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第1834話 喪神の森 ◆fkG.pq.HHI 投稿日: 04/04/17 12:06 ID:qfivtpOL
タイワンちゃんと棒球テスト
 
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 ある日、学校で棒球試験の模擬テストがありました。
 この試験に合格しないと棒球カードの試合を取り仕切れないのです。
 さて、その日の夜の事です、タイワンちゃんからニホンちゃんに電話がありました。
『あ、もしもしニホンちゃん?』
 電話越しのタイワンちゃんの声。
 なんだか焦っているようでした。
「どうしたのタイワンちゃん?」
『あのね、今日のテストの問い1の事なんだけど、いんふぃーるどふらいの宣告………
の答えを教えて?』
「え、えっ?……あ、あのね、打者が、以下略、なの」
 ニホンちゃんは何だか拍子抜けしましたが、丁寧に答えます。
『ふんふん、ありがとうニホンちゃん!さすがだね。それで、問2の答えは?』
「え?あの、……でも、その、……わたしも間違えてるかもしれないよ?」
 ニホンちゃんはタイワンちゃんの勢いに押されっぱなしです。
 もっともいつもの事ですが。

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『大丈夫、ウチの棒球カードをやる時に一番大事な決め台詞は、ニホンちゃんのウチでは
こうだ!だから』
 やけに自信をもって断言するタイワンちゃん。
 ニホンちゃんは何だか余計に不安になります。
「え、でも、……そんな言い方でみんな納得してくれるの?」
『そりゃあもう、水戸黄○の印籠のように皆が地べたに額を擦りつけて、(後略)』
「いいのかな、……」
『うん、だから問2も教えて?』
 ニホンちゃんは何となく心にわだかまりを残しつつも、タイワンちゃんに聞かれたことを
懇切丁寧に答えました。
 すっかり話は長くなり、夜も白々明ける頃、ようやく一通り教えきりました。
 その日のニホンちゃんは、軍人垂涎の的、専用の称号が相応しい赤い瞳で登校する羽目に
なりました。
 当然、ニホンちゃんは通常の三倍のぼけっぷりを発揮しました。
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 それ以来、模擬テストの度にタイワンちゃんからの電話が鳴り続けました。
 熱心なのは良い事ですが、最近ニホンちゃんは疲れ気味です。
 みかねたウヨ君は姉のためにもタイワンちゃんの家に家庭教師を送る事にしました。
 そして、丁度、ニホンちゃんの家庭教師を辞めたばかりの柏○ 敏△さんにタイワンちゃん
の家庭教師を依頼すると「タイワンちゃんのためなら喜んで行く」との返事。
 ○木 △夫さんを家庭教師に迎えたタイワンちゃんは見事に棒球試験に合格しました。
 
 ただし、ニホンちゃんは度重なる睡眠不足の後遺症のせいか平均睡眠時間が、
ついに二桁に突入したそうです。


解説 喪神の森 ◆fkG.pq.HHI 投稿日: 04/04/17 12:08 ID:qfivtpOL

 ソースは週間ベースボール2004、4.5
 早分かり豆知識 台湾棒球 実録 台湾プロ野球史E

 内容の要約 台湾野球の黎明期、審判の判定をめぐるトラブル続出。
 台湾から日本に「今、○のことで揉めている。日本で似たようなケースがあったと思う。
どういう裁定を下したか調べて、電話かFAXして欲しい」
 と、私の元に何度か連絡があり、どう決着をつけたのか尋ねると
「あなたのFAXを片手に、私がグラウンドに出て”ただいま日本の権威ある所へこのプレー
について尋ねましたところ、過去の例をあげて次のような裁定を下したと伝えられました。
CPBLでも同様の判定で行きたいと思います”これが効果があって収まるんだ」とのこと。
 こうした事が重なったが、中にはマスコミを巻き込んで翌日まで尾を引くような事も起き、
台湾の要請「日本から審判を指導し、ジャッジできる人を派遣きぼん」
 で、セリーグの現場を引いたばかりの柏◇ △夫氏にオファー。
 同氏「台湾プロのためになるなら、喜んでいく」
 そこでセリーグからの派遣という形を取り、氏の加入により、多発していたトラブルは減少
 審判員たちにも落ち着きが見られるようになった。

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