戻る <<戻る | 進む>>
第2467話 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2005/12/29(木) 10:41:07 ID:ABFaQEwm
『三文字作画』
 ニホンちゃんの描くマンガは学校中で大人気。そこで、タイワンちゃんのお家がやって
いるお店が景品にそのキャラクターを使うことになり、思わぬお小遣い稼ぎができました。
 それを見ていたカンコパパは、「ウリの家もマンガで稼ぐようになるニダ」とチョゴリ
ちゃんに絵を習わせ始めました。

 さて、年末恒例の町内マンガ交換会の日が迫ってきたある日のこと。チョゴリちゃんが
原稿の束を持ってニホンちゃんを訪ねて来ました。
「ニホンオンニ、ウリもマンガを描いてみたけど、見てもらえるニカ?」
 ニホンちゃんは原稿を読み始めました。そして、しばらくして顔をあげて尋ねました。
「うーん、何かものたりないなあ。ねえ、この主人公の星座と血液型は?趣味は?好きな
食べ物と嫌いなものは?得意科目と苦手は?お家の広さと部屋数は?お家のお仕事は?」
 チョゴリちゃんは、とまどって答えました。
「そ、そこまでは考えていないニダ」
「それで、なんかうすっぺらいのね。じゃあね、特別に私の創作ノートを見せてあげる」
 ニホンちゃんはそばに置いてあったノートを開きました。そこには登場人物一人一人に
ついて何ページにもわたる細かい設定が書いてありました
「一本のマンガをつくるためにはね、ノート一冊分の履歴書を書かなくてはいけないの」
「お話ってこうやって作るニカ。これ、秘密のノートニダね。それを見せてくれたんだから
何かお礼をしたいニダ…。あ、そうだ。こんどの交換会の原稿、はかどってるニカ」
「うう、じつは…とってもきびしいの」
「お礼に手伝ってあげるニダ」
「それは助かるわ。ベタ塗りと背景お願いできるとありがたいんだけど。でも大丈夫?」
「ケンチャナヨ」
 ケンチャナヨという言葉を聞いたときかすかに胸騒ぎのしたニホンちゃんですが、期日が
迫っているのでそんなことも言っておれません。

 数日後、
「あーん、ベタがはみ出してるし、背景は遠近感が狂いまくりだよー」
 結局徹夜で手直しをすることになったニホンちゃん、ため息をついてつぶやきました。
「アイゴーってこういうときに使う言葉なのね」

解説 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2005/12/29(木) 10:42:15 ID:ABFaQEwm
(ソース)
台湾文化生活密着レポート
「もうすぐ終了」
http://taiwan.asablo.jp/blog/2005/07/26/
東京財団レポート
「日本に『マンガ・アニメ大学』の創設を」
http://www.tkfd.or.jp/pdf/tkfdrept03.pdfの7ページ目
ライトノベル作法研究所
「登場人物たちのプロフィールを作り設定に厚みを加える」
http://www.raitonoveru.jp/howto/b.htm#01
三文字作画【さんもじさくが】[名](アニメ板)
略して「三文字」とも。作画が韓国(最近は中国も)に外注されて
スタッフリストに三文字の名前が並んだアニメ作品。
作画レベルが低い状態の代名詞としても使われる。
http://www.media-k.co.jp/jiten/wiki.cgi?%A1%E3%A4%B5%A1%E4#i60

この作品の評価を投票この作品の評価   結果   その他の結果 Petit Poll SE ダウンロード
  コメント: