときたいアル。
 町の平和のためにも、無駄に凶器を持つような事はなるべく避けたいアル。
 キッチョム、それについてはどう考えてるアルか?」
「それは」「ちょっと待てよ」
キッチョム君が発言しようとするのを抑えてアメリー君が話し始めます。
「キッチョム、ナイフ持ってるのは分かってるんだからさ、
 おとなしく差し出してもう手に入れたりしないって皆と約束しろよ。
 そうすれば皆だって安心してお前とつきあえるんだ。町の安全の
 ためにも、お前は協力すべきだと思う。」
「何言ってるニダ!お前はウリを苛めようとしているだけニダ!
 お前のほうこそ何が自称風紀委員ニダか?いじめっ子が風紀委員とは
 カン違いも甚だしいニダ!ウェー、ハッハッハ。大体ニホンもニホンニダ、
 こんなカン違いとつるんでウリを苛める圧殺策動に乗っかってるニダ。
 それにニホンはウリが庭に浮かべてたマンギョンボンがニホン家側に行くのを
 ことごとく邪魔してるニダ、第一ニホンは・・・」
5分でしょうか10分でしょうか、気がついたら延々とニホンちゃんに
ついての文句を垂れ流すキッチョム君。さすがにスレ違い・・・
じゃなかった筋違いと気付いたチューゴ君が「いいかげんにするアル」
と制するまで続き、今回あんまりこの話し合いに重要性を感じてない
ロシアノビッチ君は半分夢見心地です。
「とにかく!ウリはナイフなど持ってないニダ!町の平和を乱してるのは
アメリーとその子分どもニダ!あんましウダウダ言ってるとしまいには
『実はナイフ隠し持ってる』ってバラしちまうニダよ!?」
一同(いや、つーことは持ってるんじゃねーか・・・)
その後も、誰かが発言してはキッチョム君がいちゃもんをつける、
それをチューゴ君が諌める、という流れが続き、そろそろおひらきの時間も
迫ってきました。ポーカーフェイスが売りのチューゴ君も、さすがに
眉毛がピクピクしてるのが誰の目にも(キッチョム君除く)明らかです。
そんな時・・・
「だ、だからね、ナイフのこともお人形のことも、まずはキッチョム君が
 みんなに打ち解けようとすることからはじめていけば・・・」
「ファビョーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
 ニホンは黙ってろとさっきから言っているニダ!ニホンは黙っておもちゃとか
 お菓子とかをウリに差し出してりゃいいニダ!
 もういいニダ!こんな話し合いには興味も期待も持てないニダ!
 も   う   帰   る   ニ   ダ  !」
ガタン!と勢い良く席を立ち、キッチョム君は帰っていきました。
もちろん、話し合い用にチューゴ君がテーブルの上に置いておいた
お菓子を詰め込めるだけポケットに詰め込んで。
折角話し合いをセットしたチューゴ君、しかも面子を重んじる彼が
今回完璧に面子をつぶされたとあって、ポーカーフェイスはどこへやら、
もはや拳が震えています。
「か・・・帰っちゃったケド・・・どうしようか・・・」
「どうするも何も、当人が居ないんじゃどうしようもないよな。」
「まあ、アメリー、お前煽り過ぎだったな。引き篭もり相手に
 少々キツ過ぎたんじゃないか? それはそうとチューゴ、この後
 どうするんだ? ・・・おい、チューゴ?」
「チューゴ君・・・兄が迷惑かけたニダ、すまんニダ・・・。
 ・・・それもこれも全部ニホンが悪いニダ!ニホンが余計なことしなけりゃ
 兄さんは立ち直れたニダ!謝罪とはんせ」
「おい、カンコ」
「? 何ニダか?」
「・・・あした」
「へ?」
「明日の放課後、体育館裏へ来るアル。『おもてなし』したいアル。」
「あ・・・あ・・・アイゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

             完

解説 83(初投稿)・あとがき 投稿日: 03/08/30 18:52 ID:HoKMwl5Y
まとめサイトで1000話位まで読んだことはありましたが、
書くのは初めてなので違和感があったらごめんなさい。

あと、6カ国協議の詳細はリサーチ不足だし、北朝鮮は別に
途中で席を立ったわけではないとこもまだまだでした。
家に帰ったニホンちゃんが、夜中に「妖刀・村正」で素振りをしているのを
ウヨ君が目撃したそうな・・・

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