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第15話 ナナッシー 投稿日: 2002/12/17(火) 21:16 ID:S.kDnpv6
『ニホンちゃん in  あなざーわーるど4』

(プロローグ)
ここは日ノ本家から隠された朝日の間。
今、猛烈捏造めがねっ娘アサヒちゃんが鏡に向かって話し掛けています。ちょっと危ないです。
「鏡よ鏡よ鏡さん、世界で一番正しいのはだ〜れ?」「それはアサヒ様でございます」
「では、入試問題で一番活用される新聞はど〜れ?」「それはアサヒ様の学級新聞でございます」
うんうん、と満足げにうなずくアサヒちゃん。
「じゃあ、『連続ドラマ小説ニホンちゃん』で一番萌え〜な女の子はだ〜れ?」
やや間があってから、鏡は答えました。
「やはり、本命は純情乙女ニホンちゃんでございます。
 ただ、他にも趣味嗜好それぞれありますので一概には言えませんが、
 少なくともてめえが一番っつうことはありえねぇから安心しろや、ボケェ」
    『バリン』
怒りに震えるアサヒちゃんの右拳が、名もない鏡を粉々に粉砕しました。
「なによ、なによなによ、なんなのよ〜!
 どーしていつもいつもニホンばっかり可愛がられるのよぉ!
 ・・・捏造してやる、真実をねつぞうしてやるわよぉ、この黄金の右腕でぇぇ!・・・・」バタン
右拳を高々と突き上げたアサヒちゃん、拳から流れる血を見て失神しました。
(今回のアサヒちゃんの出番はこれだけです。
 次回の活躍にご期待ください。なお、アサヒちゃんファンには謹んでお詫び申し上げます)
むかしむかし、ある島にニホンちゃんという肌が白くてすべすべな女の子がおりました。
よく近所のおじさんおばさんには「まるで白い雪のように奇麗でかわいいねぇ」と褒められ、
頬をりんごのように染めて照れておりました。
さて、そんな可愛いニホンちゃんに気に入られたい
親戚のちょっと偉そうなおじさんやジミン父さんの部下達は、
先を競ってニホンちゃんにおいしい物を食べさせようとしました。
礼儀正しく優しいニホンちゃんは、
「せっかくすすめてくれるんだから全部食べてあげなきゃ失礼だよね」
と思い、大人たちにすすめられるまま、全部平らげました。
「ごちそう様でした」
ニホンちゃんの笑顔に大喜びの大人たちはニホンちゃんにさらにたくさん食べさせました。
たくさんたくさん食べさせました。たくさんたくさんたくさん食べさせました。
健気なニホンちゃんはその全てを平らげていきました。
その結果、ニホンちゃんは腹痛を起して床に伏せってしまったのです。
以前から「食べさせすぎだ」と主張していたシシローおじさんが止めに入ってくれた時には
既にニホンちゃんは身動き一つ取れず、意識もない状態でした。
それでもなお無理矢理食べさせようとする大人達をシシローおじさんが必死で追い返しています。
「姉さん・・・ごめんよ、僕がついていながら・・・」
「いや、武士のせいじゃない、父さんがもっとしっかりしていればこんなことにはならなかったんだ」
ニホンちゃんの眠る枕もとでウヨ君とジミン父さんが肩を寄せ合ってニホンちゃんを見つめています。
「・・・じゃあ、父さんは行ってくるから、後は頼んだぞ」
「うん、シシローおじさんが集めた人達によろしく」
「ああ」
ジミン父さんはニホンちゃんの容態を回復させるためその道の専門家を召集し結論を出すよう
シシローおじさんにお願いしており、今日その報告を受けることになっていたのです。
ジミン父さんは静かに愛娘の額に手をやると、名残惜しそうに部屋を後にしました。

父親を見送り、ニホンちゃんと二人きりになったウヨ君は再びその寝顔を見つめました。
もともと白雪のような肌がより一層白く見え、不謹慎ながら美しいと感じるほどです。
その姉の肌に、頬に、そしてそれでもなお色を失わない桜色の唇に
目と意識がとめどもなく吸い寄せられていくのをウヨ君は感じました。
「・・・・姉さん・・・・」
そして・・・
    『バッタ〜〜〜ン!』

「ウッヨく〜ん、ニホンちゃん起きた〜?」
元気よく部屋のドアを開けたタイワンちゃん、彼女が最初に見たのは
ドアから向かって右手に置かれているベッドで眠り続けるニホンちゃんと、
なぜかその反対の壁にへばり付いているウヨ君でした。
「・・・ウヨ君・・・なにやってんの?」
「タ、タイワンさんノックぐらいしてください!病人のいる部屋ですよ!心臓に悪いです!」
「へへ、ごっめ〜ん。でもちょっとぐらいうるさくした方が起きてくれるかと思ってね」
ぺロッと舌を出すタイワンちゃん、反省の色はあまり無いようです。
もっとも、すごく嫌な汗をかいたウヨ君にしてみれば上手くごまかせたのでこれでよかったのでしょう。

「それより、ニホンちゃんまだ起きないみたいね」
「ええ、僕も一体どうすればいいのか・・・」
「うふふ、それでね、ニホンちゃんが目を覚ます、い〜アイデアがあるんだけど、聞きたい?」
「も、もちろん!そんなのあるんですか!?教えてください!さあ、今すぐ!」
「も〜あせっちゃだ〜めだ〜め・・・・それはね・・・・」
「・・・・それは・・・・?」
「王子様のキ〜〜〜ッス!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「夢の中を彷徨うお姫様を現実の世界に連れ戻すのは、
 白馬に乗った王子様のキスって昔から相場が決まってんの!」
「・・・・・・・・」
「じゃんじゃじゃ〜ん!呼ばれて飛びでてアニョハセヨ〜!ウリナラ期待の星、白馬に乗った・・・」「去れ」
「ま、待つニダ!善意で訪問した客人に対して刀を向けて追い返すのが日ノ本家の作法ニダか!?」
「やかましい!カード破産する王子に用は無い!」「バカンコは王子様って柄じゃないよね〜」「アイゴー!」

「Hey!そういうことならやっぱり俺の出番だろ?」「ム・・・ムムム」「文句言うようならまたFPMPをお見舞いするぜ」
「ア、アメリー君・・・ひどい・・・え〜ん」「げ・・・タイワンちゃん・・・」「おい、女の子泣かすようじゃ王子の資格ないんじゃないか?」
「SHIT!こうなったらイラクに八つ当たりしてやる!」「・・・な〜んてね」「・・・女って怖い」「目的のためなら手段は選ばないの♪」

「それなら、歴史的にもニホンちゃんと縁の深い僕が適任じゃないかな?」「待ってくれ兄上、それなら私でもいいだろう?」
「アーリア・・・そういうネタはもうあまり受け入れられないんだぞ」「ねぇ〜なら僕も混ぜてくれてもいいんじゃな〜い?」
『イタ公は引っ込んでろ!』「マンマミ〜ヤ〜」「とにかく、この役だけは譲れないな」「ならば勝負!」「・・・勝手に盛り上がってるし・・・」

「楽しそうじゃねえかヒック」「朕も混ぜて欲しいアル」「貴様ら、姉さんのパンツや家の金品盗んだ上、姉さんの唇まで奪うつもりかぁ!」
「な、何言ってやがるこのガキ」「い、言いがかりも程々にするアルヨ」「認めん、認めん、ぜっっったいに認めんぞおぉ!!」

「ええ〜い、待っていたってろくな連中が集まりやしない!こうなったら仕方あるまい、僕が白馬の王子様になって・・・」
「だめ!そんなの絶対ダメ!」「ラ、ラスカちゃん・・・」「そうよ不健全よ!それより私と・・・」「だあぁぁ!お前は出てくるな!話が違う!」

・・・さらにその後も常連登場人物から一発キャラの有象無象が入り乱れ、途中どさくさにまぎれたキッチョム君が
食料庫から盗み食いしたりと大騒ぎ。このままでは収拾がつかない第三次大喧嘩かと思われたとき・・・

「もう、いい加減にしてよ!眠れないでしょ!」

・・・時が・・・止まった。
その頃、ジミン父さんは7人の小人・・・じゃなく侍に会っていました。
「で・・・お願いしていた件ですが・・・」
「はい、我々も徹夜で討議したり、時にはお互いに斬りあったり、最後にはリーダーを引き摺り下ろしたりと
 苦労に苦労を重ねて、絶対の自信を持てる報告をご用意しました」
「・・・はぁ、そうですか」
「それでは、かいつまんで説明しますけど・・・」
「はい」
「まず、さくらさんの五体をばらばらにしてですね・・・」
「・・・・・んなことできるかあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

おしまい。

(解説)
どうも、風邪で仕事早退したくせにこんなこと書いてるナナッシーです。
今回は、ほんとーにゴメンナサーイ!
限りなく暴走した作品が出来上がってしまって、自分でもアンビリバボー。
いちおう元ネタは日本道路公団の民営化と白雪姫です。
アサヒちゃんの登場は意地悪魔女がほかに思いつかなかったからで、ファンの方ごめんなさい。
なお、私自身は民営化大賛成です。

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