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第1682話
名無しさん ◆O4x3A1GrPw
投稿日: 03/10/15 19:48 ID:r2B5GDNQ
「スパイス」
今日ニホンちゃんはフラメンコ先生の家に呼ばれています。先生が手料理をご馳走
してくれるのです。彼女の他にはイン堂君とポルとガルちゃんがいます。
「どうかしら、美味しい?」
若鶏の大蒜炒めを口にするニホンちゃんに笑顔で尋ねます。こうして見るとやっぱり
綺麗な人です。紅いロングスカートが似合ってます。
「はい、とても」
ニホンちゃんも笑顔で答えます。お世辞ではなく本当に美味しいです。
「胡椒もよく効いてるし」
切ったところから肉汁が溢れ出ています。オリーブ油の香りがさらに食欲を促します。
「嬉しいわ、先生胡椒が大好きなのよね」
「え、そうなんですか?」
「先生の家じゃ胡椒は昔とても高かったのよ」
先生はそう言って微笑みました。
「嘘、胡椒が!?」
ニホンちゃんはびっくりしました。普段何気なく使っている胡椒が高かったなんて。
「それは本当だよ、ニホンちゃん」
イン堂君が言いました。
「欧州丁は寒いからね。胡椒はなかなか育たないんだ」
「そうなのれす、胡椒は昔とても高かったのれす」
「それを欧州丁に売って大儲けしたのがうちなのれす」
ポルとガルちゃんが言いました。
二人は昔胡椒を手に入れる為イン堂君家に行っていたのです。そこで安い胡椒を買って
欧州丁の皆に滅茶苦茶ふっかけて売っていたのです。これで二人は大金持ちになりました。
「けど何でそんなに高く売れたの?」
「欧州丁はお肉をよく食べるかられす。お肉の匂いを消すのに胡椒は欠かせないのれす」
「イン堂さん家はとても遠かったれす。そしてとても危なかったのれす」
大西池から船ではるばる行くのです。それはそれは危険な道です。
「歩いては無理だったの?」
「お金と時間が船よりずっとかかるのれす」
「それにイン堂さん家までの道はトル子さん家が塞いでました」
当時アラブ丁を占めていたのはオスマンおじいさん、饅頭屋なのに何故か胡椒まで取り
扱っていたのです。しかもイン堂君家へのツアーを独占していました。
「だからトル子ちゃん家の料理はあんなにスパイス使うんだあ」
「彼女の家は香辛料には困らないからね。けど香辛料といえばやっぱり僕の家だよ。
ね、二人共」
イン堂君は笑ってそう言うとポルとガルちゃんにウインクしました。
「おかげでもうかりました」
「イン堂さんには感謝しているれす」
「ふふふ、いいよ感謝なんて。じゃあ今から僕がスパイスをふんだんに使った料理を
皆にご馳走してあげるよ」
「あら、それは楽しみね」
先生が微笑みました。
「イン堂君、メニューは何?」
「はい、これとあれとそれとこれとそれとあれとこれとあれとそれを使って・・・・・・」
次々とスパイスを出していきます。何やらすごく手の込んだ料理みたいです。
「そしてその料理は・・・!?」
「カレー」
「結局それなのね・・・」
予想通りの展開に呆れながらもカレーに舌づつみを打つ一同でした。
解説
名無しさん ◆O4x3A1GrPw
投稿日: 03/10/15 19:52 ID:r2B5GDNQ
今回は歴史もの。胡椒のお話。
ttp://www.interq.or.jp/red/chuta/gss/txt/4.html
スペインの料理はこちら。
ttp://www.disseny.jp/kimama/recipe/top.html
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