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第2219話
121 ◆UwtHzLzfo2
投稿日: 2005/04/20(水) 04:27:21 ID:JM9OS15V
「ウヨのささやかな報復」
相当我慢していたんでしょう、自分の部屋に帰ってきたニホンちゃんは、
涙が流れるのをとめられませんでした。
「姉さん、ちょっといいかな?」
後ろから、ウヨ君の声がしました。ニホンちゃんは慌てて目元を拭き、
声の調子を整えてから「どうぞ」と、ウヨ君を部屋へ入れました。
「・・・姉さん、泣いてた?目が真っ赤だよ。」
「あ、ううん、これはなんでもないの・・・」
悟られまいと思っていましたが、自分の目がはれていることに、ニホンちゃんは気づいていませんでした。
「また、カンコやられたの?」
ニホンちゃんはうつむいてしまいました。こういうとっさの言い訳がニホンちゃんは苦手です。
「・・・話したくないならいいよ。ちょっと行って来る!」
「ちがうの!カンコ君は関係ないの・・・」
「じゃあ誰だよ?話してよ、僕は姉さんが心配なんだ!」
こうなったウヨ君は、誰も止められません。
言わないと手当たり次第に暴れてしまいそうなので、話すことにしました。
「・・・無茶しないって約束してくれる?」
本当は、こんな事は話したくありません。ニホンちゃんは、ウヨ君が自分のことになると、
どんなことでも平気でやってしまうところが、嬉しくもありましたが、とても心配でした。
ウヨ君になにもしないことを約束させ、チューゴ君とのいきさつを話しました。
「なんて奴だ、チューゴの奴・・・」
ウヨ君は怒りが収まらないようです。
「でもね、被害があったのはチューゴ君に貸していたものだけだし、
チューゴ君もいろいろ大変だから、すこし大目に見てあげたほうがいいと思うの。
だから、そっとしておいてあげてね。仕返しなんてしちゃだめだよ」
ウヨ君は少し悩んだ末、首を縦に振りました。それを見たニホンちゃんは少し安心しました。
「チューゴめ、普段から姉さんにちょっかいばっかりかけてるよな。
カンコの後ろで目立たないようにやっているけど、僕は知っているんだ」
いままで、いろいろされていても、結局カンコ君という隠れ蓑もとい捨石があったため、
チューゴ君はあまり表沙汰にはなっていません。
ですが、やっていることはカンコ君に比べ物にならないほどひどいものもありました。
「あいつが、二度と姉さんに悪さしないように、徹底的に叩いて改善しないと・・・」
ニホンちゃんとの約束を破ることになりますが、
ウヨ君は泣いているニホンちゃんをこれ以上みていられません。
悩んだ末、ウヨ君はチューゴ君と決闘をしようと考えました。正当なケンカなら問題ないと思ったのです。
果し状を書き、それに竹刀を添えてチューゴ君の家に送りつけました。
つづく
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