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第1923話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/07/07 22:26 ID:AvTUQauV
                「チョゴリちゃんのぬいぐるみ」
 ある日のことです。チョゴリちゃんが飼っているペットの兎に白い兎が生まれ
ました。
「兄さん、見るニダ!」
 チョゴリちゃんは早速カンコ君にその兎を見せました。
「兎ニダか!?可愛いニダな」
 カンコ君は大の兎好きです。密かにニホン、チョゴリ、コユンという白、白黒、
黒の三匹の兎達に名前をつけて可愛がっています。他にも一杯ペットはいますが
この三匹の兎が一番のお気に入りです。
「どうニダ、ウリナラの兎で白い兎は凄く珍しいニダ!これは幸運の前兆ニダ!」
 その子兎を抱いて大喜びです。カンコ君家では白い兎は滅多に生まれません。
彼の兎は元々はニホンちゃんとこの兎だったりします。
「そうニダな、白い兎が生まれるなんて凄く縁起のいいことニダ、これはきっと
何かあるニダよ!」
「兄さんもそう思うニダか、ウリはきっと王子様に迎えに来てもらえるニダ!」
「王子様ニダか・・・・・・」
 カンコ君はここで白鳥ならぬ兎に導かれアメリー君やチューゴ君といった悪者、
タイワンちゃんやエリザベスちゃん、フランソワーズちゃんといった魔女達に
とらわれたニホン姫を助ける白銀の鎧に身を包む自分自身を妄想しました。
「ウリはニホンと・・・・・・」
「ウヨ君と・・・・・・」
 チョゴリちゃんはウヨ君とのハッピーエンドです。互い夢の世界に入っていて
互いが見えていないのが救いでした。
 二人は白い子兎を囲んで上機嫌でした。ところがこの子兎が急に
死んでしまったのです。
「そんな・・・・・・」
 原因は同じ籠に入れていた兎が間違って踏んでしまったせいです。
二人は死んでしまった子兎を見て絶望に沈みました。
「チョゴリ、あの兎に罪はないニダ。これは事故ニダ」
「わかっているニダ・・・・・・」
 チョゴリちゃんは泣きながら頷きました。
 親兎はずっと子供を探しています。けれど死んでしまったからもう
見つかる筈がありません。それでも餌も食べず哀しい顔で探しています。
「御前も哀しいニダね」
 チョゴリちゃんはその親兎を抱き締めました。そしてそのまま部屋に
篭ってしまいました。
「・・・・・・・・・」
 それを見たカンコ君は何かを思いたちました。そして部屋に戻り
そのまま朝まで出て来ませんでした。
「チョゴリ、待っているニダ」
 朝になりました。カンコ君はチョゴリちゃんの部屋に入りました。
「チョゴリ、これをやるニダ」
「それは・・・・・・」
 それは白い兎のぬいぐるみでした。
「そのぬいぐるみにはあの子兎の魂が宿っているニダ。証拠はない
ニダがそうに決まっているニダ」
 見れば彼の手は傷だkらけです。慣れない、しかも不器用な手で
ぬいぐるみを作ったのですから当然でしょう。
「兄さん・・・・・・」
 チョゴリちゃんはそのぬいぐるみを受け取りました。
「だから大事にするニダ。親兎にも見せるニダ。そして二度と
哀しんではいけないニダ。御前が哀しんでも誰も喜ばないニダ」
「わかったニダ」
 チョゴリちゃんは泣きそうになるのを必死にこらえました。そして
何とか笑みを作り頷きました。
「それでいいニダ」
 これでチョゴリちゃんも親兎も元気を取り戻しました。チョゴリ
ちゃんの部屋の机にはこの白い兎のぬいぐるみが今も飾られています

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/07/07 22:29 ID:AvTUQauV
 今回のソース。白い鹿が生まれて死んでそれを剥製にしたお話。
ttp://japanese.joins.com/html/2004/0609/20040609170331400.html
ttp://japanese.joins.com/html/2004/0616/20040616172804400.html
 鹿を兎に変えたのはペットに設定変更したので。
 明石屋さんまは奈良の鹿にペンキ塗って白い鹿と大嘘ついて鹿の
コンテストに出ようとしたことがあるそうです。奈良県民として
さんまに拍手、よくやった。何か鹿の話になると悪口ばかりになるな。

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