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第2602話 かなだらま 投稿日: 2006/09/24(日) 10:52:40 ID:Nam2iLwn
「ドイツの科学力は…」

「見たまえアーリア、素晴らしいであろう!」
「あ、ああ…」
ゲルマッハ君の部屋の一角に作られた新型エレベーターの模型。ユーロ班一の発明家、ゲルマッハ君の知の結晶です。
「これがあれば僕とアーリアの部屋の行き来の手間も縮まるというものだ」
「や……兄者の部屋に行く手間が省けるというのは非常に嬉しいのだが…」
アーリアちゃんが困惑するのも無理はありません。普段階段を使っている彼女にとって、模型のスピードは尋常ではありません。
「なに、心配は無用だ。この前チューゴにやったミニエレベーターは順調じゃないか」
「確かにそうであるが…」
「さあ、共に叫ぼうではないか。ドイツの科学力はァァァ…」
「あ、兄者…模型の上に…」

ちゅどーーーん

「げほげほ……あ…兄者…大丈夫か」
「な、なんのこれしき…」
煙の中から出てきたゲルマッハ君は、髪の毛ちりちり、顔に黒ずみ、という典型的な「失敗した博士」です。
「……」
「……」
「ド、ドイツの科学力は世界一ィィィ!!」
「……兄者、説得力ゼロだぞ」
「……」

「この僕があんな初歩的な過ちをしてしまうとは…してしまうとは…してしまうとは…」
部屋の隅でめそめそ嘆くゲルマッハ君を見て、アーリアちゃんは「やはり階段だな」と小さく呟くのでした。

解説 かなだらま 投稿日: 2006/09/24(日) 10:57:26 ID:Nam2iLwn
【解説など】
見てのとおり、ドイツで起こったリニア事故が元です。
ドイツでは前々からリニアに対する不信感があったそうですが、ついに現実となってしまいました…。御冥福をお祈りします。

関連ソースはこちら↓
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060924AT2M2301F23092006.html

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