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第1764話
有閑工房 ◆WOaKOSQONw
投稿日: 04/02/20 09:50 ID:aJgMsJll
『進め なまけもの』
アジア地区の子供たちは優等生と集り屋の2名を除いて総じて裕福じゃありません。学校に通う子
供を持つ家庭はその辺切実です。それなもんだから学校も授業料免除やら余裕のあるお家からの
ODA賃とかでなるたけ公平に学校生活が送れるように心を砕いています。
しかし勿論貰える金額に差があるのが世情というもの。その辺が問題になることだって感謝される
ことだってあります。お金を出す側が強いのはどこだって一緒ですしね。
「ニホンちゃん…」
熱い眼差しでニホンちゃんを見つめるのはベトナちゃんです。
「な、何かな?あはははは…」
アジア地区でこういう熱視線を浴びると、お財布の中が寒くなるのを身に沁みて知っているニホン
ちゃんは少し頬が引き攣り、笑い声も心なしか乾いています。
ベトナちゃんはその辺を察したのでしょうか、彼女なりにニホンちゃんの警戒心を解こうと努力します。
それが伝わったかは別問題でしょうけど…
「大丈夫だよ。今日はお礼を言おうと思って…。」
「お礼?」
「うん。『億手でダンディな足長おじさん基金』でニホンちゃんがわたしに一番援助してくれてるでしょ?」
「そう、なの?いろんなところにやってるから良くわかんないの。」
「『教師にとっては生徒の一人でも、生徒にとっては先生は一人なんだぜ』ってニホンちゃんのところの
偉い先生が言ってるじゃない。ニホンちゃんはそれでいいんだよ。とにかくお礼言わせてね。ありがとう
ニホンちゃん。」
「いや、そえは五流大出の何某って先生…つかベトナちゃんなんで知ってるかなあ。まあいいや、私は
できる事やってるだけだから別にいいんだよ。ベトナちゃんが喜んでくれるんだったら尚更だもん。」
他愛もなくニホンちゃんは喜んでしまいましたが、教室の中でキュピーンと光る目が軽く2ダースあった
ことには気がつかないみたいです。
「ニホンちゃーん、うちで電気の配線工事やってよーぉーん。電線が焼き切れそうで困ってるのぉー。」
猫撫で声で近付いてきたのはネシアちゃん。しかし目の色は灼熱の太陽のようにぎらついています。
「最近体の調子が悪くってさあ…ああ、別に気にしないで、すぐ直ると思うから…。でもね、できれば自分
で治療するやり方知ってたらどれだけ周りに迷惑かけないか…。わかるよね、ニホンちゃんなら。」
したり顔でカンボジア君が近付いてきます。普段のダルさはどこに仕舞い込んだんでしょうね。
「あ、ネシアのところで電気工事するんなら、ついでにうちもやってくれないかなあ?夜勉強してたら
明かりが暗くなって困ってるんだよね。」
さりげに押し付けてくるのは永久不改善がトレードマークのフィリピノ君。予防線を張るのは一種の
処世術でしょうか?
そんなこんなで集られているうちにアフリカ班やEU班の子供たちがニホンちゃんの周りに集まり始め
ます。
「ニホン、そういえば朕の家の朝貢代削るとか言っているらしいアルな。その辺考え直したほうがいい
と思うアル。何せ家にエスカレーター作る時にやっぱり考える要素になっているアルしなフフフフフフ…」
「ウリは文化開放を積極的に進めて仕方なしにニホンの作ったものも認めているニダ。ニホンはウリ
の努力を認めてもっとお小遣いよこすニダ!これはニッテ(tbs)
ニホンちゃんの周りは餓鬼の地獄と化し、ニホンちゃんももういっぱいいっぱいです。
「ふえええええーーーん!みんな自分で何とかしなよぉー…」
解説
有閑工房 ◆WOaKOSQONw
投稿日: 04/02/20 10:04 ID:aJgMsJll
解説・改革・おんぶに抱っこ
※ ODA(政府開発援助基金)のお話をば。日本の援助の中心はインフラ整備。例えば道路、橋梁、電源
開発など。涙が出るほど地味です。それでもウリの萌えキャラベトゥナのところではおフランスや大中華
を差し置いて援助額10年連続トップだそうです。それについて先方からお礼と共に更なるおねだりも
頂いておるようで。ああ、喜んでいいのやらいけないのやらビミョーなところですね。
※ 台湾と海南島、日本とフィリピン、似たような地勢を持つ国や地域でも(台湾はウリの中では『国』)、
国民の教育レベル、統一国家としての歴史、時流の波及効果によって随分と差が出るものだなあと最近
しみじみ思います。改めて自分の暮らすニホンがいとおしくなる今日この頃。
※ あ、ウリがベトナムをよく引き合いに出すのは、キャラ萌えもありますが、中華圏で状況が似ている
からというのもありまつ。
思想・言語で支那に多大な影響を受け、近代に支配国家の影響(越:フランス、半島:日本)を受け、大戦
後に大きな戦争を経験し、他国の援助で経済成長を続ける。
大戦後にベトナムは漢字からアルファベットに、南韓は漢字からハングルに。共に中華圏からの脱出を
志し、それによって過去と現在の文化の断絶(昔の文献が判らない世代の増加)に直面する。状況は
似ているのに発露の仕方が全然違う。調べるほど面白いですよ、この比較は。
↓ソースASIAN
こうしてみると、アジア偏重の予算配分。民間企業の進出の足がかりを作っていたのだとか。援助国に
利権集団を生みやすい反面、生産基地の進出は、雇用と技術供与が被援助国にもたらされる所もある。
近年の教育関連への援助シフトは、被援助国の民度向上が目的のようですな。これってつまり
大東亜ky(TBS
↓ODA白書 2002年版
ttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/siryo/siryo_2/siryo_2f.html
↓おまけ 人気者の晋ちゃんが会談してたんだなあ。なんかこのHP色物っぽくてスキ(w
ttp://www2.s-abe.or.jp/modules/news/article.php?item_id=117
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