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第2017話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/10/16 01:34:20 ID:M9ULTsX7
「かっこつかないね」
 カンコ君とチョゴリちゃんのマイブームはずばり『お洒落』です。
ファッションや着こなし、ヘアースタイルにかなり気を使っています。
「兄さん、どうニダ、今日の服」
 チョゴリちゃんもいつものチマチョゴリから髪をストレートにして
黒いシャツにローライズのジーンズを着ています。わりかりよく似合って
います。
「いいニダよ、チョゴリ。バッチリ決まっているニダ」
 妹を褒めるカンコ君の服装はストライブのカッターに青いズボンです。
髪は何とオールバックです。
「兄さんもニダ。やっぱり今はお洒落ニダね」
「そうニダ、これからはウリナラが町のトップモードニダ、ウリナラ
マンセーーーーッ!」
 チョゴリちゃんはともかく彼はいつものウリナラマンセーモードです。
ところがどうも周囲の反応は醒めています。
「確かに悪くないけれどさ」
 タイワンちゃんが首を少し傾げています。
「何かどっかで見たことあるのよねえ」
 インドネシアちゃんもです。二人共何か心に引っ掛かるものを感じている
のです。
「な、二人共ウリのファッションにケチをつけるニダか」
 自尊心を傷付けられたカンコ君はやっぱり顔を赤くして二人に抗議します。
「いや、そうじゃないけれど」
「どっかで見たことあるのよ、あんたの今の格好。どっかでね」
 二人はあからさまに疑わしい目で見ています。
「何処だったかなあ」
「凄く身近で見てるのよねえ」
 記憶を辿る二人。カンコ君はそれを見て次第に焦りはじめています。
「兄さん、どうしたニダ」
 チョゴリちゃんはそんな兄が不思議でなりません。
「別に隠す必要もないニダよ」
「ええい、チョゴリは黙っているニダ!」
 彼は妹の口に蓋をしました。そして喋らせないようにしました。
「益々あやしいね」
「うん」
 けれどそれは逆効果、二人は益々嫌疑を深めています。そこへ通り
掛かった一人の少女。
「みんな何してるの?」
 ニホンちゃんです。さてその出で立ちは。
 何と黒いシャツにローライズ。髪型まで同じです。
 じとーーーーーーーーーーーーっ 
 それを見た二人がカンコ君に視線を浴びせかけます。
「な、何が言いたいニダ!?」
「別にい」
「ただ、ね。やっぱりな、と思って」
「やっぱりとは何ニダ!ウリは別にニホンの家の真似なんか・・・・・・」
 ドサリ
 ここでカンコ君の懐から一冊の雑誌が落ちました。
「ん!?」
 インドネシアちゃんがそれを手に取ります。そして中を開くと。
「・・・・・・・・・」
 何とニホンちゃんのお家のファッションばかり。そう、ニホンちゃん
のお家のファッション雑誌なのでした。
「どういうこと!?バカンコ」
「そ、それは・・・・・・」
 タイワンちゃんに問い詰められタジタジとなっています。
「詳しく説明してもらいたいなあ、ねえインドネシア」
「うん」
 次第に劣勢になっていきます。こうなったら取るべき手段は一つ。
 脱兎の様に逃走してしまいました。
「何とまあ」
「相変わらず足だけは速い」
 残された女の子達はそれを見送ることしかできませんでした。
「何で逃げるのかなあ、変なカンコ君」
 まだ事情がよく掴めていないニホンちゃんは首を傾げたままです。
「チョゴリちゃんもどうしたの?何かわたしの服そっくりなんだけれど」
「はい、これニホンさんの服を真似たニダ。やっぱり格好いいから」
 チョゴリちゃんは三人に詳しい事情を話しました。何でも最近彼女と
カンコ君はニホンちゃん家のをモデルにしてお洒落をというのです。
それを聞いた三人はやっぱり、といった顔で頷きました。ニホンちゃん
以外は。
「ふうん、そうなんだ」
 ニホンちゃんはまだ今一つよくわかっていません。
「わたしの服でよければどんどん使って。何かモデルにしてもらえると
嬉しいな」
「有り難うニダ」
「けれど一つわからないのよね」
 ここでニホンちゃんが不思議そうな顔をしました。
「何でわたしのお家の服なんだろ。カンコ君いつもわたしの服装とか
馬鹿にするのに」
「あの・・・・・・」
 どうしてもカンコ君の本音をわからないニホンちゃんに困った顔を
する二人でした。


 以前から韓流熱風とやらで出て来るあちらのタレントさんのファッションを
ネタにしてみました。何というかそっくりなんですよね、我が国のタレントと。
服装どころか髪型やしぐさまで。ちなみにカンコ君の服は昔のトシちゃんです。
凄く感じが似てるあちらのタレントがいたので。

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