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第1871話
熱血君 ◆O4x3A1GrPw
投稿日: 04/05/19 22:25 ID:p75z8THK
「アバンギャルド=ドリーム」
マカロニーノ君の趣味、それはナンパです。しかし成功することはまあありません。
けれどそれだけでないのが彼のいいところです。その情熱を他のところにもしっかりと
向けています。
「芸術はいいね。リリスの生み出した最高のものだよ」
「あまりにも古くて誰も覚えていないぞ」
「・・・・・・・・・」
モデルを務めるアーリアちゃん(服着用)に突っ込まれます。とにかくマカロニーノ
君の芸術、とりわけ絵画や彫刻の評価はかなり高いものがあります。
「それでも最近斬新なやり方に飢えているんだよね」
「女の子にではないのか?」
「・・・・・・アーリア、今日は一段と厳しいね。彫刻をただ作るだけじゃ駄目なんだよ」
「ではどうするのだ?」
「そうだなあ」
彼は考え込みます。窓に目をやりました。
「ン!?」
そこに一本の大きな木があります。それは豊かな枝を持ち緑の葉をたくわえています。
爽やかな、透き通るような緑です。
「そうだ、何も飾る場所は一つじゃないんだ!」
マカロニーノ君は閃きました。
「どうやら何かを見出したようだな」
アーリアちゃんは彼の朗らかな顔を見て自分自身も微笑みました。優しい微笑みです。
マカロニーノ君はそれから一心不乱に彫刻に打ち込みました。
食事と歌と女の子を除いて。
「全く普段と変わりないぞ」
「モデルは静かに」
アーリアちゃんの突っ込みを苦しくかわします。そして遂に
彫刻を完成させました。それはいつもと変わらない大理石の
彫刻でした。
「マカロニーノ、出来はいつも通り素晴らしい」
アーリアちゃんはそれを見て言いました。
「ただ私にしては少し綺麗過ぎると思うが」
「何言っているんだい、アーリアは充分綺麗だよ」
そう言って言い寄ろうとしますが手をつままれました。
「・・・・・・とにかく私が言いたいのはだ」
コホン、と咳払いをしてから口を開きます。
「今までと変わらないと思うのだが」
「それはこれからのお楽しみ」
彼はウィンクをして答えました。
「そうか」
そのケセラセラな様子にアーリアちゃんは不安を覚えましたが
ここは何も言いませんでした。さて発表の日です。
ザワザワザワザワ
皆はマカロニーノ君の彫刻を見て驚いています。
「フフフ、どうだい今回の僕の作品は」
彼は得意気な物腰で皆に尋ねます。
「・・・・・・御前疲れてるのか?」
皆が彼に対して言いました。
「ちょっと、心外だなあ。何でそんなこと言うんだい!?」
「だってなあ」
皆はその彫刻を指差して言いました。
「あれって縛り首にしか見えないんだけれどよ」
「僕の家族の歌の真似!?」
クーロイ君が尋ねました。見ればその彫刻は木の上から
首に縄をかけられ吊るされています。
「アーリアに悪くないか?」
「私は構わないが。しかし」
アーリアちゃんはマカロニーノ君に尋ねます。
「一体どういうつもりでこんな発表をしたのだ?」
「いやあ、暴力反対とかね。それに斬新にいきたかったし。
駄目かな」
「・・・・・・他の方法を考えろ。幾ら何でも悪趣味だ」
かくして皆によって彫刻は降ろされ普通に展示されました。
「ううん、まずいかなあ」
それを見たマカロニーノ君だけは何処が悪かったのか今だに
わかってはいないようです。
解説
熱血君 ◆O4x3A1GrPw
投稿日: 04/05/19 22:27 ID:p75z8THK
今回のソース。縛り首の彫像ですか。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000629-reu-ent
あと何故アーリアちゃんがマカロニーノ君のモデルを勤めているか。
ttp://kumism.boo.jp/history/archives/000100.html
ttp://www.tabiken.com/history/doc/B/B072C100.HTM
神聖ローマ帝国のイタリア政策からです。十九世紀の芸術家達の
イタリア贔屓も参考にしました。ゲーテにワーグナー。
失礼、あげたままになっておりました。
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