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第1775話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/03/05 00:03 ID:zhcV+VWY
                  「お気に召すまま」
 エリザベスちゃん家の人気のある作家としてシェークスピアという人がいます。
この人の作品はくすんだ世界でありながら実に味わい深くそれでいてウィットに
富んだものです。
「ベストセラーですのよ」
 この人の作品は町の皆が読んでいます。そして元々舞台用なので結構映画にも
なっています。
「例えば僕のオペラとか」
 まずはマカロニーノ君が名乗りをあげます。
「わたくしもですわよ」
 フランソワーズちゃんが乱入。
「けれどもわたくしは前衛劇にいたしますわね、今でしたら」
 フフン、と自慢げに笑います。
「そんなもの全然大したことじゃねーーな」
「そうアル、所詮文化といってもその程度アルか」
 ここでいつもの突っ込み要員二人が登場です。
「そんなものシェークスピアを完全に理解してるとは言えないな。
僕だったらお金をたっぷりかけて映画にしてみせるよ」
「手間をかけてやるのが正統アル。僕は米粒一つ一つに描いて
いくアルぞ」
 アメリー君とチューゴ君胸を張って言います。
「・・・・・・二人共、勘違いも甚だしいですわよ」
 それを聞いた当のエリザベスちゃんのコメント。
「フランソワーズの方がまだよろしいような。まあマカロニーノは
昔からですしカンツォーネにもしてるみたいですけど今一つですわね」
「じゃあどうしろって言うんだよ」
「芸術のわからない奴アル」
 二人の不満。
「ええい、いつもいつも突っ込みだけ入れますわね」
「確かにそうだな。エリザベス、君の芸術への視点はいささか狭いようだ」
 ここで『良識派』ゲルマッハ君登場です。
「あら、それでは貴方には何かお考えがありまして」
「僕を甘く見てもらっては困るな」
 何やら自信たっぷりです。
「それは何だい?まさか総合芸術オペラを超えるとでも?」
 マカロニーノ君も注目します。
「うむ、そうだ」
「それは!?」
 一同注目。
「君達は作品の表面しか見ていない。シェークスピアは登場人物の内面まで
見てこそ本当の価値がわかるのだ」
「確かにそうですわね」
 エリザベスちゃんそれに頷きます。
「ではそれは何ですの?」
 フランソワーズちゃんが尋ねます。
「そう、まずは行動様式を調べるんだ。そしてそれを数式化する。これこそ
本当の意味での理解であり芸術だ」
「・・・・・・それ芸術か?」
「御前のジョークではないアルな?」
「ジョーク?僕は真剣だぞ。それに僕はジョークは言わない主義だ」
「・・・・・・・・・」
 ヒュウウウウウウウウウウウウーーーーーー・・・・・・
 一同一気に氷河期に突入。
「・・・・・・フラメンコ先生に振っても牛と戦うだけですし」
 とりあえず最初に回復したエリザベスちゃん、話を戻そうとします。
「他に面白そうなのは・・・・・・」
 本題からはもう外れています。
「ニホンさんはどうですの?」
 たまたまそこを通り掛かったニホンちゃんに尋ねます。
「えっ、私!?」
 事情を聞いたニホンちゃん、考え込みます。
「う〜〜〜〜、そうだなあ・・・・・・」
 暫く考え込んでいました。しかしやがて顔をあげました。
「アニメにするかなあ。わたしだったら」
 オーソドックスに決めました。
「やはりそうきますの」
「うん、それがわたしには一番だと思うし。それに」
「それに・・・・・・!?」
 皆そこに突っ込みを入れます。
「本の読み方なんて人それぞれじゃない。誰が一番理解してるか
なんてどうでもいいんじゃないかな」
「あ・・・・・・」
 皆これにはカタルシス。
「そうでしたわね、わたくしとしたことが」
「僕も。何だか今回はオペラとかで変に突っ張っちゃったな」
「わたくしとしたことが。まだまだ芸術への修業が足りませんでしたわ」
「映画にするだけじゃ駄目だな」
「変にこだわる必要もないアル」
「数式にするとかいう問題ではないな」
 皆うんうん、と頷きます。これはニホンちゃんに一本取られた形です。
けれど妙に納得していました。かくしてまた一つ賢くなった一同でした。

 ところで例の彼は。
「フン、シェークスピアを一番よく理解しているのはウリニダ!」
 何故ですか?
「シェークスピアはウリナラの人間だからニダ!」
 後日エリザベス家からダブルオーの人達がカンコ家へ向かったそうです。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/03/05 00:07 ID:zhcV+VWY
 ジョークスレより。ニュー速からの転載らしいですが。
シェークスピアを一番理解しているのはどの国か、というわけで
各国それぞれが得意とする分野でシェークスピアを表現することになった。

アメリカは、数億ドルをかけて映画化した。
フランスは、前衛的な舞台を作り上げた。
日本は、アニメにした。
イタリアは、高らかなカンツォーネを歌った。
ドイツは、作品中の人物の行動様式を数式にしてみせた。
中国は、場面の一つ一つを米粒に描いた。
スペインは、何故かはわからないが牛と戦った。
韓国は、シェークスピアは韓国人であると論じた。
 
 面白かったのでネタにしてみました。
あとこれも。本来のソースはこちらになりますね。しかし消えていた
ので2ちゃんソースでご勘弁。
ttp://www.galstown.ne.jp/9/society/hanita/log/england.html
 2ちゃんソースはあれですが。
 マカロニーノ君のシェークスピアを扱ったオペラの資料。
ttp://opeope.qp.tc/opeope.html



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