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第1860話
有閑工房 ◆WOaKOSQONw
投稿日: 04/05/11 12:15 ID:plv/arfm
『路上のルール PART-1
さて、地球組のみんながまだ低学年だった頃、クラスの番長の座を巡って大喧嘩を
やらかしたことがありました。
当時はおじいちゃんたちが健在で、こちらも大町内会長の座を賭けて、町を真っ二つ
に割っての大喧嘩の真っ最中。シノギ、出入りがそこかしこで行われていました。子は
親の鏡(これはじいちゃん達ですが)とはよく言ったものです。
さてそんなカチコミ大合戦が終盤に差し掛かり、そろそろニッテイさんたち枢軸組が
連合組に圧されていた頃、小学校でもアメリー君たちがゲルマッハ兄妹グループをボコ
にし始めていました。
家族に倣って適当にゲルマッハ君に味方したマカロニーノ君、じっとしていればいい
のに天性のラテン気質が災いして、エジプト君とエリザベスちゃんに完全武装で立ち
向かったはいいのですが、逆に銀玉鉄砲で返り討ちに遭い、あまつさえゲルマッハ君に
尻拭いしてもらいました。
「オー!さすがはゲルマッハ君だ!ボクの救世主、メシア、救い主だよ!」
「礼をいう前に自分で何とかしろ。もういいから今日は帰ってくれ。」
ロシアノビッチ君に一発大喧嘩を仕掛けようと必死に準備していたときの出来事で、
実際はゲルマッハ君かなり迷惑です。
しかしマカロニーノ君の義侠心は止まる事を知りません。
気を取り直して手ぶらで歩いていたアテネちゃんに喧嘩を売り、お約束のように
返り討ちに遭ってまたもやゲルマッハ君に手助けされて難を逃れました。
またもや尻拭いをして、そうでなくても足を引っ張られているのにゲルマッハ君
珍しくキレ気味です。
「マカロニーノ、頼むから自分ちの守りを固めてくれ。それがベストだ。」
「わかった。一人じゃ大変かもしれないけどがんばれ。ボクは女の子たちを守る。」
ゲルマッハ君は一人のほうがどれだけ楽か知れないと思いましたが、顔には出しません
でした。動けば敵を増やし、あまつさえ助けを求めて取り縋ってくる。世間ではこういう
御仁を疫病神言います。
*
さてこちらは連合組の子供たち、アメリー君とエリザベスちゃんは息を殺して
シチリアの間に近付きます。
「アメリー、本当に大丈夫?ゲルマッハとアーリアが最近マカロニーノの所をうろうろ
してるとか言ってたけど…」
「ノープロ、ノープロ。リズも心配性だなあ、はっはっはっ。」
もう勝ち馬に乗っている気分なので、アメリー君饒舌です。かたやエリザベスちゃん
はちょっとふさぎ気味。それもそのはず、喧嘩のおっぱじめにニホンちゃんに大事な
ウェールズ王女のボートをあっさり沈められ、ビルマ君に寝返られ、タイラン君に袖に
され、マレーシア君に寝返られ、イン堂君はどっちつかず。アラー組の連中はゲルマッハ君
に拍手喝采、エジプト君には協力してもらったものの、一緒にとっちめたマカロニーノ君
は勝手に負けただけ、その後来たゲルマッハ君も何とか追い返したもののこっちも
ぼろぼろ。家のほうはナッチ叔父さんに連日花火をぶち込まれてしょっちゅうボヤ騒ぎ
を起こしています。
そのためエリザベスちゃん随分弱気、この喧嘩で唯一無傷のアメリー君の言いなりに
なってしまいました。プライドの高いエリザベスちゃんには屈辱以外の何物でも
ありませんが、アメリー君は大人達の勢いに乗って怖いものなしです。
「あー、あー、あー、こちらアルファ、ブラボーチームどうぞ。」ザッ
[こちらブラボー、準備OKだ。腐れ○○○どもに俺の○○○をいつでもファッ○できるぜ。]ザッ
新品のトランシーバーでアメリー君得意気に通信です。横のエリザベスちゃんは
パツキン君の宇宙語みたいな言葉に目をまん丸にしています。
「こちらアルファ、マカロニ娘はポイントMS-06Sでパンツを脱いでいる、ドーゾ」ザッ
[了解した。今からぶっといのを突っ込んでやる。]ザッ
「というわけさリズ。後は寝て待つだけ。」
「アメリー、今なんて言ってたの?」
「ああ、あれ?パパ達が言ってた真似だよ、なんかカッコいいだろ?」
『そうは思えないわ…意味わかってないのねアメリーも。でも絶対やらしいこと言って
たと思う。』
エリザベスちゃんなかなか鋭いですね。しかし二人ともそんな事はすぐにどうでも良く
なりました。
ひゅーーーーーーーん
…………
ぱんぱんぱんぱあぁぁぁん
「NOーーーーーーー!」
「いやぁーーーん、アメリーこれ何ーーーー!!」
パツキン君が飛ばしたロケット花火はあろうことかアメリー君たちに降り注ぎます。
シチリアの間でそれを遠目に見ていたゲルマッハ君とマカロニーノ君、ただただ呆れて
物が言えません。
慌てて物陰に飛び込んだアメリー君、マカロニーノ君ちの見取り図を眺めつつ、横で
泣いているエリザベスちゃんに背中を向けたまま頭をぽりぽり掻いています。
「ふえぇーーー、アメリー何とかしなさいよぉーー、わあっ!あついあつい!ちょっとぉ!
聞いてるの!?」
「リズ……落ち着いて聞いてほしい。」
「何をぉー!…ひっく…私もうお家かえるぅーー、もう怖いのいやぁ!」
「実はだ、この花火、撃ってるのはゲルマッハじゃない。」
「それじゃあマカロニーノやっつけなさいよ!」
「マカロニーノでもない。実はこれ、パツキンなんだ……」
「……え?」
「さっきあいつに言った花火打ち込む場所がだ、ここに撃てって俺言っちゃった…」
そう言うとアメリー君、「てへっ」と笑います。そこでエリザベスちゃんぶち切れです。
「かわいく言ってないで止めさせてよ!お洋服焦げちゃった、髪も焦げちゃったよ!」
「いやあ、さっきトランシーバーふんずけて壊れちゃった。」
「じゃあどうするのよ!」
「落ち着こう。とりあえずジュース飲む?」
「ジュースじゃないでしょうがぁーー!…あちちちち!」
結局どうすることもできず、花火を必死で避けながらシチリアの間の入り口でのたうち
まわる二人でした。
つづく
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