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第2070話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/12/10 21:07:32 ID:1fvGXHwU
              「苦情の行き先」
 トゥルルルルルルルルルルルル
 ニホンちゃんのお家に電話がかかってきました。
「はい」
 出たのはニホンちゃんです。いつも通り何気無く
電話を手にとりました。
「ニホンさんでして?」
 声の主はエリザベスちゃんでした。
「うん、どうしたの?」
 ニホンちゃんはこの時彼女の声が怒っているのに気づきません
でした。これは少し迂闊でした。
「カンコのことで」
「カンコ君のこと?」
「ええ。彼がわたくしの家に来たのは御存知ですわね」
「うん」
 最近彼はEU町の家を訪問して回っているのです。理由はお家
の宣伝らしいですが他にも親善の意味もあります。
「それで贈り物ですけれど」
 そうした際に贈り物をするのが暗黙のルールです。これはやはり
常識でしょう。
「贈り物がどうかしたの?」
「ええ」
 ここでエリザベスちゃんの声がさらに怖いものになりました。
「DVDを贈ってくれましたのよ。ドラマのだとか」
「DVD!?」
 ニホンちゃんはそれをきいたて思わず耳を疑いました。普通は
こういった場合の贈り物にはしないからです。
「韓流熱風とかで。ニホンさんのお家では流行っているそうです
わね」
「う、うん。そうだけれど」
 ニホンママさんがとりわけ夢中になっています。かくいうニホン
ちゃんも結構好きな方です。
「わたくしのお家では流行っておりませんの。それを彼に教えて
頂けます?」
「う、うん」
「そしてもう一つ。次は他の贈り物にして欲しいと。よろしくて?」
「え、ええ。わかったわ」
「それでは」
 それで電話は切れました。
「またなのね」
 ニホンちゃんはそれを聞いてはあ、と溜息をつきます。実は彼
への苦情はいつも彼女経由なのです。いい加減もう困っています。
「わたしカンコ君のお姉さんじゃないんだけれどなあ」
 そう呟いて電話を後にします。ところが。
 トゥルルルルルルルルルルルルルルルル
 また電話が鳴りました。
「はい」
 嫌な予感がしながらも電話に出ます。今度はポーラちゃんでした。
「あ、ニホンちゃんいい!?カンコのことなんだけれど」
「うん、何?」
 また、と思いながらも応対をします。けれど内心では溜息ばかりです。
「私の家であのシューキューの自慢したのよ。勝って申し訳ないって。
あいつ喧嘩売ってるの!?」
「あの、それはねポーラちゃん」
 ニホンちゃんがそこで怒りで宥めて丁寧に説明します。それで彼女は
ようやく怒りを収めました。
「そうだったの。とりあえず悪気はないのね」
「うん」
「じゃあニホンちゃんに免じて許してあげるわ。それじゃあ御免ね」
「ええ」
 それで電話は切れました。ニホンちゃんはやっぱり溜息をつきます。
「何で皆わたしに言うんだろ。カンコ君のことになると」
 それは彼に言っても効き目がないからです。かといってニホンちゃん
の話も聞かないのですが。要するにガス抜きのようなものです。
「あとフランソワーズちゃんもあるのよね。大丈夫かなあ」
 はあ、とまた溜息をつきます。彼女の悩みは尽きることがないようです。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/12/10 21:13:12 ID:1fvGXHwU
 今回のソース。ノムヒョン大統領のイギリス、ポーランド歴訪より。
ttp://j2k.naver.com/j2k_frame.php/japan/ucc.media.daum.net/uccmix/news/politics/others/200412/02/kukinews/v7844734.html?u_b1.valuecate=4&u_b1.svcid=02y&u_b1.objid1=16602&u_b1.targetcate=4&u_b1.targetkey1=17135&u_b1.targetkey2=7844734
ttp://j2k.naver.com/j2k_frame.php/japan/news.naver.com/news/read.php?mode=LSS2D&office_id=021&article_id=0000090591§ion_id=100§ion_id2=264&menu_id=100
 ポーランドでの発言も大概ですが贈り物がDYDですか。何とまあ。

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