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第1826話 名無し@三重県 投稿日: 04/04/09 12:28 ID:OXRnNstB
「ペンを持った天使」
(その1)
少し前のことです。
町内大喧嘩の時に、ニホンちゃんの家の杉原さんが紫苑ちゃんの親戚を大勢助けた
ということで「日之本のシンドラー」として話題になりました。
みんなにお家の人のことを誉められ、照れるニホンちゃん。丁度、目が合ったアサ
ヒちゃんに言いました。
「学級新聞に、杉原おじいちゃんのことを書いてくれるよね。ね、お願い。」
みんなの熱い視線を受けて、つい「まかせて」と言ったは良いが、日之本家を誉め
る記事なんて。さあ、どうするアサヒちゃん。

「ああ、日の丸の赤はアジアの人々の血の色、白は白骨の色。ニッテイに虐げられ
た人々の叫びが聴こえるわ。ニホンやウヨの代わりに私がどれだけ謝ってやってい
るか・・・こんな記事は出せない!キィィーー」
あらあら、いわんこっちゃ無い。
(その2)
と、ドアの隙間から督戦隊のように監視・・もとい、娘を心配して(ですよね?)
サヨックさんが覗いています。と、ドアを開けて声を掛けました。
「悩んでいるようだね。どれどれ。『ナッチ会(国家社会主義独労働者党)とロシ
アノ家による不可侵条約の秘密条項により分割されたポーランド家から逃げてきた
紫苑の家の人々は、日之本家の別荘に助けを求めました。杉原さんはロシアノ家か
ら立ち退きを要求されても、日之本家から帰宅命令が出ても、それに逆らってぎり
ぎりまでまで・・』ふ〜、成る程。こんな反革命的な記事は載せられないな。さよ、
解決のヒントは、メッシュヘアでウキウキ♪ だよ。」

次の日。
「わぁ、ありがとう。ちゃんと書いてくれたんだね。みんな、読むね。
えっと、『ナッチ会に侵されたポーランド家から逃げてきた紫苑の家の人々は、日
之本家の別荘に助けを求めました。杉原さんは日之本家から帰宅命令が出ても、そ
れに逆らってぎりぎりまで・・』」
(我ながら見事なスルーライフだわ。書いた事は事実のみ、書かれていない事があ
るだけで嘘は書いていない。造反有理。私はペンを持った天使(はぁと)。)
みんなから賞賛を受けるアサヒちゃんの眼鏡の奥が怪しく光ったのに気づいたのは、
みんなの輪から離れて一人寂しく座っていたアーリアちゃんだけでした。
おしまい。

解説 名無し@三重県 投稿日: 04/04/09 12:29 ID:OXRnNstB
参考
年表他
ttp://www007.upp.so-net.ne.jp/togo/dic/data/ww2_euro.html
ttp://www.ne.jp/asahi/masa/private/history/ww2/country/baruto.html
杉原千畝さん
ttp://www.chiunesugihara100.com/visa-unmei.htm
地図(ナチスから逃げて来た人だけなのか?東プロイセンとソ連占領地を抜けて?)
ttp://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Lake/2917/ussr/esatprussia.html

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