戻る <<戻る | 進む>>
第1872話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/05/21 00:09 ID:UV1FfyZx
             「知ったかぶり」
 最近メンバーが物凄く増えたEU町内会です。もう一見見ただけでは
誰が誰やらわかったものではありません。
「ええと、ポーラも入りましたしハプスブルク先生も・・・・・・」
「エリザベス、先生は前からおられるぞ」
「あっ、そうでしたわね(しまった忘れていましたわ、わたくしとしたことが)」
 頭のいいことで知られているエリザベスちゃんですらまだ把握しきれて
いないところがあります。そこまで大人数なのです。
「個性派ばかり集まった太平池の会合なら覚えるのが楽なのですけれど」
「御前が言うな」
 太平池のメンバーの方から早速突っ込みが入ります。
「まあ個性はともかくとして」
 突っ込みに負けるような彼女ではありません。もう一度メンバーを
見回します。
「本当に誰が誰やらわかりませんわ・・・・・・」
 そこで新しいメンバーがまた加わったという話が出てきました。
「今度は誰ですの!?」
「あら、エリザベス、知りませんでしたの!?」
 そこで宿敵フランソワーズちゃんがニョッキリと出て来ました。
「し、知っていましてよ」
 彼女にだけは弱味を見せられない、エリザベスちゃんはその整った
瞳をキッとさせます。
「ではルヴァニアの参加を祝いませんこと!?」
「そ、そうですわね。ルヴァニアもようやくわたくし達の仲間入りが
出来て嬉しいでしょうし」
「そんな奴いたか!?」
 ここでクラスの皆が首を傾げます。
「み、皆さん何を言っていますの!?」
 エリザベスちゃんがその言葉を聞いて顔を真っ赤にします。
「いらっしゃるじゃありませんか。ほら、クラスの一番端っこの席に・・・・・・」
「そこキッチョムの席だぞ。まあいつもいないけれどな」
「うう・・・・・・」
 劣勢になっていきます。さしものエリザベスちゃんもこれは苦しいです。
「エリザベス」
 ここでフランソワーズちゃんが微笑みました。
「ルヴァニアなんて方はこのクラスにはおられませんわよ」
「えっ!?」
 エリザベスちゃんはこの言葉に目が点になりました。
「うふふ」
 フランソワーズちゃんは彼女の呆然とした様子を見て
ニンマリとしています。
「引っ掛かりましたわね。やっぱり貴女らしいですわ」
「な・・・・・・!」
 エリザベスちゃんの顔が真っ赤に染まっていきます。肩が
ワナワナと震えます。
「フ、フランソワーズ、かつぎましたわね!」
「あら、かつがれたのは貴女ではなくて?クラス委員の一人
ですのに全員の顔も名前も把握していないとはとんだクラス
委員ですわね」
「グググ・・・・・・」
 顔が益々赤くなっていきます。しかし反論は出来ません。
何せその通りなのですから。
「まあ貴女ももう少し勉強が必要ですわね。そしてクラス全員
の顔と名前を全部把握してから町内会にいらっしゃい。まあ
覚えられたらですけれど。オーーーー、ホッホッホッホ!」
「ムキーーーーーッ、フランソワーズ、覚えていらっしゃい!」
 エリザベスちゃんの悔しさに満ちた叫び声が響き渡ります。
 それから暫くグリグリの滅茶苦茶度の強そうな眼鏡をかけ
一心不乱に分厚い本を読み猛勉強にいそしむ彼女の姿が
ありました。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/05/21 00:14 ID:UV1FfyZx
 今回のソース。イギリス人の一割弱がルヴァニアという国が
EUに参加すると思っていたようです。
ttp://bateman.txt-nifty.com/newsblog/2004/04/post_48.html
他にもストックがありましたがビー玉さんの背広のエリザベスちゃんと
フランソワーズちゃんが可愛かったのでこれを。

この作品の評価を投票この作品の評価   結果   その他の結果 Petit Poll SE ダウンロード
  コメント: