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第2062話 シェロ 投稿日: 04/11/29 20:59:03 ID:L9vWy43f
「シスプリって名前しか知らないんですが」

 お化粧、ヨシ!お洋服、ヨシ!アリバイ、ヨシ!
 うふふ、兄上様がデートに誘ってくださるなんて何日ぶりかしら。
 コルシカちゃんが「あんたのか弱いところを見せたら男なんてイチコロだぜ」
 とか言ってたし、最近私出番少なかったから、
 ここで兄上様のハートをがっちり掴んでおかなくちゃ。
 今日はラスカちゃんちにお泊りってことにしてあるし・・・・・・もしかしたら、きゃ☆

「ウクライナ〜〜〜!」
 あぁ、その逞しい声は、兄上様だわ!
 そのがっちりとした身体、酒臭い吐息、お変わりありませんわね。
「わりぃな、最近構ってやれなくて。どこへ行きたい?」
 私は、兄上様と一緒でしたら、どこでもいいですわ。
 だって、一緒にいられるだけで幸せなんだもの。
「なにいってんだよお前は、まぁ、ちょっとサテンでも入ろうか?」
 そう言うと兄上様は、私の手を握ってくれた。手から伝わる兄上様の温もり。
 あぁ、幸せってこういうことね・・・・・・・

「ちょっとロシアノビッチ、ウクライナちゃんをどこへ連れて行くつもりですの?」
 と、そこへ女の方の声。見るとそこには、エリザベスさんとフランソワーズさんが。
「今日はウクライナちゃんに、レディの嗜みをレクチャーする約束でしたのよ?」
 あぁ!私ったらなんてこと!その約束をすっかり忘れていましたわ。どうしましょう…・・・
「そうなん?わりぃな。今日コイツは俺様とデートだからよ。それはまた今度にしてくれや」
 そう言うと兄上様は私をぎゅっと抱きしめてきた。きゃぁ、いけませんわ皆が見てるのに。
「何をおっしゃるのロシアノビッチ?私達の方が先約でしたのよ。あなたがまた今度になさいよ」
「ほら、ウクライナちゃん、こっちへおいで?」
 エリザベスさんとフランソワーズさんは、そう言うと私の足を掴んで自分の方に引き寄せようとした。
 いた、いた、いたたたたた、ちょっと、ひっぱらないで。いたいですって。

ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ〜〜〜〜〜〜

「おいおい、おめーら離せよ。ウクライナ苦しそうじゃねえか」
「あなたこそ、その酒まみれの手を、離したらいいんじゃなくて」
 まるでぬいぐるみを奪い合うように、兄上様とエリザベスさん達は私を引っ張り合う。
 いたいです、いたいですって!ちょ、ちょっと〜!
 まるで、ウヨ君が言っていた、大岡越前裁きのようだわ!
 そう、あの時子供が痛がってると思って手を離した方が母親であると裁きがくだったんだ!
 兄上様、私を思ってくださるなら、その手をお離しになって!!

ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゆぎゅぎゅぎゅ〜〜〜〜

 ねぇ、聞いてます?あのね?痛いの。いーたーいーのー!
 やば、やーばーいってー!ちぎれる、ちーぎーれーるー!
 まーじーでー!離せっつーのー!おーいー!
 あーにーうーえーさーまー!こら、きーてんのかよー!
 やーばーいー!わーらーえーなーいっつーのー!ブチっていくっつーのー!ねーぇー! 
 やーめーれー、やーめーれーよー!たーのーむーかーらー!おーいー!

解説 シェロ 投稿日: 04/11/29 21:11:39 ID:L9vWy43f
ウクライナちゃん  
体が弱く頼りなさげな子、ロシアノビッチ君を兄上様と呼ぶ (キャラクタ紹介より抜粋)

ウクライナ大統領選で親露派与党ヤヌコビッチ候補が勝利、ところがその選挙に不正疑惑が。
親欧米派野党大統領候補ユシチェンコ元首相陣営が猛抗議。
親露派東部分離独立の話まで持ち上がって国家分裂の大ピンチでございます。

風刺するとなるとこんな感じでしょうか。

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