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第1866話
熱血君 ◆O4x3A1GrPw
投稿日: 04/05/16 02:58 ID:kUPtiDPx
「傾いた家」
カンコ家へ向かう一行。その前を黒猫が横切り鳥が糞を落としカラスの
鳴き声がギャアギャアと聞こえてきます。
「なんて不吉な出迎えだ・・・・・・」
行くのは五年地球組一行。皆とても嫌そうです。
「カンコの家って建て直しこれで何回目だ?」
まずアメリー君が言いました。
「数えてられないアルな」
チューゴ君の声は不機嫌そのものです。
「ヒック、折角家で一杯やろうとしてたのによ」
「わたくしも。お茶会の約束がありましたのに」
「エリザベスもですの!?わたくしもですわ」
皆不機嫌そのものです。学校から帰ったらいきなりカンコ君に呼び出された
のです。
「ねえニホンちゃん、バカンコの家ってこの前の親父さんが社長辞めるとか
いう騒ぎで潰れたんじゃないの!?」
タイワンちゃんが尋ねます。
「トンチャモンに直してもらったらしいよ」
「あの変なネコ型ロボットね。それで家族で選挙やってまた潰れたと」
「うん。蝋燭床に落としてまた燃えちゃったの」
「それはギャグでやっているのか?」
聞いていて呆れたアーリアちゃんの言葉です。
「ううん、本気」
「・・・・・・そうか」
そうこう言っている間に家に着きました。
「・・・・・・・・・」
家を一目見た皆は絶句します。何と最初から斜め上に傾いて
いるのです。
「・・・・・・超現実主義か?」
それを見たゲルマッハ君が一言。
「違うようですわね」
フランソワーズちゃんも目が点になっています。そこへカンコ君
がやって来ます。
「皆よく来てくれたニダ」
彼は新しい家にすっかり上機嫌です。
「・・・・・・なあカンコ」
皆を代表してアメリー君が声をかけます。
「何ニダ?」
「この家を見て何か不思議に思うところはないか?」
「?何処がニダ?」
彼は別に何処もおかしいとは思ってないようです。
「・・・・・・だったらいいんだけれどな」
「中に入るアルか」
チューゴ君の言葉に従い皆中に入ります。中もやはり傾いています。
「おい、今ミシッ、て嫌な音が鳴ったぞ」
「ロシアノビッチ君の身体が大きいだけニダ」
「やけに薄い壁ですわね」
「エリザベスの家は煉瓦ニダ。比べられたら困るニダ」
こんな感じで一行は家の中を進んでいきます。
さて一行は応接間にやって来ました。
「さあ、皆座るニダ」
ボヨヨン
部屋に足を踏み入れた最初の感触です。
「・・・・・・この床腐ってんの!?」
「タイワン、何を言うニダ!」
「クッションを入れているのですわね」
「ニダッハッハッハ、フランソワーズは無知ニダな」
「じゃあ何なのだ、早く言え」
アーリアちゃんが突っ込みを入れます。
「ウリナラの床ニダ。普通に作ったものニダ。けれど最新鋭ニダ」
「最新鋭はこういった時に使う言葉じゃねえぞ」
「大体土の床がこれだということは粘土アルか?」
アメリー君とチューゴ君の突っ込みはいつものケンチャナヨスルーです。
かくして家の何度目かの新築祝いがはじまりました。
「さあ皆どんどん食うニダ」
「また焼肉か」
「他には考えられないのか」
ゲルマッハ君とアーリアちゃんが毎度毎度の焼肉を見て言います。
「他に何があるニダ?」
「いや、だったらいいんだ、気にしないでくれ。食べるから」
何とも思わないカンコ君をスルーします。やがていつものメッコールや
キムチシェーキが出て来ました。
「まずい・・・・・・」
「それにしてもいい家ね」
「ふん、ニホンにもようやくウリナラ建築の素晴らしさがわかった
ニダな」
「お世辞に気付かないのね、この馬鹿は」
「タイワンちゃん、言い過ぎよ」
「そうよ、馬鹿に馬鹿なんて言っちゃあ」
ベトナちゃんとインドネシアちゃんが窘めません。かくしてカンコ君
は有頂天なままです。特に大嫌い(表向き)なニホンちゃんに褒められた
のが嬉しくてたまらないようです。
「今度の家は丈夫なんだろうな」
「火で燃えたりしないアルな」
「ニダッハッハッハ、アメリー君もチューゴ君も心配性ニダな」
カンコ君は二人の言葉を笑い飛ばします。
「今にもぶっ壊れそうな家だろうが」
ロシアノビッチ君の言葉も耳に入りません。
「この家は不滅ニダ、まさに史上最強の要塞ニダ」
「そこいら辺の砂のお城みたいなものかしら」
「泥のお城じゃないの?」
ベトナちゃんとインドネシアちゃんの正論がきています。しかしやっぱり
カンコ君の耳には全然入っていません。
「地震でも津波でも火事でも壊れることはないニダ、たとえ隕石が来ても!」
「オホホホホホホホホ!」
そこで誰かの無気味な笑い声が聞こえてきました。
「・・・・・・今の笑い声は」
そう、マエミちゃんがやって来たのです。
「だ、大丈夫ニダ。この家はマエミなぞものとも・・・・・・」
ドンガラガッシャーーーーーーーーーン
見事に破壊されてしまいました。
「おい、どういうことだ!」
「完全に潰されたアルぞ!」
アメリー君とチューゴ君が破壊されたカンコ家から這い出ながら
文句を言います。
「し、知らないニダ!」
「知らなくて家が潰れるか!酔いが醒めちまったじゃねえか!」
「せ、折角持って来た自慢のティーカップが・・・・・・」
「セットしたロールが・・・・・・」
皆瓦礫の山と化した家から必死に這い出てきます。
「あ、マエミさん」
「ベトナちゃんこんな時もクールね」
インドネシアちゃんが突っ込みを入れます。
「隕石でも壊れないといったのにこれか」
「あのマエミとやらの一撃で完全に破壊されたではないか」
「ゲルマッハ君、アーリアちゃん、そんなこと言ってる場合じゃないよ!」
「ニホンちゃんも!マエミがこっちに猛ダッシュで向かって来てるよ!」
タイワンちゃんが叫びます。
「ホホホホホホホホホホホホホホッ!」
迫り来るマエミちゃん、家の破片や木々をことごとく吹き飛ばしながら皆の
ところに向かって来ます。
「逃げろーーーーーーっ!」
皆必死に逃走します。そのすぐ後ろに何もかもを吹き飛ばしながら迫る彼女が。
「バカンコ、あんた責任とんなさい!」
「無理ニダ!」
「とにかくこの騒ぎが終わったら覚えてろよ!」
「お仕置きのフルコースだ!」
「アイゴーーーーーーーッ!」
かくしてマエミちゃんの前に皆と一緒に散々蹂躙された後皆からお決まりの袋を受けた
カンコ君でした。
解説
熱血君 ◆O4x3A1GrPw
投稿日: 04/05/16 03:03 ID:kUPtiDPx
今回のソース。ソウル広場の市庁の演出。傾いてますがな。
ttp://japanese.joins.com/html/2004/0502/20040502185648800.html
韓国の台風被害。
ttp://www.kyoto-np.co.jp/news/flash/2003sep/14/CN2003091401000016J1Z10.html
ドタバタオールスター。最初は隕石でも落としてみようかと考えていました。
けれどマエミちゃんの話を使ってみました。
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