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第2460話 シェロ 投稿日: 2005/12/24(土) 08:53:32 ID:NNRobz7I
「どきどきっ!!ついん☆べいび〜」

 コンコン
 玄関のドアをノックすると、ドアが開いてタイランが顔を出した。
「なんだ、どうしたのアメリー君?」
「あぁ。ここらへんちょっとぶらついてたら、チビ達がおなかすいたってぐずりだしてさ。
 お前悪いんだけど、お菓子かなんかちょっと分けてくれよ」
「へ、あ、あぁ。別にいいけど。とりあえず上がりなよ」
 タイランはちょっと戸惑いながらも、快く俺を迎え入れてくれた。

 数十分後。俺はチビ達を連れてタイランの家を発った。
「うあああああああああああああっっっ!!あぁっ!!あぁああああああああああああああああああ!!」
 後から聞こえるタイランの叫び声はとりあえず聞かなかったことにしておこう。

 それから俺は、カンコの家にお邪魔した。
 カンコも「アメリーが来てくれるなんて光栄ニダホルホル」と笑いながら、俺達を出迎えてくれた。
 そこでもご飯をご馳走になって、俺はまた出て行く。
「ひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっっ!アイゴー!アイゴーーーーーーーーーッッ!!」
 恐ろしいほどの絶叫が響く。俺は耳を塞いで、決して振り返らないで進んだ。

「おにいちゃん、おなかすいたよう」
 二人のチビは上目遣いに俺を見つめる。あんだけ食っておいて、まだ食い足りないのか。
「おなかすいたよう、なんかたべたいよう」
  
  
 いつからこんなになっちまったんだろう。
 気がついたらウチに来ていた双子の赤子。俺がバカ騒ぎやってたときも、有頂天になってたときも
 どんどんどんどん大きく育ちやがった。それによく食べる。沢山食ってどんどんでかくなりやがる。
 いくら食っても、いくら食っても飽き足らず、もっともっとほしいといいやがる。
 食えば食うほどでかくなって、でかくなるほど食いたがる。
 そんなに食わせるもの、俺だって持ってないのに。
 
 がりりっっ

「……ッッ!!」
 指先に鋭い痛みが走って、思わず声にならない声が出た。
 痛みの元を見ると。

 俺の指にかじりつく、双子。
 びきびきっと鈍い音を立てて、俺の指先に歯がめり込んでいく。俺の指の肉からあふれ出す赤。奥にわずかに見える白。
「オニイチャン、ガマンデキナイヨォ」
「ハヤクタベサセテ、ハヤクタベサセテ、モットタベサセテ」
「クワセロ、アメリー、クワセロ」
 ………こいつら、俺を食おうとしてやがる!
「うあ、あ、ああああああああああ!!!」
 俺は恐怖にかられて走り出した。指先に双子はかじりついて、離れようとしない。
 誰か、誰か、助けてくれ。

「ああああっっ!開けて!開けてくれ!開けろ!アケロオオオオオオオオオオオ!!」
 狂ったように俺は戸を蹴った。アジア町の中の、すごくキレイで豪華な家の。
 ガンガン、ガンガンと。
「どうしたの?アメリー君?」
 驚いてドアを開けた彼女の顔を見たとき、俺は心から助かったと思った。

 こいつをえさにすれば、おれはまだくわれずにすむ。

解説 シェロ 投稿日: 2005/12/24(土) 08:57:39 ID:NNRobz7I
やぁ(´・ω・`)
この前は失礼したね。

今日のネタは、双子の赤字と、韓国バーツ危機と、韓国IMFと、郵政民営化なんだ。

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