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第1916話
無銘仁 ◆uXEheIeILY
投稿日: 04/06/28 07:36 ID:u1/B4l9m
「果てしなき闘争 第五章」
フラメンコ先生に学校へ連行された僕らは、校長先生の説教に
小一時間は耐えねばならなかった。
フラメンコ先生曰く「いけない遊び」に、僕は関わっていない。その点は
まことに理不尽だが、規律を乱した罪は重い。黙って頭を垂れた。
ことはこれで収まらず、翌日学年集会まで開いて入れ代わり立ち代わり、
先生方の個性溢れる説教をみんなで拝聴した。最後に校長先生が、
これからどうしたらよいか、自分たちで考えなさいと諭した。
ああそうだ、エリザベスくんは翌日には元気な姿で登校してきた。
正直なところもう数日休んでいてほしかったのだが。
僕は深慮した。みなもよく考えたに相違ない。侃々諤々の議論を経て、
最後には細微にわたる規則が完成した。概要は以下の通り。
・島に行く時は保護者の許可を得ること
・ごみはきちんと持ち帰ること
・島はみんなの物だから勝手に私物化しないこと
それほど難しいものではない。この規則が決まってからというもの、
我も我もと島へ出かけてテントを張るようになった。
これといった争いも事故もなく、今のところは仲良く使っている。
目に見える争いは収まったものの、火種はまだ残っていた。
これよりは少し前の話になるが、僕はロケットを作っていた。
といっても嫌われ者のロケット花火ではない。小学生が火薬を
扱うわけにはいかない。原始的なペットボトルロケットだ。
最初は自由研究の一部で作っていたが、作っているうちにだんだん
悪戯心が芽生えてきた。今思えば愚かだが、こいつで友達を驚かして
やろうと思ったのだ。
妙な自尊心のせいか、あの頃はひねくれていたな。
女子に手を上げるくらいだから本当にどうかしていたのだろう。
――そんな話はどうでもいい。ともかく僕はロケットを完成させた。
そして打ち上げも見事なまでに成功した。
みんなを驚かすのには成功したが、アメリーにばれて袋叩きにあった。
あのころからあいつの暴力はひどくなった。先に仕掛けた僕が言えた
筋合いではないが。
虫の息で地面に転がる僕を見下しつつ、アメリーとロシアノビッチが
戦利品を求めて寄ってきた。ハイエナの親分みたいなものだ。
「よお、面白そうなもの持ってんな。こいつはもらっとくぜ。お前のものは
俺のもの。俺のものも俺のものだからな。ハッハッハ」
「おう、俺様にもひとつよこせよ。なんだ、アメリーにはやって俺様には
くれないっつうのかよお。そうだよ、最初から素直によこしゃいいんだ。
ガハハハハ」
僕のロケットはこうして取り上げられてしまったのだ。(つづく)
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